皿屋敷の謎

なつろーさん@神奈川県茅ヶ崎市通信局

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夜な夜な枕元に聞こえる不気味な声。
「いちま〜い、にま〜い…」
有名な怪談話「番町皿屋敷」の一説です。その女主人公「お菊さん」の墓と、「皿屋敷」の謎についてレポートします。

「お菊さん」は、江戸時代の宿場町「平塚」の「真壁家」という役人の娘で、江戸番町(現在の東京都千代田区一番町から六番町)の青山家に奉公に行っていましたが、1740年2月に、家宝の皿を割った、という濡れ衣をきせられ、殺されてしまいました。その後、お菊さんの幽霊が恨みを晴らそうと、毎夜青山家に現われたのだそうです。

平塚駅近くの「紅谷町児童公園」という小さな公園の中に、「お菊塚」というものがあります。以前ここにお菊さんの墓がありました。塚の近くには「番町皿屋敷」についての説明書きがあり、お話自体を知らない人でもわかるようになっています。

実際の墓は、戦後の区画整理のため、同じ平塚市の晴雲寺の墓所に移っています。

ところが、怪談話「番町皿屋敷」は、岡本綺堂という人が、大正5年(!)に「播州皿屋敷」を参考に作られたといわれています。「播州皿屋敷」の舞台は、現在の兵庫県の姫路城で、斬り殺されたお菊さんが、投げ込まれた「お菊井戸」があります。お話は1505年の事です。本家は姫路なのでしょうか。

実は「播州〜」も他の話を参考に作られたものといわれており、「お菊井戸」も「菊の井」という井戸の名が派生したもののようです。その上、「皿屋敷」に似た話は全国に残っていて、福岡県嘉穂郡にも「皿屋敷」と「お菊さんの墓」があることがわかりました。
晴雲寺の住職さんにお話を伺ったところ、「詳しくは分かりません。しかし、史実として、お菊さんが江戸で何かあったのかもしれませんが、皿屋敷の話は、その史実から作られた話でしょう。」という事でした。

晴雲寺にあるお菊さんの墓は、一般のお墓に隠れて、小さく、ひっそりと安置されており、何かもの悲しげな印象があります。実際の話がどうであったのか、皿屋敷はどこが本家なのか、今となっては不明ですが、この謎が「皿屋敷」の怖さを、さらに増しているような気がします。


コメント
お菊さんの墓のある、晴雲寺の墓所は、一般の墓所と同じなので、一応住職さんに断った方がいいかもしれませんが、写真等は自由です。
ちなみにテレビ局の取材も今まで何回かあったそうです。
紅谷町児童公園は、平塚駅の繁華街の真ん中にあるので、非常にわかりにくく、一方通行や歩行者天国等ありますので、気を付けて下さい。