インド通信笑うカワセミ天竺職業編@(西瓜屋ほか)
KF読者各位
10日間の休暇もあっという間に終わり、充電完了して、今週、インドに舞い戻りました。
カルカッタのチャンドラボース国際空港では、白衣に白帽&マスクの5人のドクターに出迎えられました。問診だけでしたが、SARSの上陸防止に、インドも必死のようです。
休暇から戻ると、西ベンガルは完全に雨季入りしてました。バグムンディ村の木々の緑も、乾季の埃を洗い落として、瑞々しく、気温も、昼間で38度程度で、暑季に比べて随分過ごし易くなっています。
前回は現場運営編ということで、仕事系の内容で、ちょっと硬かったのですが、今回は、華麗な(?)インド画像と共に、我らがインド人たちの多種多様な職業をご紹介する編で、またしばらくおつきあいいただけたらと思います。
私なんかも、今の会社では、「事務屋」と呼ばれる職業をしていますが、インドにも、実に、「○○屋」が多くて、楽しい限りです。皆さんも、次の世に思いを馳せながら画像を眺めていると、輪廻転生、想いは叶うと申しますので、来世は、このインドの地で、こうした職業をやれているかもしれませんよ。
では、天竺職業編の、始まり、始まり!!
1)スイカ屋
これは、うちのキャンプの入り口で、週に2回立つ市(ベンガル語では、市をハーツと言います)の、屋台のスイカ屋さんです。
暑季の水分補給と、甘味菓子の代わりで、インドでは、スイカは結構人気ある果物(ん?野菜か・・)です。
葉っぱで出来たお皿に盛ってくれて、1ルピー(2.5円)です。
えっ、蝿?蝿がたかるほど、スイカは美味しいのよ!蝿も来ないようなスイカなんて売るとスイカ屋の恥だぜい!と、彼は言ってました。
2)お面屋
うちの現場のあるバグムンディ村の隣に、チョルダ村というお面ばかりを作る村があり、そこでの一枚です。
ヒンドゥー教徒の村なんですが、ヒンドゥー教の神々のみならず、イエスキリストとかの像も作っていますので、ここでも、インドなんでもありの世界です。
作っているオヤジとそのお面が、今まさに地面から湧き出て来たばかりという感じでしょう!?
3)豚屋
これは、豚を売りに行っている村人をパチリですので、豚屋というのは正確ではありませんが、観念した豚ちゃんが可愛くて、採用しました。ベンガル豚の恩返しを期待して、なんぼや?と聞きましたら、3000ルピー(8千円)とのことでしたので、身請けは諦めました。
ヒンドゥー教徒は、牛は食べませんが、豚はOKです。ただ、豚肉は、鶏肉ほどの人気がないので、何を食べて育ったのか判らないような豚が多いのも事実です。
今回は、以上、3職でした。
インドは細密画が有名で、細部の表現に非常にこだわりますが、インド人の職業も、実に細かく分かれています。これも、カースト制度の影響でしょう。
インド人は、皆、生きることに必死で、もちろん、日本人だって、同じなのですが、インド人たちのその生き生きとした表情に、日本人に比べたら格段に貧しいのですが、生活者としての精神の余裕のようなものを、感じ取るのは私だけでしょうか?
インド人の精神世界をも伝えれるカワ通天竺職業編となりますように、今編は、マビカを駆使して、厳選画像をお送りしてみたいと思います(あっ、あくまで、仕事の合間にパチリですからね!)
2003年6月22日
インド通信笑うカワセミ天竺職業編A(胡椒屋ほか)
KF読者各位
日本の梅雨のようなしとしと雨の中で、職Aを打っています。山の中で、雨雲がこれだけ近いと、圧をじ〜んと頭に感じることが出来ます。
インドは近年、干魃の被害が各種で見られ始めており、井戸もどんどん深くなっています。水不足の国になりつつありますので、雨季にはしっかり降って貰わねばなりません。10億2千万人の民を養う国のネックは、食料以上に、まず水の問題かもしれません。
先週は、カルカッタに3日間、出てましたので、あっと言う間の一週間でした。
片道7時間のうち、4時間半は列車ですので、読書移動になりますが、今回も、よだれを流して仮眠を取りながら、3冊、読めました。
地球の歩き方ではないですが、あたしは安さを競う馬鹿なので、ジャムシェドプール〜カルカッタ、列車で約260キロを、103ルピー(250円)で、ノーエアコン車両で走ってみました。外の風景も、開けた窓から直に見えるし、心地よい風も入ってくるし、なかなか快適でした。
停車駅では、ステーションチルドレンが、窓の向こうに集まって来て、もう次から次からやって来て、今回、小銭を忘れたもんですから、10ルピー札(25円)の大判振る舞いで、大変でした。渡されるまで、窓から手を入れて来て、私のシャツを引っ張るのですが、一人がやっと帰ったと思ったら、次のがやって来て、腹減った、腹減ったと、引っ込んで呉れません。列車に乗っている他のインド人なんかは、彼らのこと、ほとんど相手にしませんので、僕らが、きっと外国人のお大尽に見えるのでしょう。ただ、彼らも、単なるの物貰いではなくて、停車した車両の、床のごみ集めとかしながらが、子供にして、チップを稼いでいるのですから、うちの馬鹿息子に見せてやりたいような、えらい人生です。
息子と言えば、私が中高生をしていた頃に生まれた研修2期生2名が、明日から、インドにやってきます。月曜のタイ航空で入って来ますので、明日の深夜には、カルカッタに舞い降り、インドデビューを果たします。大英帝国時代を想わせる旧帝都カルカッタの、あの深い闇の空間に、憧れのUAEに行けなかった自らの不運を嘆いて、泣くのでしょうな、きっと・・・。でも、あっという間の4ヶ月だと思います。頑張れ、若者!!
さて、今回も、インド3職です。
1)マサラ屋
オールドデリーの香辛料街での一枚です。
インドでは、香辛料のことを、マサラ、と言います。ブラックペパー、シナモン、ターメリック、コリアンダーとか、店に積み上げられた胡椒群の匂いをお届けできないのが残念です。
インド=カレー=胡椒=インド人、嘘つかない=ターバン・・と連想が広がっていきますが、ターバンを巻くのは、シーク教徒(全インドで2000万人と言われています)だけで、この店も、シークの店でした。ホテルのドアボーイと、香辛料屋は、シーク教徒が、圧倒的にその市場を牛耳っているように思います。
民族服のクルタやパンジャビードレスで歩いている日本人旅行者はよく目にしますが、ターバンを巻いた日本人というのは、まだ見た事がありませんので、うちの2期生の習得課題にしてみたいと思います。ターバンの早巻きとか出来るようになったら、日本の結婚式の一芸で重宝されないでしょうか?
2)ラスク屋
日本にラスク(食パンに砂糖を塗ったお菓子)なんて、まだあるのでしょうか?子供の頃、私の好物でしたが、インドでは、お茶(チャイ)のお供で、大変人気があります。これも、オールドデリーの路地裏ですが、店番の子が可愛くて、写させて貰いました。この子も、丁度、店番中で、一人で店を守っていましたが、インドは、子供がほんとによく働く国だと思います。
3)ラッシー屋
沐浴で有名なバラナシの、ラッシー(飲むヨーグルト)屋さんを一枚撮らせて貰いました。
インド人は、べジタリアンもノンべジタリアンも、ミルクが大好きです。乳は、生命を殺すことにならないので、べジでも大丈夫なんだそうです。
乳製品で出来たべジ菓子を売る店や、こうしたラッシー屋を、インドは各所で見かけることが出来ます。
手前の白いのがヨーグルトなんですが、これを、壺の中で棒でこねて、飲むヨーグルト化しています。オヤジ、手、洗ったか?・・・聞くだけ野暮です。
味は、甘くて、日本の飲むヨーグルトそっくりです。これは、はまります。
右手の素焼きのカップは、飲んだあと、地面に放られて割られ、土に還ります。これは、ラッシー用ですが、チャイの器の倍ぐらいの大きさですね。
バックパッカー系のお話ですと、ラッシーに当ると、七転八倒の痛みと共に、強制ダイエットが出来るらしいです。
日本も、今週には、7月が来て、盛夏。毎年思うのですが、夏の、海、山の事故は、必ずありますよね。海の好きな人、山の好きな人、好き過ぎて、そのまま、人間社会に戻って来られない方が、毎年毎年、続きます。閻魔様にもお迎えのノルマがあるのでしょうか。ちなみに、閻魔大王は、、インド起源の神様(Yama神 BC1200起源)で、平安時代に日本デビューされています。皆さんも、この夏、インド大王に引っ張られないように、自然を舐めてかからずに、お気をつけて。
では、今週も、頑張って下さい。
2003年6月29日
インド通信笑うカワセミ天竺職業編B(洗濯屋ほか)
KF読者各位
日の出も5時で、キャンプの辺りからだと、丁度、6キロ先の下ダムの辺りから、太陽が昇って来ています。雨季で晴れると、昼間は40度ぐらいになり、さすがに蒸し暑いですが、太陽が照ってるだけで、朝の気分が違います。からっとした前向きな気持ちで一日が始まります。
博多でも櫛田神社の山笠(やまがさ)が始まったそうで、法被姿が、下川端や中洲を闊歩していることと思います。この時期の那珂川や博多川の風が、実にええんですよね。風が身体を抜けていくというか・・・いけない、冒頭から、望郷の念に捉われている。しかし、福岡の屋台は良かったなあ〜〜
この春、高校生になった娘も、あと10日で夏休みとのことで、日本も、夏本番に向けて着々のようですね。海水浴、甲子園、お盆、スイカ、カキ氷、うちわ、ゆかた、金鳥蚊取り線香、花火・・・・。日本は、やっぱりええですなあ〜〜。
博多は、のぼせもん(ありゃ、違うか?!)、鹿児島は、ぼっけもん、で、今回は、インドの洗いもんで、3葉です。
1)沐浴で有名なバラナシでの一枚。
これが、ガンガー(ガンジス河です)。河舟の上から、撮影しています。インド人にとっては、ガンガーの水は、聖水ですので、飲みますし、沐浴もしますし、焼いた人も流しますし、洗濯もここです。
ドービー(洗濯人)が、丁度、シャツを洗っているところです。
インドは、洗濯物を叩く文化というか、上手く撮れていませんが、このドービーも河岸の岩に、洗濯物をバンバンぶつけて、汚れを落としています。そして、ガンガーで、汚れや洗剤を洗い流して、そして、岸壁に干しています。
日本なら、洗濯板で、優しく揉む文化ですよね。もちろん、今は、電気洗濯機の時代ですから、洗濯板なんて使わないのでしょうが。
学生の頃に、コインランドリーが途中でもったいなくなって、2槽式の中古の洗濯機を買ったことを今ふと思い出しました。
2)これも、バラナシの路地裏での一枚です。
洗う人と、アイロンをかける人はもちろん別の職業です。
このどでかいアイロンには、炭火が入っています。電気アイロンが出来る前は、日本も、こんなアイロンだったのでしょうか?電気もんも最近普及してきましたが、この炭火タイプが、インドではまだまだ現役です。
彼がアイロンをかけている赤い布は、女性のサリーですね。
インドのアイロン屋さんのその仕上がりは、立派なもんで、パリっと、アイロンが効いて返って来ます。どんな生地でも、同じようにアイロンをかけてくれますので、すぐテカテカに光ってしまいますが、きちんとFold(畳んで)されて戻って来ますので、立派な技が伝承されています。
こうした手間もんの技は、人件費の安い国ならではでしょう。
インドは、中国より安いのではないでしょうか?日給の法定最低保証が、約80ルピー(200円)ですから、どうでしょう?もちろん、その最低も、現地ベースでは、守られないことが多いのですが・・。
私は、単身赴任したらアイロンの掛け方ぐらい覚えようと思ってましたが、気持ちだけで、いまだに、アイロンがかけられません。アイロンがけって、難しそうですもんね。
3)バグムンディ村で週2回立つ市場での一枚。
これも、チャイルドワーカーというか、子供が店番をしていて、洗濯石鹸を売ってます。一個5ルピーで、泥の固まりのようですが、ソーダ剤だと思います。これが、インドの田舎の、一般的な洗濯石鹸です。
石鹸と言えば、うちのネパーリーコックたちは、乗り込み時に、村で買って来た洗濯用の粉石鹸で、食器を洗って呉れていました。気付いて、即、止めさせて、ジャムシェドプールで見つけてきた食器用の液体洗剤に代えさせました。この事実は、所内では内緒にしています。ママレモンの代わりに、アタックで、食器洗っていたら、誰もが沈黙しちまいますよね(まだ誰も死んでません)。
私事ですが、インドに来て、2年で、7キロ太りました。英単語って重いのだなあ〜、その割に会話が流暢にならんなあ〜と思ってましたが、なんのことはない、会社での健診のデータが届いたので、見ると、脂肪が6.5キロ増えてました。脳が霜降り状態のようで、どうりで、一晩寝るとすべて忘れて、インド英語が上達しないはずです。このリバウンドには、深く反省しています。しかし、インドで太ったなんていうと、あらぬ誤解を生じますので、この件も、内緒にしています(駄目か・・)。
研修2期生も、立ち上がりのインドメニューを、生真面目に消化中。最近の若い人は適応力がありますよね。日本の若者は、日本に居ながら、グローバル化している・・・?!たいしたもんです。
はい、以上、洗いにひっかけた、もんもんの、天竺職業編Bでした。
ごきげんよう!
2003年7月5日