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北海道根室支庁目梨郡羅臼町

流氷と結氷の羅臼港

 2003年2月21日1230

流氷と結氷の羅臼港

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2003年2月22日制作

防波堤の向こうにうっすらと見えるのは北方領土の国後(くなしり)島。視界が良いときは、はっきりと肉眼で見ることができる。距離にして約25kmしか離れていない。



 

オホーツクの流氷

流氷の天使クリオネ 資料

 遠くシベリアのアムール川河口の海水が凍ってできた氷が1000kmもの旅をして北海道北岸にたどり着くのは1月下旬だ。オホーツク沿岸は流氷に覆い尽くされ、白一色の銀世界となる。知床(しれとこ)半島の冬は、この時期から本番となる。
 流氷は、はじめは帯状になって近づき、風向きなどで接岸、離岸を繰り返し、やがて氷原になって、海全体を覆いつくす。昨日まで青かった海が一夜のうちに白い大地に変わる。自然がつくり出す壮大なドラマである。
 羅臼(らうす)の今年の流氷初日は1月18日で、例年よりもかなり早かった。
 流氷は、一時は国後(くなしり)島方面へ流れ去ってゆき、姿が見えなかったのの、2月に入ってからはずっと羅臼沖を覆い尽くしている。地元漁師の言によれば、今年の流氷は約10年振りに勢力が強いという。その言葉を裏付けるように、羅臼港内にも流氷が入り込み、この時期にして既に根室海峡を越えて太平洋側へも流れ出ている。
 今年、羅臼では流氷とともに300羽ほどの尾白鷲(オジロワシ)や大鷲(オオワシ)が姿を見せた。

羅臼の町

羅臼の町

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2003年2月21日1245

天然記念物 尾白鷲 オジロワシ white‐tailed eagle

 尾白鷲は、タカ目タカ科の鳥で、全長70〜95cm、翼の開張は180〜240cmに及び、犬鷲(イヌワシ)とほぼ同大の大きな鷲だ。成鳥の尾が白いことからこの名がある。ユーラシア大陸の北部に広く分布し、極北部のものは南下して越冬する。日本では北海道で少数が繁殖し、冬には九州南部まで渡るものがある。
 海岸や大きな湖沼の近くにすみ、水面近くに浮き上がってきた魚を大きな鋭い足の爪で巧みにとらえる。鴨(カモ)などの鳥を捕食することも多い。流れ着いた魚や海獣の死体も好んで食べる。ときにカッカッカッと鳴く。
 尾を除く全身は黒褐色で、頭部の色は淡い。尾の色は、幼鳥では黒褐色で、成長するに従い白色部が増す。嘴(クチバシ)は黄色。脚は太くたくましく、黄色で目だつ。巨木の樹上か岩棚の上に小枝や枯草で巣をつくるが、日本ではもっぱら樹上に営巣している。巣は毎年同じつがいが使い、3〜4月に1腹2卵を産む。

流氷の尾白鷲

流氷の尾白鷲

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写真提供:巡視船てしお

羽ばたき

流氷は海の猛禽類の楽園である。

羽ばたき

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天然記念物 大鷲 オオワシ Steller’s sea‐eagle

 大鷲もタカ目タカ科の鳥だ。オホーツク海沿岸地方に分布する大型の海鷲(うみわし)で、日本の北部に冬鳥として渡来する。特に北海道の北東部と東部海岸の湖沼に飛来し、知床半島では数百羽が一つの谷をねぐらとしている。
 全長約95cm、翼の開張220〜240cm。尾白鷲より大きく、体重9kgに達する雌もある。鋭い爪は直径約10cmの半円形をしており、ライオンの牙(きば)よりも大きい。全身黒褐色だが、翼の前縁、脚、尾は白く、大きな嘴(くちばし)と足は黄色。嘴はワシ類の中でも特にに大きく、野外でも目だつ。
 海面近くに浮き上がってきた大きな魚をつかまえることが多いが、雁(ガン)、鴨(カモ)、雷鳥(ライチョウ)などの鳥類もとらえ、また、野兎(ノウサギ)、北極狐(ホッキョクギツネ)、海豹(アザラシ)の幼獣などもとる。動物や魚の死体を食べることもある。
 巨木の樹上に小枝を積んで巣をつくる。毎年補修しながら使うので、直径2.5mくらいの大きな巣もあり、4〜5月に1腹2個の卵を産む。数が少なく、美しい巨大な鷲なので、欧米の動物園では珍重される。英名は、ベーリング海付近の博物誌を著したドイツ生れの博物学者シュテラー G.W. Steller (1709‐46) の名にちなむという。

オホーツクの王者・大鷲

オホーツクの王者・大鷲

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写真提供:巡視船てしお

オホーツクの流氷

水平線の彼方までびっしりと氷で覆われている知床沖。流氷がゆるむと漁船が出てスケトウダラを捕るが、この状態では出漁できない。沖を走る1隻の船は、氷海航行中の砕氷型巡視船てしおである。

オホーツクの流氷

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漁船を救出する巡視船

巡視船てしおが流氷に閉じこめられた漁船を救出した。2隻の漁船は沖合底引網漁船で、トロールによりスケトウダラを捕る。巡視船てしおが氷を破砕しながら走り、そのあとをついて行く。

漁船を救出する巡視船

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写真提供:海上保安庁釧路航空基地

砕氷型巡視船てしお

羅臼沖を走る巡視船てしお (後方は羅臼岳)

羅臼沖を走る巡視船てしお

拡大写真(880X600)99KB

 巡視船てしおは、平成7年4月に日本鋼管鶴見製作所で建造・進水し、10月に羅臼海上保安署に配属された。就役以来、7年間ですでに32隻の船舶に対し、流氷海域で救助・航行支援を行った。
 船長はじめ乗組員は、流氷の期間はたとえ休日であっても即応体制に万全を期し、根室海峡のみならず広くオホーツク海をカバーする広域的な救助活動に備えている。
連続砕氷能力 速力3ノットで厚さ55cmの氷板を砕氷可
最大砕氷能力 速力5ノットのラミング航法で厚さ77cmの氷板を砕氷可
※ラミング航法:厚い氷板や氷丘脈に前進を阻まれた場合に、一旦後進とし、惰性をつけて砕氷(さいひょう)する方法を繰り返して前進する航法。

巡視船てしおの要目   総トン数:550ton 全長:55m 幅:10.6m 深さ:5m

過密状態の大鷲

山にも沢山の大鷲が群れをなしていた。

過密状態の大鷲

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求 愛

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求 愛

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休 憩

Please drink it on your own risk.

純白の流氷は、猛禽類や海獣により、汚される。流氷のオンザロックは、南極の氷のオンザロックのようにプチプチと音がするが、南極と違って衛生状態は保証されない。

休 憩

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