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和田義男

 旅紀行ジャパン

2004年4月17日改訂

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♪MISS YOU  BGMの小箱

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2004年4月14日作成

玉川上水の桜(東京都羽村市)

玉川上水の桜(東京都羽村市)

玉川上水 多 摩 川 大菩薩峠

羽村堰の入口・羽村橋

羽村堰の入口・羽村橋

羽村取水堰はむらしゅすいぜき

 2004年4月3日(土)午後、多摩川八景の一つに数えられる羽村堰の桜を見に出かけた。JR立川駅から青梅線に乗り、20分ほどで羽村駅に着く。南口から南西に10分ほど歩くと羽村取水堰に着く。 多摩川八景

 東京都羽村市にある羽村堰から取水された多摩川の水は、玉川上水(たまがわじょうすい)に流れ込み、浄化されて東京都の上水道に供給される。
 多摩川水系の水は80%を賄う利根川・荒川水系の補助的水源と位置づけられている。
 江戸時代に築かれた木製の羽村取水堰がレンガ造りの水門部分と玉石張り(たまいしばり)の現在の姿に改築されたのは明治33年(1900)のことで、爾来100年以上の歴史があるという。

羽村取水堰

羽村取水堰

拡大写真(1200x900)316KB 【E-1 22mm   F8.0 1/320秒 ISO200 都立天満公園より撮影 】

 東京都水道局が管理する羽村取水堰は、多摩川で最も多くの水を取る堰である。この地に堰が築かれたのは、多摩川の水を取り込むのに都合の良い地形だったからだという。 東京の水道
 小吐水門は、流量調整のため一旦取り込んだ水を多摩川に戻すためのものである。

取水堰と小吐水門

取水堰

取水堰と小吐水門 取水堰

拡大写真(1200x900)219KB 【E-1 22mm/  F10 1/400秒 ISO200】

拡大写真(1200x900)155KB 【E-1 100mm  F6.3 1/640秒 ISO200】

 水をせき止める玉石張り(たまいしばり)の堰は、丸い石と丸太を組み合わせた構造となっている。せき止められた多摩川の水は、前面にオイルフェンスが張られた第1水門から玉川上水に流入する。

玉石張りの堰

第1水門

玉石張りの堰 第1水門

拡大写真(1200x900)155KB 【E-1 234mm   F6.3 1/500秒 ISO200】

拡大写真(1200x900)249KB 【E-1 30mm   F8.0 1/250秒 ISO200】

玉川上水たまがわじょうすい

 羽村から武蔵野台地を横切って四谷大木戸(新宿区)に至る全長43kmの玉川上水は、武蔵野地方では四谷御上水とも呼ばれ、江戸の初期、承応2年(1653)に完成した開渠(かいきょ 上部が開いた水路)である。それから先の江戸城や江戸市中へは暗渠(あんきょ 覆いをした水路)となり、翌年完成した。当時、多摩川は玉川と呼ばれていたので、この上水道は玉川上水と呼ばれた。
 当時の江戸の主要な上水道には、玉川上水と神田上水があったが、それぞれ江戸の南部と北部に配水され、共に江戸庶民の生活をささえる水として親しまれた。
 しかし、現在のように浄水場がなく、水が江戸市中に達するまでにかなり汚濁したともいわれ、また、直接井戸に通じているので、時には多摩川の魚が泳いでいることもあったという。

江戸時代の工事の様子

江戸時代の工事の様子

資料

第2水門

第2水門から先の玉川上水

第2水門 第2水門から先の玉川上水

拡大写真(1200x900)154KB 【E-1 22mm   F10 1/400秒 ISO200】

拡大写真(1200x900)249KB 【E-1 22mm   F8.0 1/250秒 ISO200】

玉川兄弟

 徳川4代将軍家綱の命を受け、玉川上水を引いた羽村出身の庄右衛門、清右衛門兄弟は、測量技術が未発達な江戸時代に、全長約43kmの水路を 8ヵ月の短期間で完成させたといわれる。
 両名はその功績により玉川姓を与えられ、上水役としてその経営を任された。玉川両家による玉川上水の経営は世襲されたが、元文4年(1739)に両家ともその役を罷免され、以後幕府が直営した。
 羽村堰のすぐそばに羽村堰下公園があり、玉川兄弟の銅像が建つ。花見の最盛期とあり、銅像のまわりで大勢の花見客が花見の宴を開き、景気の良い太鼓の音に拍手を送っていた。

玉川兄弟の銅像

太鼓の実演

玉川兄弟の銅像 太鼓の実演

拡大写真(1200x900)280KB 【E-1 100mm   F6.3 1/640秒 ISO200】

拡大写真(1200x900)171KB 【E-1 140mm  F7.1 1/500秒 ISO200】

露店で賑わう玉川上水の桜並木

露店で賑わう玉川上水の桜並木

拡大写真(1200x900)272KB 【E-1 44mm   F9.0 1/320秒 ISO200】

 羽村橋付近の玉川上水の両岸には、2000本のソメイヨシノが最盛期を迎え、大勢の花見客で賑わっていた。

花見の宴

花見の宴

拡大写真(800x1024)253KB 【E-1 22mm   F9.0 1/320秒 ISO200】

 羽村堰から多摩川の水を引いて深刻な江戸の水不足を解消した玉川上水は、現在も羽村から小平監視所(こだいらかんしじょ 旧小平水衛所)まで、12kmに及ぶ上水路として都民に親しまれている。小平監視所から下流は、地下に埋設された導水管を通り、東村山浄水場に送水され、都民の水道水となっている。

玉川上水の桜

玉川上水の桜

拡大写真(1200x750)274KB 【E-1 22mm   F9.0 1/320秒 ISO200】

  散る花の流れ果てなき羽村堰 北舟 

小作取水堰

小作取水堰

資料

小作取水堰おざくしゅすいぜき

 羽村の上流にも規模は小さいが小作取水堰があり、地下の導水管により埼玉県所沢市の山口貯水池に送水されている。

 その水量を補充するため、羽村取水堰から取水した水は、一部羽村導水ポンプ所から写真奥の銀色の導水管により小作(おざく)に送水されている。

 巨大なキノコ型のタンクは、導水管の水圧を7kg/cm2に保ち、水圧の変動によるウォーターハンマー現象が起きないように水を逃がす サージタンクで、導管を保護する役割を果たすものだという。

玉川上水の送水管とキノコ型のサージタンク

玉川上水の送水管とキノコ型のサージタンク

拡大写真(1200x900)231KB 【E-1 24mm   F10.0 1/500秒 ISO200 都立天満公園より撮影 】

玉川上水 多 摩 川 大菩薩峠
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