2001年6月17日制作 |
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タクシーのパレード(ベニス/イタリア) |
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船のある風景を求めて、海や川を巡る。後編は、イタリアからスタートして、オーストリア、アメリカ、中国、日本の5ヵ国だ。 ベニス Venice ベニスは、北イタリアのベネト州の州都で,アドリア海の最も奥まった所にある潟 ( ラグーナ Laguna ) の上に形成された水の都である。ベニス Venice は英語であり、イタリア語ではベネチア(ベネツィア) Venezia という。人口30万6000(1994)。 サンマルコ広場にある鐘楼からの眺めは素晴らしい。ベニスの街が360度のパノラマで広がる。ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducale の前から、今でもヴァポレット Vaporetto と呼ばれる水上バスが市民の足として利用されている。 |
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以前は木製だったが、16世紀末に現在の石造りに変わったという。この界隈は、一日中人であふれており、活気に満ちている。橋から運河を眺めるもよし、両側の店でショッピングを楽しむのもよし。たっぷりとベニスの気分に浸れる場所だ。 経済の中心は今日に至るまで,地理的にもこの町のほぼ真中にあたるリアルト Rialto 地区にある。その中央市場は今なお市民の台所を支えている。 午前中、市場への商品を満載した艀の達着で、リアルト橋の下は活気に溢れている。艀は自走式の小型船で、綺麗なペイントで塗装されている。停泊している艀の船名は、Michele と表示されている。粋な船名ではないか。 |
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デッキに日用雑貨品を搭載している船は、艀兼交通艇だろう。犬を連れた女性の姿が微笑ましい。船体後部にエンジンを搭載しており、長いティラー(舵柄)で舵を取る構造だ。 艀の向こう側には、TAXI の表示が見える。その下にモーターボートが待機している。そう、タクシー乗り場である。ベニスには自動車が存在しないので、タクシーにはモーターボートが使われる。 向こう岸には観光用のゴンドラが係留されている。運河を航走している最後尾のグレーの船は、イタリア警察の船である。 |
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パトロール中のイタリア警察の警備艇が、リアルト橋の下を通過している。船体には「警察 POLIZIA 」と大きく表示され、制服の警察官が乗船している。 この日は、タクシー組合のデモがこの運河で行われた。本ページのトップの写真は、その模様をリアルト橋から撮影したものである。最初、凄いラッシュだなという程度で眺めていたら、となりで観ていたアメリカ人観光客が「タクシー組合のストライキらしいよ」と教えてくれた。 警備艇は、タクシーデモの警戒に当たった後、任務を終えて引き揚げるところだった。 |
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ベネチアの運河で使われている小型の遊覧船をゴンドラと呼ぶ。船首,船尾が反り上がり,船首材には,ローマ神話の海神ネプトゥヌスが持つ三叉のほこをかたどったといわれる飾りがついている。現在は1人こぎだが,2人,4人こぎもあったという。その起源は明らかでないが,11世紀末の文献にその名が見えるというから、古い歴史を持つ船である。 観光用のゴンドラは、全て黒塗りで統一されている。観光用でないゴンドラは、白く塗られていて、市民の足になっているが、モーターボートの出現で、ほとんど見られない。 寺院と運河とゴンドラ。ベニスは、どこから眺めても、素晴らしい絵になる不思議な街だ。 |
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ウィーンの西、アルプス山脈の北にザルツカンマーグートと呼ばれる風光明媚な湖水地方がある。ザルツカンマーグートで2番目に大きいトラウン湖 Traunsee は、南北12km、東西3km、水深191mの深い湖だ。白鳥の泳ぐ湖は、市民の憩いのオアシスとなっている。 グムンデン Gmunden 湖の北端にあるグムンデンの町は、ザルツカンマーグートの湖岸にある町の中で一番エレガントだといわれている。フランツ・ヨーゼフ広場 Franz Josef Plazs が町の中心で、市庁舎 Rathaus には、町のシンボル・グムンデン焼のグロッケンシュピール(組鐘)が取り付けられていて、冬場を除き、2時間おきに時の鐘が鳴り響く。 間もなくグムンデンから湖岸の町を巡る旅客船が出帆する。 |
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森に囲まれた湖は、もうすぐ4月に入るという季節だが、遠くに残雪の山々が見える。まだまだ春は浅い。 船尾にぽつんと見える一羽の白鳥に見送られながら、先ほどの旅客船が出港していった。対岸には絵に描いたように美しい教会が見える。 カーブを描いた航跡を残して、ゆったりとした時の流れが静かに過ぎ去ってゆく。平和なグムンデンの町だった。 |