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2012年12月16日改訂

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2004年1月4日作成

アルハンブラ宮殿(スペイン)

アルハンブラ宮殿(スペイン)

グラナダの地図
 2003年11月下旬、家内と二人でスペインを旅行した。今回、スペイン紀行として訪れた史跡の紹介をしたい。

アンダルシア

 スペイン南部に位置するアンダルシア Andalucia 地方は、輝く太陽と紺碧の海に白壁の家々が映えて、絵に描いたようなスペイン的風景が広がる。

グラナダ

 アンダルシア地方に位置するグラナダは、シエラネバダ山脈の麓にあり、800年もの栄華を誇ったイスラム教国の異国情緒あるれる文化が今も色濃く残っている。数々の伝説を生んだアルハンブラ宮殿で有名な町である。
 グラナダ Granada は、アラビア語で「ザクロの実」を意味する。ローマ帝国時代、丘の上に砦を築き、城塞都市として誕生した。1236年コルドバがカスティーリア軍に攻撃されて陥落したのちは、ナスル朝(1230-1492)グラナダ王国の首都として榮華を極めた。

アルバイシン地区

 アルバイシン地区は、グラナダの中で最も古い旧市街地域である。8世紀以降グラナダの中心地となり、多くのアラブ人が住んでいたという。城塞として整備されているので、石畳の道は幅が狭く、曲がりくねって迷路のようになっている。そこに白壁の美しい家が建ち並び、アラブ様式の装飾や色とりどりの花で彩られている。

アルバイシン地区

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アルハンブラ宮殿 Palacio de la Alhambra

 アルハンブラ宮殿は、イベリア半島最後のイスラム教国・ナスル朝が残した宮殿で、その建設はムハンマド1世により始まり、14世紀後半、第8代ムハンマド5世の時に王宮が完成した。

 グラナダ王国として260年の栄華を極めた難攻不落の城塞は、15世紀末にキリスト教国により陥落した。しかし、その美しさゆえに破壊を免れ、その後も増築が繰り返されて、世界有数の宮殿となった。

 アルハンブラとは、アラビア語の「アル・ハムラー(赤いもの)」から来る言葉で、「赤い城」という意味。宮殿の壁が赤い漆喰で塗られていたことからそう呼ばれるようになったというが、他にも諸説がある。
 アルハンブラ宮殿には、王宮、アルカサバ(城塞)、カルロス5世宮殿、ヘネラリーフェ離宮など見所が沢山ある。1984年「グラナダのアルハンブラ宮殿、ヘネラリーフェ離宮、アルバイシン地区」が世界文化遺産に登録された。

赤い城と呼ばれる割には質素な外観のアルハンブラ宮殿

アルハンブラ宮殿

資料

王 宮 Palacio Real

 14世紀に建てられたアルハンブラ宮殿の中核をなす王宮は、宮殿北側に位置し、歴代21人の王が4人の正妻や妾たちと生活を共にしたところである。
 宮殿の質素な外観と比べて、王宮の内部は豪華そのもの。「閉ざされた楽園」と呼ばれていたように、内部は水と光と木々ときらびやかな装飾に満たされ、各部屋がパティオ(中庭)を取り囲んでいる。

ライオンのパティオ  Patio de los Leones

 14世紀に完成した「ライオンのパティオ」は宮殿の中で最も有名な中庭で、124本の大理石の細い列柱が立ちならぶ回廊に囲まれている。中庭には12頭のライオンが雪花石膏 alabaster の水盤を支え、シエラネバダの嶺から流れ来る清水が噴水となって湧き出ている。
 ここは王の寵愛を受けていた女性たちのハーレムで、大理石柱の装飾はアラビア建築の最高峰といわれる。「ライオンのパティオ」の周囲には「諸王の間」「二姉妹の間」「アベンセラへスの間」などが配置されている。

ライオンのパティオ

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♪アルハンブラの想い出  Recuerdos de la Alhambra

 「近代ギター音楽の父」と言われるフランシスコ・タルレガがアルハンブラ宮殿を訪れたときに見た噴水にヒントを得て作った。ギターを志す人があこがれるトレモロの逸品で、この曲が弾ければ他に何も望まないほどの名曲中の名曲である。

フランシスコ・タルレガ Francisco Tarrega  1854-1909

 スペイン東部のカステリョン・デ・ラ・プラーナという地で生まれたタルレガは、少年の頃から独学でギターを弾き、22歳の時マドリード音楽院に入学し、ピアノと和声学を学んだが、彼にとって終生の伴侶となった楽器はギターで、奏法の工夫やレパートリーの拡大により、ギターに新たな魅力を付け加えていった。
 その成果の一つが、同じ音又は違う音を交互に規則的に早く繰り返して演奏するトレモロ奏法であった。

 タルレガは、グラナダ地方にあるアルハンブラ宮殿のエキゾチックな印象を、豊かな伴奏の響きの中からメロディが立体的に浮かび上がってくるようなトレモロ奏法で表現した。タルレガが作曲したギター曲は400曲にものぼるといわれている。

ライオンの噴水

 12頭のライオンが噴水を取り囲んでいる。かつてこの噴水は水時計の役割を果たしており、1時には1頭のライオンの口から水が流れ、2時には2頭のライオンの口から水が流れる仕掛けになっていたという。

ライオンの噴水

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二姉妹の間  Sala de las Dos Hermanas

 宮殿内で特に美しいのが二姉妹の間の天井。八角形の天井には蜂の巣のように細密な鍾乳石飾り(モカラベ)が施され、天窓から差す光が彫刻に反射して宝石のように輝いている。
二姉妹の間 1 二姉妹の間 2

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二姉妹の間 3

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アベンセラヘスの間  Sala de los Abencerrajes

 8,017個の寄木細工を使った天井が素晴らしい「アベンセラへスの間」。この部屋で、権勢を誇ったアベンセラへス家の騎士36人が、対抗勢力の讒言(ざんげん)に騙された王の命で全員首を切られたという。

アベンセラへスの間の天井

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アラヤネスのパティオ  Patio de los Arrayanes 

 プールのような長方形の池がある中庭で、大理石柱とアーチの回廊に囲まれている。アラヤネスとは池の両側に植えられている天人花のこと。池の両側の建物には4つの部屋があり、王の4人の正室の部屋になっている。
 アラヤネスの中庭から高さ45mのコマレスの塔 Torre de Comares が見える。宮殿で一番の広さを持つ大使の間は、コマレスの塔の内部にある。

アラヤネスのパティオとコマレスの塔

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王女たちの塔と城壁

王女たちの塔と城壁

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