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和田義男

 旅紀行ジャパン

2004年5月8日改訂

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2004年5月8日作成

塩船観音の躑躅(東京都青梅市)

塩船観音の躑躅(東京都青梅市)

  塩船観音の躑躅<前編> 塩船観音の躑躅<後編>

塩船観音寺入口の仁王門

塩船観音寺入口の仁王門

拡大写真(1024x768)224KB

 2004年4月24日(土) 、東京都青梅市塩船にある塩船観音寺のツツジを見に行った。JR青梅線河辺(かべ)駅北口からバスに乗り、 約2.5km先の塩船観音入口で下車、歩いて10分ほどで仁王門に着く。
                            塩船観音つつじまつり

塩船観音寺しおふねかんのんじ

 塩船観音寺は、京都府伏見区の醍醐寺(だいごじ)を総本山とする真言宗醍醐派の別格本山である。
 東京都八王子市にある真言宗智山派(ちざんは)の大本山 ・高尾山薬王院と同様に、真言密教と修験道が結びつき、毎年5月3日には火渡り荒行が行われる。 塩船観音寺 火渡り荒行

火渡り荒行が行われる広場

火渡り荒行が行われる広場

 

ツツジの塩船観音

   塩船観音は、ツツジで有名である。毎年4月中旬から5月中旬にかけて「つつじ祭り」が催される。約15種類17,000本のツツジがすり鉢状の境内に早咲き・中咲き・遅咲きと順に開花し、4月下旬から5月のゴールデンウィークにかけてピークを迎える。

すり鉢状の境内

すり鉢状の境内

拡大写真(1600x1000)275KB 【E-1  44mm   F9.0 1/320秒 ISO200 】

 

花の寺

 「つつじ祭り」には、10万人を超える参詣者が訪れる。大多摩の静かな山なみを背にして、躑躅(つつじ)、紫陽花(あじさい)、百日紅(ひゃくじつこう、さるすべり)、萩、彼岸花、山茶花(さざんか)と四季を通じて花が開き、花の寺として目を楽しませてくれる。
  古寺を取り囲みたる山躑躅 北舟 

塩船観音寺

塩船観音寺

拡大写真(1200x900)310KB 【E-1  74mm   F7.1 1/320秒 ISO200 】

 塩船観音寺の開創は、大化年間(645−650)に若狭の国(現在の富山県)の尼僧・八百比丘尼(やおびくに)が諸国遍歴のおり、当地に来て草庵を築き、千手観音像を安置したことに始まると伝えられる。

花見の宴

花見の宴

拡大写真(1200x800)316KB 【E-1  108mm   F6.3 1/400秒 ISO200】

   天平年間(729-749)、行基が当地に立ち寄り、周囲が小高い丘に囲まれて船の形に似ているところから、仏が衆生を救う願いの船である「弘誓の船」になぞらえて塩船と命名し、寺を再建したと伝えられる。
 鎌倉時代後期には、平将門(たいらのまさかど)の後裔(こうえい 子孫)と称し、青梅地方に勢力を延ばした豪族・三田氏が深く帰依(きえ)し、堂宇・仏像などの修復に力を注いだという。

ツツジの塩船観音

拡大写真(1200x800)347KB 【E-1  108mm   F6.3 1/400秒 ISO200】

 

本 堂

 本堂は室町時代末期の建立といわれ密教堂形式。外観は簡素で桁行7間、梁間6間の大きさで、 茅葺、一重の寄棟造。内部は内陣・外陣に分かれ、内陣に柱間3間幅の来迎壁を設け、千手観世音菩薩像を安置する。

雑草の生えた本堂の屋根

雑草の生えた本堂の屋根

拡大写真(1200x800)270KB 【E-1  22mm   F7.1 1/250秒 ISO200 】

 

薬師堂

  塩船観音寺の開基・再興は八百比丘尼・行基との伝説があるが、貞観年間(859-876)に天台宗の安然(あんねん)が比叡山から七社権現を勧請し、阿弥陀堂、薬師堂及び十二坊を建立したという。
 この薬師堂は、桁行3間、梁行2間、木造、寄棟造、茅葺、一重の小堂で、藤原仏と推定される薬師如来像を安置する。ぼけ封じ薬師如来として、地域の信仰を集めている。

薬師堂

 明治時代の神仏分離令、修験道の廃止令などにより、一時衰退したが、地域の有志の人々の手により山内を整備し、境内一面にツツジが植えられ、復興をとげた。

花の寺

拡大写真(1200x800)281KB 【E-1  24mm   F6.3 1/200秒 ISO200】

  塩船観音の躑躅<前編> 塩船観音の躑躅<後編>
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