華やかなパレード

　バンコクやチェンマイでは、パレードの規模はもっと大きくなる。ここでは日本の祭りに見られる屋台や山車などの人力に頼るものはなく、小型トラックや車に牽引された台車が使われる。象の登場がないのが少し寂しい。

　ソンクラーンは、日本の仏教にもある灌仏節という仏像に聖水を注ぐ行事を兼ねている。聖水は道ばたなどに用意されており、花や香料が入っていて、とても良い香りがする。

　車に乗った仏像が通ると、人々は競って聖水を満たした金色や銀色に輝く器を持ち、それを仏像に掛ける。仏像が遠くて掛けられないときは、車に乗っている人に器を渡して掛けてもらう。タイが仏教国であることを実感させられる時である。

　タイの美しい国花で飾られた車に国旗と仏像が安置されている。この仏像には光背があり、鮮やかな青色のパラソルが日蔭を提供している。この車には大勢の子供たちが乗っている。

　パレードの最中も水が掛けられる。また、白い泥のようなものが顔や衣服に塗りつけられる。これは名前は分からないが、塗装の時に使う砥の粉のようなものを水に溶かして泥状にしたものだが、禁止されている地域もあるという。

　パレードには、様々なコスチュームに身を包んだタイの美女たちが次々に登場し、世の殿方たちの目を楽しませてくれる。こうしてみるとタイには美人が多いことを実感する。

　タイの仏像は全てお釈迦様の像であるが、写真の仏像は、豊満な女性の乳房を思わせる肢体をしている。日本の仏像は中性で胸は平なのが当然のことと思っていたが、こうして見ると、タイでは程度の差はあっても、どの仏像も胸が盛り上がっている。ここにも男女の交歓を礼賛（らいさん）するヒンズー教の影響があるのだろうか。