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ワット・ポー Wat
Pho 涅槃仏寺 |
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バンコクにある仏教寺院の最古にして最大級のワット・ポーは、1788年、
学問修行施設としてラーマ一世により建立された。巨大な涅槃仏(ねはんぶつ
大寝釈迦仏
Great Reclining Buddha )があることで有名で、涅槃仏寺と呼ばれる。 |
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寺は道を挟んで、お堂と僧堂とに分かれており、通常私たちはお堂の方を見物する。王立寺院
・ワット・プラケオのすぐ横にあるので、歩いて移動できる。 |
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本 堂 |
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本堂は、合わせて394体もの黄金の仏像が並べられた二重の回廊に囲まれて建っている。本堂の空に突き出ているのは、タイ風建築の屋根飾りでチョーファーといい、大変大きなものである。 |
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ワット・ポーの本堂
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ワット・ポーの本尊 |
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涅槃仏が有名なために、
本堂の本尊はかすみがちであるが、荘厳の素晴らしさは比類なきものと思う。私はタイの仏像の中で、この
本尊が一番好きである。 台座にはラーマ一世の遺骨が納められている。 |
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黄金に輝く本尊
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黄金の涅槃仏 |
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しかし、何といってもワット・ポーの目玉は涅槃仏である。
涅槃仏とは釈迦が入滅したときの様子を表した仏像で、タイ各地で見ることができる。 |
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この寺の礼拝堂に横たわる涅槃仏の全長は49m、高さ13mあり、全身金箔で覆われている。私が今までに見たタイの涅槃仏の中では、最大にして最も豪華なものである。 |
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黄金の大仏 |
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涅槃仏は、まさに黄金の大仏である。ここでは本堂へ参詣する人より、涅槃仏へ参る人の方が圧倒的に多い。 |
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仏の尊顔 |
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涅槃仏の表情は、のっぺらぼうに見えたり、時には若者のような顔に見えたりする。時間に余裕があれば、表情の変化に注意しながらゆっくりと堂内を巡るのも面白い。 |
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仏の足の裏 |
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これもこの涅槃仏の有名なところで、仏の足は長さ5m、幅1.5mと大変大きなものである。足の裏には、バラモン教の108の宇宙観が螺鈿細工*(らでんざいく)で描かれているが、無学な私には理解しがたいものであった。 |
*螺鈿細工:貝殻を細かく刻んで埋め込む装飾法 |
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足裏の螺鈿細工 |
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板扉の仏画
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小さなお堂の裏部屋の窓の板扉に描かれていた仏の像。随分傷みが激しいが、こうして撮影が許されていることは有難いことである。 |
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ワット・ポーの仏塔群
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ワット・ポーには、いたるところに仏塔(チェディ
chedi )があり、これがワット・ポーの特徴ともいえる。陶器でできた仏塔は、天を貫くような威容があり、見事な出来栄えである。 |
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梵 鐘 |
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タイの寺院にも釣鐘(つりがね)があるが、まだ音は聞いたことがない。 |
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リンガ(ヒンズー教のご神体) |
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日本でも子孫繁栄や子宝祈願などの趣旨で同様のものを見かけるが、ワット・ポーにもあった。これは男性の生殖器(リンガ)で、シヴァ神の象徴として奉られている。 |
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釈尊がヒンズー教の多くの神々の一つにされていることからも分かるように、仏教とヒンズー教に部分的な融合が認められる。そのため、仏教国なのにヒンズー教の神々も鎮座しているのである。その典型がタイ王室で、その紋章・ガルーダは、ヒンズー教の神鳥である。日本の神仏混淆とよく似た文化である。 |
タイでは金は不滅の輝きを表す聖なる色である。リンガにお祈りをすると、子孫繁栄や子宝祈願が叶うという。 |
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梵 鐘 |
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リンガ
(ヒンズー教のご神体) |
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仏教国タイ
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タイは、仏教徒が全人口の95%を占めていることからみれば仏教国と形容するのは間違いではないと思われる。しかし、仏教は国教*なのだろうか。 |
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国家が認めて、国民の信奉すべき宗教と定め、国務の一部としてその教務を取り扱い、これを保護する宗教。 |
タイ国憲法【仏暦2534年・西洋暦1991年12月9日発布】第3章タイの国民の権利と自由、第27条には「何人も国民としての義務及び公序良俗に反しない限り、いかなる宗教、宗派又は宗教上の教義を信奉する完全な自由を有し・・・」とされて国教の定めはなく、国教は存在しない。 |
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ワット・ポーの小僧たち
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仏教徒が元首・国王の国 |
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タイ国王の定義として、第2章国王、第7条には「国王は仏教者であり、かつ、宗教の擁護者である」と定められ、憲法第2条で「国家元首は国王である」と規定されている。 |
この規定からすると、仏教がタイの国教のようにも思えるが、信教の自由が保障されている点で国教とはいえないようである。 |
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