|
|
|
|
|
|
|
|
タイでは、男性の成人で一度も出家*していない人は少なく、たとえ短期間であっても出家して僧侶になる者が多い。息子を仏門に入れて修行させることは、親にとって最高の徳となると考えられている。 |
|
|
出家時には親類縁者だけでなく、親友や隣近所の人たちが皆集まる。人々の結びつきが濃密である。 |
|
|
*
家を出て仏門に入ること。俗世間をすて、仏道修行に入ること。 |
|
|
|
|
|
|
|
僧侶の鋏入れ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
腰巻き一つの若者が椅子に座っている。これから出家準備の剃髪が行われようとしている。最初に頭から水を掛け、石鹸で髪の毛を洗う。そして僧侶が髪に鋏を入れる。その後、親戚縁者が鋏で髪を切る。 |
|
出家する若者が手に持っているのは、蓮の花と線香である。蓮の花びらが丁寧に折り込んである。切り取られた髪の毛は、親友が持つ蓮の葉に収められる。 |
|
|
|
|
|
|
親族の鋏入れ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
続いて剃髪に移る。写真は親族の長老が安全カミソリを使っている。僧侶が剃髪する場合もある。剃髪では眉毛まで剃ってしまう。これはゼロからの出発を意味するという。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
パーカオマー |
|
|
出家者が腰に巻いているのは、パーカオマーという民族衣装である。タイでは風呂上りや家でくつろぐ時に今も使われている。下には何も着けていない。濡れると動きにくくなるので、布をたくし上げ、前の布の一部を股間を通して後ろへ持っていき、褌のようにしている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
出家準備完了 |
|
剃髪が済むと、白いガウンのようなものを身に着ける。これは出家式の時もそうで、出家式で法衣が授けられるまではこの格好である。天花粉(てんかふん)のようなものを塗っているため、頭や顔が白くなっている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
出家式 |
|
最初はまだ出家していないので、白いガウンを着て出家式に臨む。多くの人たちが見守る中、式が始まる。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(640x480)60KB
|
|
拡大写真(640x480)56KB
|
|
|
|
|
|
|
|
本堂の巡回 |
|
|
白い服での儀式が済むと、叔父(亡父の代理)と母を先頭に出家する若者、関係者が列を作り、全員が裸足になって本堂の周りを3回巡る。叔父が肩にかけているのは息子の命をつなぐ大切な托鉢(たくはつ)の容器(バッグ)である。床に立てられるように台がついている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
タンブン |
|
|
出家式のメインは本堂で行われ、自分でタンブン(喜捨 きしゃ)した法衣を僧侶から受け取るという形で法衣に着替え、托鉢の容器を肩に掛けてもらう。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
儀式の最中、三帰依文*と思われる「ガッチャーミ」という言葉が何回も聞かれた。日本でも浄土真宗では、三帰依文は「ブッダン・サラナン・ガッチャーミ」とパーリ語のまま唱和する
。
三帰依文(日本仏教連盟の説明) |
|
|
*
「仏に帰依し奉る 法に帰依し奉る 僧に帰依し奉る」という三帰依文は、「み仏のお釈迦さまを敬い、その説かれた教えを大切に守り、その教えを学ぶ人々の集まりを大切にする」という意味。 |
|
|
タイの僧侶は、日本のように一段高い高座に座らず、人々と同じ目線の平座で話す。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
タイの正座 |
|
|
タイでは日本の正座(大和(やまと)座り)を崩したような横座りが正座である。このため、国王陛下の前でも横座りである。日本のような正座はみられない。なお、寺院で胡座(あぐら)をかくのは僧侶の特権である。また、日本と違って女性も胡坐をかく。 |
|
|
日本の正座は、しびれが切れ、長く坐っていられないが、タイのように横座りであれば、しびれを切らすことがなく、楽である。しかし、日本では横座りは身体の軸が曲がり、健康に良くないともいわれている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
法衣は在家の者からタンブン(喜捨)されるものである。タンブンの品を扱う店やスーパーマーケットで法衣を売っているが、僧侶が直接買うことはない。 |
僧侶は、法衣を在家から喜捨してもらい、何枚も手に入ることがあるが、僧侶は何物も所有しないということが基本にあり、そういう場合には他の僧侶に譲り、何枚も法衣を持つということはないという。 |
法衣を着ているときは、日本では褌などの下着をつけるが、タイでは何も着けないという。法衣の洗濯は、桶で洗ったり、寺が水道のない田舎であれば、川で洗剤を使って自分で洗うという。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
記念撮影 |
|
親族が僧侶(比丘)とともに仏(釈尊)の前で記念撮影をする。晴れて僧侶になった以上、親でも出家した息子に手を合わせ頭を下げる。男女を問わず皆横座りであるが、タイではこれが正式な座り方である。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
夕 食 |
|
|
どこも女性はかいがいしい。これは出家式の接待の準備と夕食の風景である。大勢の人たちが集まり、隣近所総出の支度である。こういうところは、昔の日本と同じで、大変懐かしく思った。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
大理石寺院の出家式 |
|
|
一連の儀式を終えて本堂を出て、皆から祝福を受ける。黄色い法衣を着ている人が出家した人である。
このように多くの人々の祝福の中で出家式が行われるが、中にはトラックに乗って町中にふれて走る光景も目にする。田舎へ行くと、大きな音楽と共に大変賑やかにやっている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1024x768)175KB
|
|
|
|
|
|
|
|
|
住居: タイ・ノンタブリー県 |
趣味: 音楽鑑賞、寺めぐり
スポーツ: スイミング、サイクリング |
|
|
|
|
私は1946年生まれの58歳です。出身は愛知県で、現在タイ滞在は3年目です。健康を害していますので、こちらでのんびりやっています。しかし、悠々自適には程遠く、清貧を旨として何とかやっております。 |
|
|
|
タイの出家 |
憲法で仏教徒が国王になると定められている国だけあって、タイの男性は、一種の成人の通過儀礼として出家(得度)し、227の戒律を守って結構厳しい修行をします。 |
タイの出家は、一定期間に限定されることが殆どで、3ヵ月から1週間と幅があります。教育を終わってから結婚するまでの間に出家するのが一般的のようです。タイの男性は出家により一人前になります。 |
タイではタンブン(喜捨)が非常に大切な仏教徒の実践行為です。特に女性の最大のタンブンは、息子が授かったら出家させることだといわれています。出家式の時に涙ぐむ母親の姿は、大変感動的なものです。 |
|
|
|
|
拡大写真(354x241)21KB
|
|
|
仏舎利の会場で、背中に刺青を入れている僧侶がいました。左の男の刺青は、僧侶が入れているものとはちょっと違いますが、このように通常のファッションで入れているものとは違う刺青を入れているタイ人も多いです。 |
どうも魔よけの意味合いがあるようです。タイの友人に聞いたところ、文字のようなものはカンボジアやラオスの古い形の文字ではないかとのことでした。 |
タイ文字にも古いタイ文字というのがあります。これらはカンボジアやラオスの影響を受けたものだそうです。昔の両国は大変な先進国であったようです。 |
この方はピストルで撃たれたのですが、幸い命をとりとめました。 |
|
|
ご本人いわく、この刺青のお陰で命が助かったと思っているとのことでした。昔は戦争の時に刀で戦いましたので、切りつけられても、こういった刺青を入れておくと、刀が体に深く入らないと信じられていたようです。 |
褌の石像 |
右はスワンパッカード宮殿にあった石像です。このスタイルは褌ではないかと思います。 |
私は日本にいる時にTVで見たのですが、山岳民族の中には日本の越中褌と全く同じものを使用しているのがいました。
現在のタイは腰巻スタイルです。〈
完 〉 |
拡大写真(375x500)49KB
|
|
|
|
|
|
|
|