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平成19年(2007)1月8日(月)、宮崎県宮崎市に鎮座する青島神社で、宮崎を代表する新春恒例行事の一つである「裸まいり」が行われた。 |
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この「裸まいり」は、日向(ひゅうが)神話の「山幸彦・海幸彦」伝説に基づくもので、山幸彦が海の宮から帰ってくるとの知らせを受けた村人たちが、着衣をまとう暇もなく浜へ飛び出して出迎えたという伝承を再現したものである。 |
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現在は、成人式にあわせて実施しているが、元来は旧暦12月17日(新暦2月4日)に行われ、当夜参拝すれば、お百度参りの10回分、つまり1,000日分の御利益(ごりやく)があると伝えられているもので、天孫降臨神話の地である宮崎に相応(ふさわ)しい伝統行事である。 |
今年の「裸まいり」は宮崎県内外から集まった1歳から83歳までの男女278人が参加。男は越中褌、女性は短パンと襦袢を身につけ、身を切るような寒さの中で日向灘(ひゅうがなだ)に入り、あらたまの海水で沐浴(もくよく)した。 |
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日向灘に突き出た青島
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青島は、宮崎県宮崎市南東部の海岸にある周囲1.5km 、面積約4.4ha、高さ約6mの島で、砂州によって陸続きとなる陸繋島(りくけいとう)になりつつある。対岸は青島海岸と呼ばれ、青島ビーチ(青島海水浴場)などを含む一大観光地になっている。青島と青島海岸とは弥生橋(やよいばし)によって結ばれている。 |
この小さな島には樹齢三百年を超えるビロウ樹やハマカズラ等の熱帯亜熱帯植物をはじめ多くの植物が自生しており、国の特別天然記念物に指定されている。 |
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青島の航空写真
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マウスカーソルで画面のどこかをポイントすると説明が現れます。
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資料 |
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青島は、一千万年〜八百万年前の硬さの違う砂岩と泥岩から成る地層が侵食により独特の形状に変化した岩盤で囲まれ、干潮の際には沖合い100mにわたって筋状の岩盤が露出する見事な景観を誇る。その形状が洗濯板に似ていることから「鬼の洗濯板(波状岩)」と呼ばれ、昭和9年(1934)5月1日に国の天然記念物に指定されている。 |
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島の中に青島神社があり、神聖な場所であるため、古くは祭日以外に一般人が立ち入ることが禁じられていたが、元文2年(1737)以降、弥生(旧暦の3月)後半の一時期に限り一般人の参詣が許されるようになり、明治になると、年間を通して立ち入りできるようになった。 |
宮崎がその昔、新婚旅行のメッカであった頃は、青島が観光の中心地として賑わいを見せていた。今でも人気の高い島で、付近の観光地と合わせて、南九州・宮崎の屈指の観光スポットとなっている。 |
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青島神社大鳥居 |
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青島の南中央に鎮座する青島神社には、彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)、后(きさき)の豊玉姫命(とよたまみめのみこと)、塩筒大神(しおづつのおおかみ)の三神が祀られている。彦火々出見命は山幸彦(やまさちひこ)として親しまれており、「海幸彦 山幸彦」の神話は、青島海岸が舞台となっている。 青島神社の公式サイト |
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青島神社の歴史は古く、その創建ははっきりしていないが、日向土産という国司巡視記に「嵯峨天皇の御宇(約1200年前)奉崇青島大明神」と書かれていたことから、それ以前に存在していたと考えられている。 |
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神社を入ったすぐ左手に霊験あらたかと評判の神木・雀榕(あこう)がある。この木は、主に東南アジアなどの亜熱帯地方に分布する常緑高木樹で、僅か1pほどの種が黒潮に乗って悠久の旅をし、この青島の地に漂着して巨樹に成長したとみられている。 |
あこうの幹はそれぞれの小さな幹が根をおろし、大地から栄養分を摂取している。それぞれが別々の樹として機能しながら、協同して大きな幹を形成し、枝を広げている。 |
その葉は、年数度咲き、まるで神の合図を待つかのように一斉に散るさまは、古来より「命の再生」の象徴として、その葉を持ち帰る者が多いという。 |
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境内にある玉の井は、海積宮(わたつみのみや)(竜宮城)の入口にあったとされる井戸で、彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)の首飾り(勾玉(まがたま))が語源と考えられている。古事記によれば、彦火火出見命と豊玉姫との出会いのきっかけとなった井戸であるとも記されている。 |
今でも年間を通して水を汲みに来社する人々が絶えず、病気平癒・家内安全等の清めの水として使用されている。周囲を海に囲まれているにもかかわらず塩分は全く含まれていない。 |
不思議なことに対岸の山頂に塩水の湧き出る場所があり、水源が入れ替わったという伝説が残されている。実際に玉の井の水を飲んでみたが、確かに塩分は感じられなかった。 |
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常若(とこわか)の霊木・蒲葵樹(びろうじゅ)に囲まれて鎮座する元宮は、ちょうど青島の中央に位置する。この地は古代祭祀に使われた勾玉・土器・獣骨・貝殻が多数出土しており、古代祭祀跡地に大元の社殿が在ったと考えられることから、その御霊の安寧を祈ってこの元宮が再建された。 |
古くから病気平癒や婦人病に霊験あらたかとされ、元宮に髪を結び帰るという信仰があった。元宮は古代信仰の聖地として、その面影を今に残し、今も訪れる人すべてに安らぎを与えてくれるという。 |
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蒲葵(びろう)は、主に南九州海岸・沖縄列島に分布し、3〜4月に黄白色の花をつける。古く「古事記」に「檳椰」(倭名アジサマ)と見られ、その葉は本島より宮中に献上されて天皇や関白等の牛車の屋根に用いられたという。 |
島内の聖域には、樹齢300年〜500年の蒲葵が約五千本繁茂している。元宮のそばにあるこの蒲葵は、二本が仲むつまじく繋がって一つになっており、夫婦の霊木として和合・生産・繁栄・結縁などの信仰がある。 |
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