しばらくして禊が終わり、一斉に禊場から上がってくる。身体を拭き清めた後、テントに用意されている茅の輪(ちのわ)のお守りを一人づつもらい、右腰の赤べこに付けたあと、法被をはおり、白の地下足袋を履いて高良大社への参拝に備える。法被は紫と灰色の二種類がある。紫の法被の背には、高良玉垂命(こうらたまたれのみこと)の神紋があり、灰色の方は八幡大神(はちまんおおかみ)の左三つ巴の神紋がある。 |
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参拝
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一行は、高良大社に奉納するため、味水御井神社(うましみずみいじんじゃ)に湧き出る清水を桶に汲み、神輿のように担ぎ、高良大社に向けて出発する。灰色の法被の方が桶を担ぐ。御幣や旗を持つのは紫の法被だ。法被は短いので、赤べこの前垂れや後褌(うしろみつ)が見える。高温多湿の気候風土による日本古来の裸文化が息づいている。人によっては恥ずかしいという思いがあるかもしれない。しかし、このスタイルが日本の伝統であり、正規の装束であって、昔は粋だという美意識があった。
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茅の輪くぐり
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約6kmの道のりを1時間かけて行進し、高良大社に到着した一行は、清水を奉納してお祓いを受け、茅の輪(ちのわ)をくぐり、けがれを祓う。
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茅の輪(茅草(かやくさ)で作られた大きな輪)は、正月から6月までの半年間の罪穢(つみけがれ)を祓う夏越大祓(なごしのおおはらえ)に使用されるもので、それをくぐることにより、疫病や罪が祓われるといわれている。
「水無月(みなつき)の夏越祓(なごしのはらえ)する人はちとせの命のぶといふなり」という古歌を唱えつつ、左まわり・右まわり・左まわりと、数字の8の字を3度書くようにくぐり抜けると、心身ともに清らかになり、あとの半年間を新たな気持ちで迎えることができるという。
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