紅葉の涸沢（山への情熱）

山への情熱

／


	涸沢への道
	ハイカーたちは足下を見据え、一歩一歩着実に歩を進めて行く。雲の影が山肌を移動してゆくのが見える。光と影の織りなす山模様は刻々と変化し、見ていて飽きることはない。

涸沢への道（涸沢カール下）

拡大写真（1200x900）261KB


	涸沢に到着
	午後３時頃、目指す標高2300mの涸沢に到着。山の秋は短く、既に太陽の姿は見えない。涸沢は、涸沢ヒュッテと涸沢小屋があり、両方の小屋の間にテントサイトがある。私は涸沢ヒュッテに入った。

山小屋「涸沢ヒュッテ」


	紅葉の涸沢

	涸沢ヒュッテの大きい方のテラスから涸沢の全景を見た。既に太陽は西の山に隠れているが、それでも艶やかな紅葉が目に飛び込んできた。茫然自失とはこのことをいうのだろうか。

紅葉の涸沢（涸沢ヒュッテのテラス）

拡大写真（1200x900）328KB


	涸沢カール

	穂高連峰の東側に位置する涸沢カール^*は、日本最大規模といわれる氷河の形跡を残しており、夏でも残雪が見られ、手軽な登山基地として人気が高い。夏はシナノキンバイやチングルマ、クルマユリなどの花畑に彩られ、秋にはナナカマドやダケカンバの赤や黄色の紅葉が目を奪う。
	^*カール：氷河の浸食によって山地の斜面に生じた半円形の窪地。

ヤドカリ・テント（涸沢）

新調したテントを展張。今夜はここで夜露を凌ぐ。

拡大写真（1200x900）243KB


	屏風の頭びょうぶのかしら

	翌日は、生憎の曇り空となった。それでも涸沢の東に位置する標高2565.4mの屏風の頭を目指した。途中、土砂降りとなり、にわかに川ができた。しかし、それと対比するような鮮やかな紅葉に、夢中でシャッターを切った。雨の紅葉も素晴らしい風情があると、私には思えた。

川と紅葉（屏風の頭付近）

拡大写真（1200x900）243KB

屏風の頭山頂

屏風の頭山頂には誰もおらず、一人だけの雨の山頂だった。

屏風の頭山頂

山への情熱は永遠に（屏風の頭付近）

屏風の頭山頂付近で命を失った坪井繁代さんの碑がしっとりと雨に濡れていた。

山への情熱は永遠に

拡大写真（450x500）43KB

撮影・原作：

青木憲一あおきけんいち

お便り大歓迎！

住居：東京都　趣味：競技エアロビクス、登山、写真、釣り、スキー

ホームページ：オリンパスE-1の部屋　夏の北アルプス縦走

　2003年の秋、南光優さんの山岳写真に感動し、私も南光さんのようなすばらしい写真が撮りたく、思い切ってメールしてみました。南光さんは非常にあたたかい方で、私に色々なことを教えて下さいました。　

　南光さんを通じて和田さんとも知り合い、カメラ購入のアドバイスや撮影スタイル等を教えていただきました。その後、初めての一眼レフ・デジタルカメラ・オリンパス E-1 を購入し、2004年1月「オリンパス E-1 の部屋」を設立しました。

私が登山をはじめたのは涸沢に行きたかったからなのです。上高地の小梨平キャンプ場に家族でキャンプをしていたとき、隣の親子キャンパーが「昨日行った涸沢は綺麗だったな～」と話していた言葉を耳にし、「私も涸沢に行きたい、上高地を上から見てみたい」と思うようになりました。

その翌年は、家族で徳沢園まで。そして今年は一人ではありますが、やっと憧れの涸沢の地を踏むことが出来
ました。私にとっては、目標をとげた一日でした。

毎年来ている登山家の方々に聞くと、今年の紅葉はいまいちと言っていましたが、私にとってはすばらしい世界でした。私の写真を最後まで見ていただきありがとうございました。〈完〉

山への情熱

／


写真をクリックすると新しい窓が開き拡大写真拡大写真（1200x900）328KBが表示されます（以下同じ）。	2004年10月27日作成

紅葉の涸沢（北アルプス）