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2008年9月16日改訂

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♪野の花/邦楽琴

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2003年11月13日作成

御岳山参道

御岳山参道(東京都青梅市)

JR御嶽駅

JR御嶽駅

拡大写真(1024x600)158KB

 2003年11月8日(土)、晴天に恵まれたので、家内と二人で青梅市にある御岳山(みたけさん)に行った。

JR青梅線・青梅駅から20分で7つ目の駅・御嶽(みたけ)駅に着く。新宿からだと1時間半。既に5つ前の日向和田(ひなたわだ)駅から秩父多摩甲斐国立公園に入る。

 御嶽駅の駅舎は山岳信仰を象徴するお堂の形をしている。駅前から西東京バスに乗り換え、10分ほどでケーブル下に到着。急な上りの坂道を5分ほど歩くと御岳登山鉄道の滝本駅に着く。

御岳登山鉄道のケーブルカー(青空・日出)

三岳登山鉄道のケーブルカー(青空) 三岳登山鉄道のケーブルカー(日出)
御岳山・山上案内図
 昭和10年(1935)に開通したケーブルカーは青空・日出という名が付けられ、それ相応の塗色となっており、滝本駅から御岳平(みたけだいら)にある御岳山駅まで1100m(高低差420m)を8分で結ぶ。
 標高831mの御岳平に着くと、駅の直ぐ前からリフトが出ており、更に上の大展望台には2分ほどで到着。徒歩でも登れるが、やはりリフトの方が楽でよい。滝本から大展望台まで、往復料金は大人1,270円。 御岳登山鉄道
←御岳山・山上案内図 :クリックすると大きくなります。

御岳山のリフト

御岳山のリフト

拡大写真(1200X617)267KB 【E-1 28mm/28-108mm  F8.0 1/320秒 ISO200】

大展望台だいてんぼうだい

 標高929mの御岳山は、武蔵平野の西端に聳える霊山である。大展望台は、空気が澄んでいれば、東京タワーや新宿副都心の高層ビル群が展望でき、新東京百景のひとつに数えられる。夜景も素晴らしいという。残念ながら、この日は春霞のような靄(もや)がかかり、都心部は見えなかった。新年は、大勢の人々が元旦早朝に登山し、ここ大展望台で御来光を迎える。

 写真左の山は標高902mの日の出山(ひのでやま)で、山頂からの展望はまた格別という。 御岳山観光協会

 展望台からは足下の町がよく見える。渓谷に沿って多摩川が蛇行し、細長い町が形成されている様子が手に取るようである。超望遠で見ると、JR御岳駅付近は直ぐ目の前にある。鉄道の右側の木の繁みが多摩川で、アーチ型の御岳橋の一部が見える。

展望台からの眺望

JR御岳駅周辺

展望台からの眺望 JR御岳駅周辺

拡大写真(1200x900)255KB 【E-1 108mm  F8.0 1/500秒 ISO200】

拡大写真(1200x900)262KB 【E-1 400mm  F6.3 1/640秒 ISO200】

山頂の町

 武蔵野の眺望を堪能した後、一旦リフトで御岳平に下り、御嶽神社(みたけじんじゃ)に向かう。最初の鳥居をくぐると間もなく御岳山の頂上にある町が見えてくる。御嶽神社は御岳山の頂上・標高929mの地点にある。頂上付近は霞んでいるが、一番高いところに見える建物は宝物殿のようである。

 急峻な山頂の斜面に、宿坊や旅館、民宿、土産物屋、民家などが寄り添うようにして建っている。一歩間違えば、千尋の谷に転げ落ちそうである。千年もの昔からこのような集落が形成され、今日なお山岳信仰による参拝客や行楽客で賑わっている。

 山頂の社を仰ぐ暮の秋  北舟

山頂の町

拡大写真(1050x1400)239KB 【E-1 50mm/28-108mm  F6.3 1/250秒 ISO200】

馬場家御師住宅ばばけおしじゅうたく

 山頂の町に入ると、古色蒼然とした茅葺き屋根の民家がある。関東屈指の山岳信仰により栄えてきた御岳山のほとんどの民家は、参拝客の宿坊(しゅくぼう 宿)として現在も使われている。茅葺き屋根の民家は希少価値となっているが、御岳山では10数軒が残っているという。

 その中のひとつ、東京都指定有形文化財の馬場家御師住宅は、建築年代も明らかで、幕末期の御師住宅を知る上で建築史上貴重な建物である。

 現存する家屋は、代々御嶽神社の御師(おし 神職)を世襲してきた馬場家の10代目当主が、幕末の慶応2年(1866)に寵愛する妻のために、妻の実家である須崎家を模倣して建てたと伝えられている。
 建物は、桁行(けたゆき)七間(12.7m)・梁間(はりま)五間(9.0m)、入母屋造り、茅葺き、平屋建て(一部二階)、五間(いつつま)取り、千鳥破風(ちどりはふ)玄関付きで、工匠は多摩郡沢井村の人だという。

馬場家御師住宅

拡大写真(1200x900)118KB 【E-1 38mm/28-108mm  F5.6 1/160秒 ISO200】

 

深山路みやまじ

の茅葺の家秋深む  北舟  
 下の民家もふっくらとして大きな茅葺き屋根である。いずれも長い間風雪に耐え、緑の苔生した屋根には何ともいえない風情と風格があり、日本の伝統建築の真骨頂を感じる。

大きな茅葺き屋根の民家

大きな茅葺き屋根の民家

拡大写真(1024x768)253KB 【E-1 28mm/28-108mm  F3.5 1/60秒 ISO200】

 更に登ると、民家に混じって立派な宿坊が建っており、玄関には注連縄(しめなわ)が飾られている。現在では一般客も宿泊できる。日本各地から講を組んで参拝したグループの記念碑は、長い信仰の歴史を感じさせる。
 門前町らしく、土産物屋や食堂も軒を並べている。日帰りの参拝客に風呂を提供する店もある。至れり尽くせりだが、このような高地で商売が成り立つのは、参拝客が多いお陰である。冬には山上マラソンがあるという。日本一参加者の多い青梅マラソンを真似たものか、客寄せのイベントにも抜かりがない。

宿 坊

土産物屋街

宿坊 土産物屋街

拡大写真(1024x768)232KB 【E-1 38mm  F5.6 1/180秒 ISO200】

拡大写真(1024x768)193KB 【E-1 28mm  F5.6 1/125秒 ISO200】

御岳の神代欅みたけのじんだいけやき

 社伝によれば、日本武尊(やまとたけるのみこと)東征の昔から生い茂っていた木とされ、古くから神代ケヤキの名で親しまれている。昭和3年(1928)国の天然記念物に指定された。

 青梅市教育委員会によれば、こ樹齢推定600年、樹高30m、目通り(目の高さの幹の太さ〈周囲〉)8.2mという。かなりの老木で、瘤があり、空洞にはカバーがかけられている。

御岳の神代欅

拡大写真(1200x900)259KB 【E-1 28mm/28-108mm  F6.3 1/160秒 ISO200】

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