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大王杉
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さらに歩くと大王杉が見えてきた。胸高直径3.5m、樹高28m、樹齢3000年だという。大王と名付けられただけあって、堂々たる風格があるが、内部は空洞化している。 |
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大王杉の前にたたずんでいると、反対側から歩いてきた人が、「これも立派な杉だが縄文杉とは比べものにならん」と言った。前日から山に入り、山小屋で一泊して、すでに縄文杉を見た人であろう。
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夫婦杉
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少し過ぎると、夫婦杉である。二本の杉が寄り添い、手をつないでいるように見える。このあたりは、木を敷き詰めた階段状の登山道が整備されていて歩きやすくなっている。 |
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そしてその先に木を組み上げた舞台のような展望デッキが整備されていて、その前面に縄文杉が生えていた。縄文杉の根本を踏み固めないためにデッキが整備されたという。
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縄文杉は、根回り43m、胸高直径
5 m、胸高周囲16.4m、樹高25.3m。大きさから見て樹齢7200年という説があり、また、木の一部を分析したところ2200年以上経過していることが確認されたとも説明されている。 |
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中心部が空洞になっているので、樹齢ははっきりしないという。異形と言って良く、異様な迫力がある。樹齢の高い杉が数多く屋久島に残っているが、これが最も歳ふりたもの。太くしっかりと立ち上がった様は、力強く、斜面の空間に白い木肌が輝いて見え、圧倒的な力を感じる。 |
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立札には、「昭和41年になってようやく世に知られるようになった。現在知られている杉の内で一番太い。登山者の踏み付けと長年の風雨により根が露出し、枯死の危機にさらされ、現在その保護対策を実施している。」と記されていた。 |
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屋久島では長寿の杉が多く、しかもその年輪が詰まっているという特徴がある。逆にいうと、成長が遅いということである。屋久杉自然館の説明によれば、展示されていた樹齢1600年の屋久杉は、樹齢360年の日光街道の杉の太さとほぼ同じだとか。 屋久杉自然館 |
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屋久島は花崗岩の島で土かぶりが少なく、しかも山間部では年間1万ミリにも及ぶ降雨のため、養分が流れ落ちて土がやせているため、杉の成長が遅いという。他方、気候のせいで樹脂が豊かで、腐りにくく長生きできるということであった。 |
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国土交通省にお勤めの大庭さんは、7
年ほど前に仕事でご一緒して知り合った。ロシアに一緒に出張したこともある。転勤してからは年賀状での挨拶が主だったが、3
年前にホームページを開設して作品を案内させて頂くようになってから、常連客として暖かい声援を送って頂いていた。 |
今春、5
年間の単身赴任を終えて東京に戻ってきたとき、夜お会いして歓談させて頂いた。これから時々お会いできそうだと思っていたところ、この夏に九州運輸局長として福岡市に単身赴任されてしまった。 |
突然の転勤で寂しく思っていたところ、先日、大庭さんからCDが送られてきた。11月のはじめに屋久島に旅行され、撮影された写真集だという。早速パソコンに取り込んで見せて頂いたところ、あっと驚く屋久杉の素晴らしい写真がパソコンの画面一杯に広がっていた。 |
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もちろん、感動写真集に収録させて頂くことを快諾して頂いたのはいうまでもない。こうして、また、新しい仲間の素晴らしい写真がWa☆Daフォトギャラリーを飾ることになった。本当に感激に絶えない。 |
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大庭さんはCANONのEOS650にヨーロピアン・レンズ・オブ・ザ・イヤーを受賞したタムロン28-300mmを用いて撮影され、イメージスキャナーでデジタル化されている。明暗差の非常にきつい原生林の撮影なので、かなり苦労された跡が見受けられるが、見事なフレーミングで、世界自然遺産を余すことなく切り取っておられる。 |
それにしても驚異的な体力と行動力である。往復10時間の登山を
9
時間足らずで終わらせ、更に屋久杉ランドを
1 時間も歩かれている。体力勝負で大量の写真を撮ることが特技の私ですら到底真似のできない芸当で、完全に脱帽である。 |
九州の作品が少ないだけに、これから強力な助っ人になって頂けるものと思う。(2003年11月21日) |
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杉の表情
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屋久杉ランド
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大株歩道から荒川登山口に戻ったのが午後
2 時40分。往復
8 時間40分の登山だった。それから、登山口の南にある屋久杉ランドに行った。屋久杉ランドには屋久杉見物の遊歩道があり、30分、50分、80分、 120分の各コースが設定されいる。 |
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ここは、標高1000mほどの杉の多い自然休養林で、大株歩道に比べて楽に歩ける屋久杉の森である。私は50分コースをたどり、荒川の流れを渡り、歳ふりた仏陀杉を見、様々な杉の表情を眺めた。
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原生林を流れる荒川
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仏陀杉
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根回り12.6m、胸高直径2.6m、樹高25m、樹齢1800年といわれるこの杉は、仏陀のような威厳があることから名付けられたのだろう。根元に空洞があり、かなり弱っているようで、今にも倒壊しそうな状態にある。近くまで寄ることはできるが、根元の保護のため木組みの観察デッキが整備されていた。 |
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ガジュマルとバイク |
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翌日は、レンタルバイクで島を廻った。一周100km余り。その沿線に見所が多くある。屋久島は杉で余りにも有名だが、それだけでなく実に豊かな植生があり、中間(なかま)という集落には、巨大なガジュマルがある。 |
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ガジュマルはクワ科の常緑高木で、広く熱帯・亜熱帯に産する。幹は多数分岐して繁り、気根(きこん)を垂れる。葉は楕円形か卵形。黄色または赤褐色のイチジクに似た小形の実をつけるという。
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ガジュマルは、絞め殺し植物と呼ばれている。この大きなガジュマルは、タブの木があったところに気根を垂らして大きく育ち、元の木を枯らして育ったものである。写真右下のレンタルバイクが小さく見える。
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降水量の多いこの島には実に多くの滝がある。島内の200はあるといわれる滝のなかで、最もよく知られているのは、屋久島の西部、屋久町栗生(くりお)にある大川(おおこ)の滝で、落差88m 、幅35mあり、NHKの連続テレビドラマ「まんてん」に登場したことで知られる。 |
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屋久島の滝の中で水量
・規模ともに島内随一、九州でも最も大きな滝の一つだといわれ、日本の滝100選にも選ばれている。夏場は涼を求める人達で賑わうという。 |
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水量豊かな大川の滝
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住居:福岡市 |
趣味:写真、読書、バイク、フィッシング、合気道 |
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ただいま単身赴任中なるも、家内と
3 人の娘達という暖かくも厳しい写真批評家あり
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島の西部は道路が海際ではなく、絶壁の上を通っている。道幅は狭く、木が道路の上を覆っており、そこでは多くのヤクザルを見た。また、島の西北部の上屋久町永田(ながた)は、日本一のウミガメ産卵地として知られていて、屋久島ウミガメ館というNPOが運営する施設がウミガメの生態を紹介していた。 屋久島ウミガメ館 |
屋久島が世界遺産になってから観光客が増えたそうだが、それでも縄文杉まで登っていく人は、今年最も多かった日で600人余りだとか。良く守られた魅力に満ちた島であった。〈
完 〉 |
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