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 感動写真集

2008年3月22日改訂

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♪インドの楽器シタール DHUN in Raga Bhairavi

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ガンジスの日輪燃ゆる神の春   北舟

2007年2月7日制作

ガンガーの御来光

ガンガーの御来光(ガンジスの夜明け/インド・バラナシ)

北インドの旅

ガンジスの夜明け

サルナート

撮影・原作:小池淳二

はじめに
 平成19年(2007)1月20日(土)から8日間、家内と共にクラブツーリズムの「悠久の北インド・ゴールデンルート8日間」の旅に参加し、22日(月)・23日(火)に聖地バラナシを訪問した。

バラナシとガンジス川の地図

バラナシとガンジス川の地図

バラナシ VARANASI
 北緯25度20分東経83度00分に位置するバラナシは、インド北部、ウッタル・プラデーシュ州東部にあるバラナシ県の人口350万人の県都で、ヒンドゥー教と仏教の聖地として重要な都市。北西の首都デリーへ820km、南東のカルカッタへ700kmと両巨大都市を結ぶ幹線鉄道と国道2号線のほぼ中間点に位置する。
 平凡社の世界大百科事典では「ワーラーナシー」で検索しないと出てこない。かつてはペナレスとも呼ばれていたが、英語表記のBenares の誤読によるもので、現在はバラナシと呼ぶ。

夜行列車の同じコンパートメントに乗り合わせた親子

夜行列車の同じコンパートメントに乗り合わせた親子

 バラナシは、ガンガーと呼ばれるガンジス川に面し、この街の近くでヴァルナー川とアシー川がガンガーに注ぐ。ワーラーナシーという呼称は、「ヴァルナーとアシーに挟まれた街」に由来するという。市街地は、屈曲するガンガーが南から北へ流れる左岸(西岸)に半円状に広がる。代表的な産業は絹のサリー生産で、世界的に有名。

バラナシ駅

バラナシ駅

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インドの楽器シタール SITAR
 
 バックに流れる ♪ DHUN in Raga Bhairavi は、インドの楽器で最も有名なシタールの曲である。かつてビートルズが使ったことでも知られるギターのようなこの弦楽器は、インド北部のガンジス川流域を中心としたヒンドゥースターニー音楽というイスラム王朝の宮廷で発展した北インド古典音楽の演奏に使われたもので、14世紀頃に生まれた。インド古来の楽器「ビーナ」とペルシャ文化圏の楽器「セタール」が融合したものといわれる。  
インドの楽器シタール

資料

 
 7本の弦が棹(さお)に20個ほどついたアーチ状の金属棒・フレットの上を走っている。その下に共鳴弦が11〜13本。ユウガオの実でできた共鳴胴にあるコマは、弦と面で接していて、これがシタール独特の長い余韻を生む。弾(はじ)いた弦をフレット沿いにぐっと引っ張ると「ビィイーン」と響き、これぞインド音楽という装飾音になる。この曲はなにかもの悲しい、哀愁を帯びた感じがする。

サルナート SARNATH
 
 バラナシの北郊約6kmには、釈迦が初めて説法を行った初転法輪(しょてんぽうりん)の聖地サルナートがある。
我々は、1月22日(月)の朝、首都デリーからバラナシ行きの夜行列車で到着したあと、サルナートを見学した。
 静かな森に囲まれたサルナ−トは、四大仏教遺跡(釈迦誕生の地ルンビニ、釈迦が初めて悟りを開いた地ブッダガヤ、釈迦が初めて説法をした地サルナート、釈迦の入滅の地クシナガール)の一つである。  

ブッダ初説法の地・サルナートの考古学博物館

ブッダ初説法の地・サールナートの考古学博物館

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初転法輪しょてんぽうりん

 
 初転法輪とは、釈迦が初めて仏教の教義(法輪)を人々に説いた出来事を指す。具体的には、ルンビニで誕生した釈迦がブッダガヤの菩提樹の下で悟りを開いた後、バラナシのサルナートで5人の修行仲間に初めて仏教の教義を説いたことをいう。

釈迦初説法のモニュメント

釈迦初説法のモニュメント

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 その後、釈迦の弟子となった5人の修行仲間は、釈迦と共に仏教教団を創設し、インド各地で布教活動を行ったことから、説法波羅奈(せっぽうはらな)として釈迦の人生の4つの転機の1つに数えられている。

巨大なダメーク・ストゥーバ

巨大なダメーク・ストゥーバ

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鹿野苑ろくやおん

 
 サルナートは漢訳仏典では鹿野苑(ろくやおん)として登場し、金閣寺の正式名称「鹿苑寺(ろくおんじ)」の出典となっている。英語では Deer Park と呼ばれ、鹿の園の意味である。
 

サルナートの Deer Park の鹿

サルナートの Deer Park の鹿

資料

 
   この地で釈迦の説法を聞いたのは5人の修行仲間だけでなく、森に棲息する鹿もいたことから、鹿は仏教に縁の深い動物とされている。奈良公園の鹿もこの故事に習ったもので、サルナートでは今も鹿が飼育されている。  

壁面の彫刻

壁面の彫刻

ダメーク・ストゥーバ
 
 近年の学術調査の結果、古くはアショーカ王の太古から、仏教が滅ぶ12世紀頃までの遺跡が多数発掘されている。現存するダメーク・ストゥーパは、高さが42m、基部の直径が28mあり、グプタ時代(AC4〜7世紀)の貴重な仏舎利塔(ぶっしゃりとう)(釈迦の遺骨を納めた塔)であるという。考古学博物館に出土品が収められている。

魔除けの経文が書かれた旗・ルンタ

魔除けの経文が書かれた旗・ルンタ

ムルガンダ・クティ寺院
 
 1931年に建立されたムルガンダ・クティ寺院は、遺跡の廃寺の復元といわれているが、その建築様式は考古学的に諸説があるという。正面奥の祭壇には座禅を組む金色の釈迦如来像が祀られている。5世紀頃の作とされる初転法輪像のレプリカで、そのオリジナルは考古学博物館に安置されている。

初転法輪像 / サルナート考古学博物館

初転法輪像 / サルナート考古学博物館

資料

 
 オリジナルの初転法輪像は、一枚石に彫り上げられた見事な石像で、釈迦の最初の説法を描写した傑作とされている。この寺院にも仏舎利が納められており、内部に日本人絵師が書いた壁画がある。  

往時を偲ぶムルガンダ・クティ寺院

往時を偲ぶムルガンダ・クティ寺院

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小池淳二こいけ じゅんじ

  さんのこと
 1月30日、感動写真集でお馴染みの大森保武さんから、友人の小池淳二さんが北インドを旅行して先日帰国したというお便りと、小池さんから贈られた画像をお送り頂いた。インドは丹下誠司さんの独壇場で、数々の作品があるが、送られてきた写真の中にバラナシの沐浴風景があった。
 バラナシは丹下作品にはないので、是非、作品化したいと大森さんを通じて小池さんに打診したところ、直ぐにCDに入ったバラナシの画像と解説文が送られてきた。
 CDに添付された手紙には、次のように書かれていた。
「私は年に一、二度くらい海外に遊びに出かけておりますが、和田さんのギャラリーとは無縁のデジカメ写真を撮っており、貴兄ご存じの大森さんには、最近メールに添付して送付したところ、和田ギャラリーにはバラナシの写真が無いので、送ってはどうかとの電話をもらいました。改めてギャラリーを見直したが、どうも私の写真は似つかわしくないというのが私の感想です。
和田義男
でも、大森君のご意向もこれありで、バラナシと近郊の分をあえてCDでお送りするので、適当に処分して下さい。これは本音であるので念のため。」
 私は手紙を読んだあと、直ぐにCDの画像を見せて頂いたところ、期待通りの素晴らしい写真が沢山あって手紙の文面は謙遜であり、感動写真集にふさわしい作品ができあがることを確信し、直ぐに小池さんにメールを出して作品化することをお願いし、ご了解を頂いた。
 小池さんは、大森さん同様、私の大学の大先輩で、よく存じ上げているが、これまでに26ヵ国と1地域に旅された海外通であることを知ってビックリ。今回、クラブツーリズムの旅を選んだのは、他の旅行社になかったバラナシの観光、即ちガンジス川があったからだという。
 このような経緯で、1月27日に帰国されてまだ10日ほどなのに、感動写真集の24人目の作者となられた小池さんの処女作「ガンジスの夜明け」が完成した。去年の誕生日に古希を迎えられた小池さんは、今年も正月早々大旅行をされてとてもお元気なので、これからも感性豊かな感動の作品を沢山発表して頂きたい。

   平成19年(2007)2月7日   監修 和田義男

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