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エベレストをはじめとした8,000m級の高峰をかかえ、国土の多くがヒマラヤ山脈に存在する。そのためインドに面した南部の低地を除き、平地が少なく、高山気候となっている。山間部では、見事な棚田や段々畑が広がる。 |
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見事な棚田のある村 |
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ネパールの音楽は、二つのタイプに分かれる。ひとつはプロによる徹底的に洗練された古典音楽であり、もう一つは村人たちの間で愛唱される歌と踊りのフォーク・ソングである。 |
最初は、プロの演奏する古典音楽の紹介で、BGMに流れる曲は、サロード独奏によるネパール民謡「ターラ」である。シタール、サロード、タブラーといえば北インド音楽であり、ヒンドゥー・スタイニー音楽である。 |
しかし、ネパール人の演奏によるこの曲は、有名なネパール民謡の旋律を駆使し、ネパールの伝統の調べを見事に奏でている。 |
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ナガルコットの丘から見るヒマラヤ山脈 |
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カトマンズの東方約35Km、車で1時間半ほどのナガルコットは、小さなバザールがあるほかは森林に包まれた静かな丘陵で、標高2,100mの丘の上からは、東西200kmに渡って連なる白いヒマラヤ山脈を望むことができる。 |
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ガネーシュ・ヒマール(7,406m) |
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宿泊したホテルは「クラブ・ヒマラヤ」で、ナガルコット最高級のホテル。全室にバルコニーが付いており、ヒマラヤの日の出が眺められる。屋上には展望台があり、ヒマラヤ・ビューが素晴らしく、とても人気がある。 |
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宿泊した「ヒマラヤ・クラブ」ホテル |
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「世界の屋根」と呼ばれるヒマラヤは、インド亜大陸とユーラシア大陸の衝突により生じた地球の巨大な皺(しわ)である。東西2,400km、南北250km、ブータン・中国・チベット・ネパール・インド・パキスタンに股がる大山脈で、日本列島がすっぽりと収まってしまうという広大なエリアである。 |
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ナガルコットの山村とガンチェンポ(6,387m) |
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ヒマラヤとはサンスクリット語で「雪の住家」の意。地球上で最も高い8,000m峰14座全てがヒマラヤに位置する。付属峰も含めるとヒマラヤには7,000m級の山々が100以上も存在する。万年雪が真白に輝き、天空に屹立する姿は「神々の座」 と崇められ、今も昔も世界中の人々の感動とロマンをかき立ててくれる。 |
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ガンチェンポ(6,387m)の勇姿 |
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ナガルコットの山村とドルチェ・ラクパ(6,966m) |
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ヒマラヤ山脈は、いずれも最大級の大河であるインダス川、ガンジス川、ブラマプトラ川、長江の水源となっており、このヒマラヤ水系には約7億5千万人の人々が生活しているという。 |
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ドルチェ・ラクパ(6,966m)のアップ |
ドルチェ・ラクパ↓ ↓カルジェン・ピーク(6,700m) |
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日本列島に恵みの雨をもたらす「梅雨」は、このヒマラヤ山脈が要因となっていることは意外と知られていない。 |
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フルビ・チャツ(6,650m) |
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巨大なヒマラヤ山脈は、何万年もの間、人々の交流を妨げる障壁となった。 特にインド亜大陸の民族と中国・モンゴルの民族が混ざり合うのを妨げ、これらの地域が文化的、民族的、言語的に非常に異なっている直接の原因となっている。 ジンギスカンは、ヒマラヤ山脈のために帝国を亜大陸に拡大することができなかった。 |
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ガウリシャンカール(7,134m) |
ガウリシャンカール↓ ↓チョーオユの尖峰(8,201m) |
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ネパールはインドと文化的なつながりが強く、中国文化圏との共通性はほとんど無い。 ヒマラヤ地域に広く分布するチベット民族は顔つきこそモンゴロイドだが、中国文化圏とインド文化圏ともに関連性が少なく、独特の文化圏を形成している。 |
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ナガルコット村とフルビ・チャツ(6,650m) |
フルビ・チャツ↓ ↓尖峰チョバ・バムレ(5,970m) |
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ヒマラヤ山脈の急峻な地形と厳しい気候によって、孤立した地域が生まれ、独特の文化が育まれた。これらの地域では、現代でも交通の便が悪いため、古い文化・習慣が根強く残っている。 |
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パノラマのヒマラヤ山脈(ナガルコットの丘) |
↓ランタン・リルン ↓ガンチェンポ ↓ドルチェ・ラクパ |
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ナガルコットの丘の上の展望台には、タルチョがはためいていた。タルチョとは経文が印刷された祈祷旗のこと。風にはためくごとに、仏法が世界中に広まるとの信仰がある。5つの色は物質の五大(五元素)を表すという。 |
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チベット仏教の五色旗タルチョと日没 |
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太陽が西に沈む頃、待望の夕焼けがはじまり、ナガルコットの丘の上の展望台からは、北方に連なるヒマラヤ山脈の雄大な山頂光を観測することができた。言葉を失うほどの美しさで、これだけでネパールに来た甲斐があると思った。 |
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雄大なヒマラヤのアルペングロー(山頂光)/ナガルコットの丘 |
↓ガンチェンポ(6,387m) ↓ドルチェ・ラクパ(6,966m) |
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ドルチェ・ラクパ(6,966m)のアルペングロー |
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ひまらやの かみのせつざの もゆるごと |
The snowy seats of Himalayan Gods look like burning. |
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ガンチェンポ(6,387m)のアルペングロー |
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ランタン・リルン(7,234m)のアルペングロー |
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感動のアルペングローを堪能した後、ホテルで楽士たちによる民俗楽器の生演奏を聴きながら、夕食を取った。 |
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民俗楽器の演奏/「クラブ・ヒマラヤ」ホテル |
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