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 特集!旅紀行

2004年8月15日改訂

今 日

昨 日

ガンジス川の朝 Music Palette

2004年3月12日制作

インド通信

第 11 集

2004年8月14日(土)   インドの橙
皆さん、よいお盆休みをお過ごしになっていることと思います。
お釈迦様が修業を積まれたインドですが、お釈迦様も、ヒンドゥー教の神様の一人とされているインドでは、特段、変わったお盆の行事もありません。明日、8月15日は、インドの独立記念日とされており、国民の祝日ですが、あいにく、今年は、日曜日です。旗日が日曜なので、翌の月曜日が振替祝日になるというような、便利な制度は、インドにはありません。年中無休昼夜兼行のわが作業所でも、日曜に祝日まで重なると、さすがに倍萬という奴で、気持ちは、ほとんど休みモードになりながら、それでも、社員は仕事です。悲しい日本人の性というか、さっさと竣工して、任務片付けて、日本に帰りたいですもんね。
桜木花道と赤木剛憲 うちの現場は、読売と日経を、日本から取り寄せていますが、8月10日の新聞が、2日遅れで、サイトに届きまして、それらをめくってましたら、桜木花道(読売)と、赤木剛憲(日経)が、共に、一面広告で出ており、おっ、なんや〜と、びっくりしてしまいました。スラムダンク、1億冊、突破!の記念広告とのことです。1990年から、6年間に渡り、少年ジャンプに連載され、湘北高校バスケ部のインターハイ出場までの僅か4ヶ月間の出来事を描いた井上雄彦さんの全31巻の漫画に、なぜ、ここまで、日本人が、惹かれるのか・・・。連載が終了して8年、それでも、この勢いと人気。わしは、このくたばらず、へこたれない赤髪の花道が大好きなんですね。歳がいもなく、一挙に30歳若返り、高校生に戻った気分で、井上雄彦さんに、ファンメールを送ってしまいました。しかし、高校時代が人生で一番面白かったような気がします、箸が転がっても笑ってたような時代。うちの娘が、今高2ですからね、オヤジのあごひげも半分白くなるはずです・・・最近は、あの頃のように笑わなくなっているので、要注意ですな。

さて、インドの色シリーズ、4本目。今回は、だいだい(橙)色です。「だいだい」なんて、若い人は、喰ったことないから、わからんですかね?オレンジ色。手元の配色本には、オレンジ色で湧いて来るイメージとして、娘、女友だち、家庭、笑い、冗談、母、愛情、親切・・とあります。さあて、今回の6枚で、貴方は何を連想されますでしょうか?
1) マリゴールド 花市場と沐浴場として有名な、カルカッタのアルメニアン花市場での一枚です。マリゴールド(Marigold)は、ハウラー橋の下辺りで、大量に売られています。この花市場では、花毎に、売り場が大雑把に決まっているような印象も受けます。マリゴールドは鮮やかな橙色ですが、日本では、キンセンカと呼ばれているようです。日本は、このようなガーレン(花輪)に、咲いた花はしないでしょう。
後ろに見える巨大な鉄骨のハウラー橋は、1943年に開通しています。どうです、この頑丈な骨組み。長さ705m、高さは97mもあります。日本軍のビルマ進攻や、インパール作戦を想定して、当時、インドを植民地統治していたイギリスの主導で、ガンジス河の支流のフーグリ河に架けられた軍事目的の橋です。今も、びくともしていません。ハウラー地区とカルカッタ市内を結び、大量の人と車が、毎日、この橋を使って移動しています。

マリゴールド

2) 猿神とチャトゥー カルカッタの旧市内、昔、貿易商館が数多く並んでいた辺りに店を出す露天飲み物商です。日本のお寺や神社の感じで、インドでも、至るところに、ヒンドゥー教の寺院や祠がありますが、この露天商も、ハヌマンという猿神様の隣に、ビニール屋根を張って、商売しています。この猿神は、オレンジ色、一色に塗られていますが、きれいに極彩色されているハヌマン像も有ります。店で売っているのは、チャトウーという飲み物で、日本でいうと、ミロみたいなドリンクです。すいません、2ルピー(5円)をけちったわけでなく、私は身体が弱いので、このドリンクを試すことなく、写真だけ撮らせて貰いました。

猿神とチャトゥー

3) 電話番 インドも携帯電話が都市部で急速に普及し始めていますが、地方では、まだまだ電話屋が多く、庶民の大事な連絡手段になっています。私も、時に、こういう店(スマイルとヘアドレッサーの文字が見えますが、電話のブースです)に、自分のIBMを持ち込んで、電話線で繋いで、皆さんにカワ通を送るわけです。電話屋の店番の女性のサリーのオレンジ色に、煮豆に刺された、とんがらしのオレンジ色。北のヒマーチャルプラデッシュ州での一枚です。揚げ物ファンに、ついでに解説しておきますと、手前が野菜天、左後ろのギョーザ形がサモサです。共に、ベジタリアンフードですね。

電話番

4) 楽団 これも、ヒマーチャルプラデッシュ州での撮影ですが、太鼓の楽団です。大道芸人が、インドには、まだまだ多いです。この3人は、太鼓を叩いて、山村を練り歩き、芸を披露して回るわけです。太鼓の音は、ヒマラヤで、広々とした空間に見事に響きますが、なんか物悲しい感じもします。山が高すぎて、人間が小さ過ぎるから・・・?道路が発破の直後で、その瓦礫を取り除く作業で、丁度、閉鎖。その作業待ちで、タバコで、一服し始めたのを撮らせて貰いました。開通と同時に、ヒッチハイクで捉まえた軽トラックの荷台に乗って、次の村を目指して、流れていきました。

楽団

5) 馬車 パンジャブのチャンディガール連邦直轄領での一枚。パンジャブ州は、シーク教徒が多い州です。馬車を操るシークのオレンジ色のターバンが鮮やかです。荷台には、色々な胡椒が積まれてありました。移動胡椒屋さんなんですね。
先の選挙で、首相となったマンモハンシンさんも、シーク教徒です。大統領のカランさんも、イスラム教徒ですし、デリーの市長(CM)は、デクシットさんという女性です。インドは、カーストの意識の強い、ヒンドゥー教徒がメインの国ですが、人を純粋に、能力で評価する、なかなか懐の深いところもあります。
チャンディガールは、ル・コルビジェさんが設計した街として知られ、その整然さは、インドの都市計画のモデルとされています。バンガロール、ハイデラバードに続き、IT都市化を目指す、わがカルカッタも、ソルトレーク地区の開発では、このチャンディガールを模範にしたいと考えているようです。

馬車

6) ボルボン カルカッタのハウラー駅構内での撮影です。鉄道や、駅の構内は、撮影禁止なのですが、私は、時々、撮ってます。活気があって、凄く面白いです。インドに来られたら、ハウラー駅のこの人波を見逃してはいけません。人、人、人・・で、軽いと、はじきとばされそうです。
この一枚は、インド7〜8月の風物詩で、ビハール州のシヴァ神の聖地Deogarhに巡礼する集団です。鮮やかなオレンジ色のシャツ、パンツをまとって、ガンジス河の水を壺に入れ、それを棒の先に吊るして、肩に掛け、Bol Bam、Bol Bam (ボルボン、ボルボン)の祈り声と共に、裸足で、聖水を、Deogarhに運びます。うちの村も、先月、今月と、この集団が、北のビハール州を目指して、続々と通過していってます。

ボルボン

以上、インド6葉でした。
終戦記念日 明日は、日本は、太平洋戦争終戦から、59年目の記念日。インドの英語の書物では、第二次世界大戦は、ドイツのナチズム、日本のファシズムに、英米列強諸国が、世界の平和を守るため、一致団結して戦った大戦だと記録されています。

戦争は勝った側の論理で語られますので、やはり、負ける戦(いくさ)は、したらいけないのかもしれません。しかし、徹底して負けないと、国は変われないのかもしれません。第2次世界大戦の影響が、インドでは中途半端だったので、それで、今もインドは変わり切れないという考え方も、この国には、存在するようです。

パル判事 極東軍事裁判で、唯一、戦争裁判の不当性を主張したインド人のパル判事の考え方は、非常に信念に富んだ考え方で、勇気ある判断であると言えると思います。こういう信念で、欧米諸国にも一目置かれているのが、インドです。時代も、世界も、物凄いスピードで進んでいますが、我々も、国際社会の中で、日本人としての信念、信条、勇気を失くさなければ、国の舵取りを間違うことはないと思います。広島、長崎、終戦と続く、8月は考えることが多い月ですね。
お盆 お盆だわい、お盆だわい・・と、手元の季寄せをめくってましたら、8月は、もう秋八月で、地蔵盆、盂蘭盆(うらぼん)、苧殻(おがら=麻の茎=門火用)、迎え火、送り火、流灯(りゅうとう)・・とかの美しい季語が並んでいます。日本語って、ほんときれいですよね。松山のご先祖様、こんなインドで、40も半ばで、未だに放蕩していて、墓掃除もせず、すいません。

残暑を経れば、あっという間にもう秋めく九月です。日本の皆さんも、もう一息で○○の秋です。頑張って下さい。
2004年8月6日(金)   インドの緑
今回は、お盆前特集ということで、インドの緑です。インドの東に位置するベンガルは、緑に溢れ、水も豊かで、インドの西の、砂漠、土漠地帯とは、大きく違っています。テレビの衛星天気図でも、モンスーンが、ベンガルに立ち込めて、洪水になる地帯もありますが、西のインドは、雲もなく、今年も、水不足の影響がすでに出始めています。ベンガルは、全体的にどこもかしこも緑なのですが、皆さんの夏バテ防止になるような6枚を選んで、お届けします。

1) カスタードアップル これは、まだ、日本には入ってない果物ではないでしょうか?上手く表現できませんが、恐竜の卵のようなユーモラスな形です。インドネシアでは、スリカヤと呼んでいました。外側は、緑ですが、果肉は、白で、スイカの要領で、スプーンで掬い、種をぺぺぺっと、吐き出しながら、食べます。左に見えているのは、桃です。インドにも桃があります。北のカシミール産です。(お盆には、スイカの1個丸喰いが、最高に贅沢ですよ!)

カスタードアップル

2) グヮバ グヮバも、もう日本に、輸入果物として、入っているのでしょうか?ベンガルでは、グヮバは、スライスして食べるのが、一般的です。ベンガル人は、アジア系の顔をしており、親しみが持てます。お互いが、お互いを尊重し、インド人、日本人であり続けることが国際社会。うちらの日本人も、日本人である特徴や伝統を失くしてはいけません。カルカッタの街のグヮバ売りのじいさんと、子供たち。(お盆には、家族回帰ですよ!)

グヮバ

3) ベンガルボダイジュと女性 前作のインドの樹で、樹の名前を沢山覚えましたので、最近は、街歩きしていても、樹の名前がわかり、楽しいです。これは、インドではボドガチと呼ばれているベンガル菩提樹です。太った女性が、緑の布(サリー?寝巻き?)を羽織って、一休みしていました。菩提樹は、仏教徒のみならず、ヒンドゥー教徒にも、信仰木ですので、こうして、人が集まり、一休みする場所になっています。(お盆には、日本でも、木陰で、好風一服!)

ベンガルボダイジュと女性

4) 乾物屋 カルカッタのニューマーケットで、整然と商品を並べた乾物屋に驚き、撮影してしまいました。この整然さが、なんか、カルカッタらしくない、風景です。豆とか、ポテトチップスが売られています。左の扉の絵は、コブラを首に巻いたシヴァ神。ヒンドゥー教の破壊と再生の神です。EK TU HI NIR NKARは、ヒンディー語を英音表現していますが、貴方は唯一の存在(=神)だという意味だそうです。(お盆には、酒喰らって、自分を破壊し、その後、がっ〜と寝て、シヴァ神に、優しく再生して貰って下さい。)

乾物屋

5) ニガウリ うちの現場前の市場にて。インドにも、ゴーヤ(ニガウリ)があります。日本も沖縄産が有名ですよね。インドでは、カレーに入れます。左は、オクラですが、これも、カレーに入れます。オクラという英語は、バグムンディ村では通じません。レディーフィンガーと言えば通じます。淑女の指と訳します。かぼちゃも、でかい。これも、カレーに入れます。インドでは、なんでも、カレーです。(お盆には、皆さん、疲労回復で、夏野菜カレーですよ!)

ニガウリ

6) カメ吉 この山で、現場を張って2年半、ダムの現場の仮設道路を、てこてこ歩いているのを、拾ってくるのですが、これが、先週獲れたばかりの、3匹目です。やはり、生き餌が問題なんで、今は、事務所の玄関前のパラッシュ(森の炎)の樹に、放し飼いにしています。カラスに喰われないか心配ですが、変色の名手なんで、大丈夫でしょう。もちろん、カメ吉は、緑色なんですが、イスの茶色に合わせて、縞が浮き出始めているところをパチリ。(お盆には、カメ吉のように、たまには服の色を普通でない色に変えてみて、精神のリフレッシュを!)

カメ吉

では、ちょっと早いですが、Have a nice Bon ! 皆さん、よいお盆休みをお過ごし下さい。

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