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見学は、最上層の広場まで歩き、そこから建物内部に入り、徐々に下りていく。何階にもなっているので、それを支える強度が必要で、色々な工夫がなされている。それに湿気対策も重要だ。台所や食堂は、大きな暖炉があり、煙突にも工夫がある。長い時空をかけて、築き上げてきた奇跡の建物だ。
左の写真は、寺院最上層の広場に建っている尖塔の内部。丁寧に石が積み上げられている。ロープを引くことにより、鐘を打ち鳴らすことができる。
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三大天使
キリスト教では、三大天使というのがある。ガブリエル
Gabriel
(ヘブライ語で〈神の人〉の意。ユダヤ教,キリスト教,イスラム教の天使で〈神意の伝達者〉の役割を果たす。)、ラファエル
Raphael (旅人の守護者)そしてミカエルなのだそうだ。サン・ミッシェルとは聖ミカエルのことをいう。モンは、モン(山)ブラン(白い)のモンなので、モン・サン・ミッシェルとは、聖ミカエルの山ということになる。ミカエルは、天軍の長であり、最後の審判のときに死者の心臓をはかり、天国に送るか地獄に送るかを選別する役割を果たす。いわば仏教の閻魔に当たる存在のようだ。
尖塔の内部に飾られているサン・ミッシェルの像は、片手に心臓の重さを量るための天秤を提げている。
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尖塔の先端には、黄金のサン・ミッシェル像が取り付けられている。空飛ぶ龍を踏みつけ、右手に剱を振りかざし、左手に円形の楯を持った姿が勇ましい。この像は、近年になってヘリコプターで塔の先端に取り付けられた。
ミカエル Michael
ユダヤ教,キリスト教,イスラム教の天使の名。旧約聖書ではイスラエルの守護天使とされ(《ダニエル書》),新約聖書ではサタンとの闘いを指揮する(《ヨハネの黙示録》)。西洋美術ではガブリエルと並んで,最も多く登場する天使であるが,啓示の天使ガブリエルと異なり,その役割から,武装した青年の姿をとって描かれることが多い。初期キリスト教美術や中世美術の作品では,左手に盾を持ち,竜の姿をしたサタンを槍で突こうとする図像が多く見られる(ライプチヒ工芸美術館所蔵の象牙板浮彫,9世紀)。〈最後の審判〉を主題とする作品にもしばしば描かれるが,人間の魂を障ではかる表現(ロヒール・ファン・デル・ウェイデン《最後の審判祭壇画》1445ころ)や,空中で罪人を突き落とす表現(ルーベンス《最後の審判》1620ころ)などが見られる。鎧をつけた姿の単独像も多い。
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バイキングの地・ノルマンディらしく、大部屋の天井が船底型になっているところがある。いびつな形になっているが、強度を保つために、バイキングの造船技術を利用したものだ。この地以外でも、ノルマンディ地方の教会の天井などにも見ることができる。
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11の写真と同様、ホールや食堂には、船を伏せたような独特の天井が見られる。
多層式の僧院は、いくつもの部屋が上下に重なっており、その重量を支える工夫は大変だったものと思われる。
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人力式クレーン
中世、これほどまでの大規模な建築が可能だったのは、この装置のお陰だ。轆轤につなげた水車のような大きな木製のホイルの中に3名ほど奴隷が入り、歩くことによりホイルをまわし、梃子の原理で重量物を巻き上げることができた。
ポン・デュ・ガール
Pont du Gard は、古代ローマ人が紀元前19年頃に築いた長さ275m、高さ49mの巨大な水道橋だが、使用した巨大な石材は、これと同様の装置で引き上げたという。ローマ人の偉大な発明のお陰で巨大建築が実現したのである。
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資料
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夏のモン・サン・ミッシェル
夏には、陸地は青々とした草原となり、放牧された羊が自由に駆け回るという。(写真左)
空から見たモン・サン・ミッシェル
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資料画像
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