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木遣とは木を遣り渡す(運ぶ)という意味で、戦国時代から木材の伐出(ばっしゅつ)や築城の際に息をあわせるために歌われるようになった労働歌である。木場の木遣(きやり)は、徳川家康が江戸城造営の際に連れてきた材木商が川並(かわなみ)(筏師/材木業者)に伝えたものといわれている。 |
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元禄の初めには両国の七つ谷の間部河岸という所で三代将軍家光に筏の小流し(さながし)、角乗り、木遣を奉納し、以後年中行事となったと伝えられている。明治12年(1879)アメリカ合衆国第18代大統領グラントが来日の際には、上野の不忍池で上覧の栄に浴した。 |
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木場の木遣を伝える人たち |
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江戸の木遣には二種類あり、材木等の重量物を移動するときに唄われる木遣と、土地を突き固めるいわゆる地形(じぎょう)の際に唄われる木遣とがある。川並の木遣は前者であり、鳶の木遣は後者である。素人が聞くと区別がつかないが、玄人衆ははっきりと聞き分ける。 |
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永代橋を行進する親方衆(鳶木遣)/深川祭 |
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拡大写真(1400X1000)344KB |
撮影:和田義男 |
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鳶木遣は、町火消が鳶職人を中心に編成されたため、木遣もごく自然に町火消の中に溶け込み、受け継がれていった。曲は真鶴のほか、地・くさり物・追掛け物・手休め物・流れ物・端物・大間など8種110曲がある。 |
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昭和31年(1956)、江戸町火消によって受け継がれてきた「江戸の鳶木遣」が東京都の無形民俗文化財に指定され、社団法人・江戸消防記念会がその保存団体となっている。深川祭でパレードするのは鳶木遣の方である。 |
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自慢の木遣の披露(鳶木遣)/深川祭 |
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撮影:和田義男
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木場木遣の方は、昭和46年(1971)に保存会が誕生し、昭和55年(1980)江東区の無形民俗文化財に指定され、平成7年(1995)に東京都の無形民俗文化財となった。近年は、各地から職人が集まるようになって、仕事場では歌われなくなり、保存会の人たち約30人によって江東区民まつりや祝儀の場などで披露されているという。
木場木遣保存会 TEL 03-3642-7274 |
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親方衆の背中(鳶木遣)/深川祭 |
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拡大写真(1300X940)277KB
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撮影:和田義男
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木場の木遣は、川並が鳶口一つで材木を操るときに歌った労働歌で、水からあげた材木を真直ぐに直すときに互いの息を合わせるため、即興の詩をつけて唄ったもの。そのため、木の大きさによる仕事のテンポの違いからフシ(間合い)の異なるものができたという。 |
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木遣は、呼ぶ方を「木遣師」、あとの唱和を「受け」という。木遣師はかならずしも親方とは限らず、川並の中の木遣の上手な人や声のよい人が選ばれた。川並たちは、木遣を唄いながら材木を取り扱った。 |
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木遣の大合唱(鳶木遣)/深川祭 |
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拡大写真(1400X1050)441KB |
撮影:和田義男 |
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平成18年(2006)10月8日、木場木遣保存会「木響会(ききょうかい)」(石橋昭宏会長)が富岡八幡宮境内で木遣記念之碑の除幕式を行なった。この碑は木響会が寄付を募って建立したもので、ボタンを押すと木遣りが朗々と流れる。 |
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富岡八幡宮の木場木遣之碑 2007.1.4 |
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拡大写真(1600X915)339KB
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深川の手古舞は、江戸時代には江戸の代表的な祭礼には必ず登場したが、現在では、富岡八幡宮をはじめ、わずか数カ所の祭礼で伝承されているにすぎない。現在、手古舞をつとめるのは、深川三業組合に属する芸者衆や有志の人たちで、神輿行列の先頭にたって、木遣で練る。 |
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富岡八幡の手古舞 |
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拡大写真(1200X680)268KB |
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江東区無形民俗文化財に指定されている富岡八幡の手古舞は、富岡八幡宮の3年に一度の本祭りに行われる芸能で、江戸時代以来の伝統を引き継いでいる。 |
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男髷が鯔背な手古舞の女性たち |
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手古舞は、木材を運搬する際に梃子を操作する役の梃前(てこまえ)や、重いものを大勢で運ぶときに、先頭に立って指揮する役の梃子前(てこまえ)が転訛(てんか)したもので、江戸時代の祭礼の余興の舞だといわれる。 |
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富岡八幡宮の例大祭である深川祭の神輿の先導役を務めるのが男装の手古舞たち。はけ先を散らした男髷(おとこまげ)に片肌脱ぎの派手な襦袢(じゅばん)、裁着袴(たっつけ・ばかま)(裁着)・紺足袋・草鞋(わらじ)を履く。 |
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永代橋をスタートする手古舞の女性たち/深川祭 |
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拡大写真(1400X920)279KB
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撮影:和田義男 |
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首に手拭い、背に花笠をつけ、右手に鉄棒(かなぼう)(上に鉄の輪が4〜6個付いた鉄棒)を引き、左手に自分の名が入った手持提灯(てもちちょうちん)を下げ、木遣を唄って歩く。演目は「真鶴、手古、さらば」の3種類。 |
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手古舞の後ろ姿 |
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拡大写真(1200X680)293KB |
撮影:和田義男 |
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