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Two children on a wagon swaying
up and down in an autumn festival.
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古武士のような指揮者(南細江)
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屋台の到着を待つ拝殿 |
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大屋台の特徴
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須加(すか) 浜の宮天満宮の宮元で、屋根の三階松紋が特徴だ。白の伊達綱(だてづな)に、シデと鉢巻は黄色、乗り子の襦袢と練り子の法被は渋茶で背中に三階松の刺繍が入る。練り子全員がふんどし一丁で担ぐいなせで豪快な屋台は、男らしい。(写真03) |
宮(みや) 平成10年に新調されたという伊達綱は、茶色に金糸となり、絢爛豪華な屋台だ。シデ色は赤で、乗り子の襦袢や練り子の鉢巻・法被も赤で統一している。法被の背中に白く染め抜かれた宮の一字は、洗練されたデザインだ。(写真02) |
天神(てんじん) 金糸の入った純白の伊達綱に桃色のシデ色。乗り子の襦袢は伊達綱にあわせて白色で、練り子の鉢巻と法被はシデにあわせて桃色と、白とピンクのツートンカラーの大屋台は、なかなか明るくスマートだ。(写真03・04・05) |
小屋台の特徴
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南細江(みなみほそえ) 伊達綱と練り子の法被を白で統一。乗り子の襦袢と練り子の鉢巻、シデを柿色とした。このため全体が白装束という感じで、清潔で厳かな雰囲気だ。羽織袴で指揮をしていた老人が古武士のようで、特に印象的だった。指揮棒で采配していたのは、全ての屋台で南細江だけだった。また、白髪の老人が練り子で頑張っていたので、思わず声援を送った。(写真01・06・07・10) |
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拝殿前の晴舞台(南細江) |
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川内細江(かわちほそえ) 金糸の入った白の伊達綱のほかは、乗り子の襦袢、練り子の鉢巻・法被、シデを緑で統一。小人数で奮闘していたので、撮影しながら拝殿をいっしょに一周。観客は私一人だった。(写真上) |
西細江(にしほそえ) 2年前の平成11年から大屋台と同じように「台場差し」を行うようになり、去年から練り棒(担ぎ棒)も丸型になった。伊達綱は紫に金糸。鉢巻と法被は紫で、シデは白が混じる紫と、紫づくし。乗り子の襦袢だけが赤い。練り子は、須加や中細江とは逆で、全員法被を羽織って担いでおり、統制がとれていて好感が持てる。 |
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次々に拝殿へ(中細江) |
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中細江(なかほそえ) 伊達綱は茶色に金糸で、昨年新調した。練り子の法被は赤だが、シデは赤に白が混ざっている。鉢巻と乗り子襦袢は臙脂色。須加と同様に、練り子全員がふんどし一丁で担いでいたのは、小屋台でここだけだった。男意気を感じ、頼もしく思った。幼い子もふんどしを締めていたのが良い。(写真01・08)
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港(みなと) 伊達綱と乗り子の襦袢を紺、シデと練り子の鉢巻・法被を水色で統一。海を表現しているのだろう。シデ方の法被の赤マルに港の赤文字は、非常に目立つが、スマートさを欠き、惜しまれる。(写真01・03・09) |
大浜(おおはま) 伊達綱が白いほかは、シデや乗り子の襦袢、練り子の鉢巻・法被は青で統一。
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台場差し |
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写真提供:蒸気機関車&播州の四季 |
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境内で屋台練り(港) |
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浜の宮天満宮に伝わる独特の屋台練りが「台場差し」だ。「サイテバ・チョーサー」の掛け声とともに、24人の差し手が約2トンの屋台を頭上高く持ち上げる豪快な荒技で、維持できる時間を競う。1855年に初めて行われたとされる。台場差しのあと屋台を受け止めるため、練り棒には、しなりのある丸棒の檜材が使用されている。台場差しの際は、本棒と本棒の間に渡された閂(かんぬき)を前後ともに取り外す。 |
本年8月23日浜の宮天満宮の「台場差し」が姫路市の重要無形民俗文化財に指定された。「台場差し」は、須加、宮、天神、西細江の4屋台によって拝殿前で披露される。 |
裸の美学 |
昔から日本人は、尻からげをして、ふんどしの前垂れや立褌(タテミツ)を見せて歩くことが粋で鯔背(いなせ)だという美意識があった。 |
播州の秋祭りでは、屋台を担ぐ錬り子の法被は短く、下半身が丸出しだ。法被も脱ぎ捨て、全員ふんどし一丁で担いでいる町もある。 |
錬り子以外の法被は少々長めだが、尻からげをしている人も多い。男達はみな意識してふんどし姿を見せている。播州の人々はその姿を頼もしく見守っている。 |
播州では古来からの美意識が脈々と受け継がれている。高温多湿の日本で育まれてきた裸の美学は日本独自の伝統文化であり、これからも後世に伝えて欲しい。 |
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肩の痛みに堪えて(南細江) |
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各屋台の宮入後、賑わいを見せる境内 |
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男のロマン |
観戦しているうちに、いつの間にかふんどしを締め込み、男たちと共に祭りに参加しているような錯覚にかられた。 |
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写真の男は、他人のそら似だろうか。 |
播州の秋祭りは、それほどに熱気があり、男たちを夢中にするロマンがある。 |
男たちは、仕事よりも優先する秋祭りの魅力を見失わない限り、これからもこの呪縛から逃れることはないだろう。 |
浜の宮天満宮の秋祭りは、その後に続く秋祭りの序章に過ぎない。播州の男たちが1年のうちで最も輝く日々が続く。(完) |
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