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旅紀行日本の裸祭り 

2010年3月13日改訂

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♪千年女王

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西大寺会陽(岡山市)

西大寺会陽

撮影:ちばあきお (2005.2.19)

2002年1月26日制作

日本三大奇祭とは、岡山市西大寺支所によれば、次の裸祭りをいう。

西大寺会陽(岡山) 黒石寺蘇民祭(岩手) 四天王寺どやどや(大阪)

 

岡山県重要無形民俗文化財

 裸祭りとして有名な西大寺会陽(さいだいじえよう)は、岡山市にある西大寺観音院で毎年2月の第3土曜日の夜に行われる。2005年(平成17年)は、2月19日に開催され、ふんどし一丁の男たち約9千人が真夜中の12時に投下される2本の宝木(しんぎ)をめぐって激しい争奪戦を繰り広げた。500年を超えて今に伝わる西大寺の勇壮な裸の夜祭りである。

西大寺

 西大寺は、金陵山と号し、千手観音(せんじゅかんのん)を本尊とする高野山真言宗所属の別格本山である。寺の創建は、天平勝宝年間(749-757)、周防国玖珂庄(くがしょう)(山口県玖珂郡)の住人藤原皆足(ふじわらのみたる)という女性が大和長谷観音(やまとはせかんのん)の霊験によって開基し、777年(宝亀8年)安隆上人(あんりゅうしょうにん)が長谷観音の霊夢により現在地に移したという。
 寺地が備前第一の大河である吉井川の河口に位置して交通の要地でもあったので、門前町が発達して座商人が各地から集まり、西大寺は備前南部における信仰、交易、商業の中心地として栄えた。
 しかし、戦国期に伽藍は2回炎上し、現在の本堂、三重塔、庫裏(くり)、方丈、仁王門、牛玉殿(ごおうでん)、大師堂などの諸堂はいずれも近世の建物である。正式の寺名は、金陵山西大寺観音院。(写真は会陽が行われる西大寺本堂)

会 陽

 会陽(えよう)とは、修正会(しゅしょうえ)結願(けちがん)行事の地域的名称である。岡山県以外でも香川県善通寺市の善通寺会陽などがあるほか、岡山県には岡山市・金山寺会陽、美作町・安養寺会陽、西粟倉村・岩倉寺会陽など多くの会陽がある。しかし、何といっても全国に名を知られているのが岡山市・西大寺会陽であり、1959年(昭和34年)岡山県により重要無形民俗文化財に指定されている。 

垢離取り

垢離取り

撮影:ちばあきお (2005.2.19)

拡大写真(1600x1000)315KB

 もともと西大寺会陽は、旧暦正月元旦から27日(にしちにち)つまり14日間続いた修正会結願の14日の夜半に行われていたが、1962年(昭和37年)からは、毎年新暦2月の第3土曜日に行われるようになった。
 深夜、西大寺観音院本堂大床(おおゆか 本堂外陣部の呼称)に参集した大勢の裸群の頭上に修正会のあいだ修せられた一対2本の宝木(しんぎ)が投下され、裸男たちがすさましい争奪戦を繰り広げる会陽は、近年も死者を出したほどに荒っぽい。
 以前は修正会結願の日の真夜中に御福窓から住職によって牛玉(ごおう)(右から西大寺、牛玉、宝印と書かれた紙の護符)が投下されていた。
 争奪戦が激化するにつれて、紙ではちぎれてしまうことから、室町時代の1510年(永正7年)、当時の住職であった忠阿上人(ちゅうあしょうにん)牛玉を木に巻き付けた宝木(しんぎ)に代え、今日の木札に至っている。この時初めて会陽(春の意の「陽」に会う)と名付けられたという。

スクラムを組んで走る裸衆

スクラムを組んで走る裸衆

撮影:ちばあきお (2005.2.19)

拡大写真(1600x1100)239KB

会陽ふんどし

 宝木争奪戦は誰でも参加できるので、地元民だけでなく、全国からお祭り男がやってくる。ふんどしなど必要な装具は当日現地で調達できる。相撲まわしよりは柔らかく晒しよりは固めの上まわしが5,000円ほどで売られているという。晒木綿をふんどしにしている人もいる。ふんどしは、全員並幅(約35cm)のまま前垂れ式に締め、横廻しを幾重にも巻いて解けないように工夫している。
 鉢巻は頭の後で結ぶ。鉢巻をしていない人も多い。白足袋は、テープを巻いて脱げないようにしている人もいる。それだけ激しい揉み合いがある。中にはふんどしが外れてしまう人もいるそうで、揉み合い中は回収できない。

裸祭りの概要

 結願当日は、西大寺の旧町内を南北二つに分けて、太鼓を打って時(午後9、10、11時)を知らせる触れ太鼓がある。 
 会陽に参加すべくふんどし姿になった人たちは、「わっしょい、わっしょい」というかけ声とともに山門より境内に入り、石門をくぐり、垢離(こり)取り場で身を清めた後、一旦本堂に詣でて千手観音を拝して、牛玉所大権現に詣で、本堂裏手を抜けて四本柱に至る。四本柱をくぐり抜けたあと本堂大床(おおゆか)で本押しに入る。
 身体が熱せられると垢離取り場に行き清水を浴び、牛玉所・四本柱・大床コースをたどり再度押し合いに加わる。御福窓の脇窓からは清水方(せいすいかた)が柄杓で水をまく。  
 現在は、テレビ放映や観光行事化されたため、午前零時丁度に宝木投下が行われる。時間に合わせて修正会結願の行法を終わり、山主(やまぬし 住職)及び職衆(お坊さん)は御福窓と脇窓に立つ。

投牛玉なげごおう

の投下
投牛玉の投下

撮影:ちばあきお (2005.2.19)

拡大写真(1200x798)195KB

 まず投牛玉(なげごおう)(枝牛玉(えだごおう)・串牛(くしご)・投牛(なげご)とも呼び、柳の細い木片5〜6本を一束にして小形の牛玉紙を巻き、紙縒(こより)で結んである。)が100束ほど投げられ、次に宝木(しんぎ)が投げられる。一対となった二本の宝木は護符である牛玉紙(ごおうし)に巻かれて同時に投下される。
 投下の瞬間は全ての明かりが消され、宝木が投下されると、その争奪戦は本堂大床(おおゆか)から徐々に境内へと移り、いくつかの渦と呼ばれるグループに分かれて揉み合いが繰り広げられる。なお、近年は宝木争奪戦は寺の境内に限定し、会陽奉賛会を通じないものは無効としている。
 「宝木が抜けたもよう」というアナウンスがあるまで、観音院ではもみ合いが続いている。2本目の宝木が何時抜けたのか分からず、アナウンスが1回だけで終わったり、全くアナウンスがないときもある。宝木がもはや境内にないことが分かると、もみ合っていた群衆は散り始め、裸祭りは終了する。
 宝木は、取り主(拾い主 最後に宝木を得た者)によって境内を抜け、宝木仮受所に指定されている西大寺商工会議所に持ちこまれると、白米を盛った一升桝で仮受けの後、検分役の寺僧が宝木削り(宝木の原木から宝木を削る行事)のときに切り放した元木と一升桝の宝木の木理(もくり 木目のこと)が合致するかどうかを判定する。真正なものであれば、取り主は晴れて福男に認定されるとともに、宝木は祝い主が用意した祝い込みの場所まで運ばれる。(近年、祝い主は、会陽奉賛会により事前に決められる。)
 寺から赴いた山主は、宝木を朱塗りの丸形の厨子に納め、祈願して祝い主に渡す。かくして宝木は祝い主のものとなる。祝い主は45cm×120cmの白い額行灯(がくあんどん 横長の額の形に似た行灯)に御福頂戴と大書し、山主(住職)や取り主などを迎えてお祝いをする。宝木は1年で御利益がなくなるわけではないが、祝い主は毎年会陽の始まる前に宝木を寺に持ち込んで祈祷を受け、新たな気持ちで年を迎えるという。

裸の交流

資料

 西大寺会陽に毎年出場している「林グループ」(林昭二郎代表、約40人)が、2003年2月15日夜から岡山市西大寺の西大寺観音院で開かれた会陽に岩手県の裸祭・蘇民祭(そみんさい)の保存会メンバーを招待。一緒に出場し、祭りの保存と盛り上げを目指して”裸の交流”を深めた。
 裸祭り同士の有効を図ろうと、林グループが1999年、岩手県各地で開かれている蘇民祭に参加して以来、交流が続いており、蘇民祭のメンバーが参加するのは二年連続三度目。
 招待された5人はいずれも岩手県内では名人クラス。林グループのメンバーと本堂横の四本柱付近で裸の渦に入ったリーダー格の会社員菊池長太郎さん(48)は「蘇民祭は個人技で西大寺はグループ戦術だが、ぜひ宝木(しんぎ)を狙いたい」。
 林グループは今回、還暦を迎えるメンバー6人が赤いまわしで出場。加えて、蘇民祭だけでなく、国府宮(こうのみや)神社(愛知県稲沢市)のはだか祭りのメンバーも招待していたが、13日の転倒事故で急きょ不参加が決まった。
 林グループの斎藤雅之さん(31)は「残念だが参加者の飲酒など抱えている問題は同じ。来年はぜひ参加してもらい、一緒に祭りの将来を考えたい」と話していた。(山陽新聞より抜粋)

 裸祭りの様子を描いた『備前金陵山西大寺会陽之図』は、江戸時代に作成されたもので、現在、国立歴史民俗博物館に保存されている。

 西大寺会陽では、約100束の串牛(くしご)と一対2本の宝木(しんぎ)9千人の裸男が争うので、手にする確率は宝くじよりも低い。一旦宝木を手にしてもラグビーのように大勢が奪いに来て押しつぶされるので、一人で持ち出すのは至難の業である。グループを作り、バトンタッチしながら、どこにあるか分からないようにするのがポイントだという。

 宝木を拾う福男になるには、よほどの運の良さと体力が勝負だ。宝木には地元のスポンサーにより賞金がついているそうで、争奪戦にも熱が入る。規模といい、内容といい、知名度といい、これはどう見ても天下の奇祭だ。

(写真は資料画像)

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