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はじめに |
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平成21年(2009)10月18日(日)、埼玉県さいたま市岩槻区釣上(いわつきく・かぎあげ)220に鎮座する釣上神明社(かぎあげ・しんめいしゃ)(高梨佳樹(たかなし・よしき)宮司)において、平成17年(2005)2月に国の重要無形民俗文化財に指定された「古式子供相撲土俵入り」が行われたので、密着取材した。 |
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【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
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JR武蔵野線・東川口駅北方2.3kmに位置する |
釣上神明社 |
(さいたま市高槻区釣上) |
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▲ JR中央線・西国分寺駅から武蔵野線に乗り換え、約30分で東川口駅に行き、そこからタクシーで北上し、2.3km約1400円の距離で釣上神明社(かぎあげ・しんめいしゃ)に着く。 |
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「奉献神明社廣前」の幟が立つ |
釣上神明社 |
の入口 2009.10.18 11:40 |
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▼ さいたま市岩槻区(旧岩槻市)の古式子供相撲土俵入りは、釣上(かぎあげ)地区の他に、笹久保(ささくぼ)地区でも行われており、この双方が平成17年(2005)2月21日に「岩槻の古式土俵入り」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。 |
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笹久保の方は、隔年で敬老の日の前日に行われる。今年は開催しない年に当たっていたが、9月20日(日)に土俵入りが披露された。開催年でないために神事が行われないということだったので、来年取材することにした。 |
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教育委員会による「 |
岩槻 |
の古式土俵入り」の説明 |
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▼ 釣上神明社(かぎあげしんめいしゃ)は、栄生(えいせい)2年(1505)、釣上村の大地主・中村家の屋敷神として勧請されたと伝えられており、その後、住民の信仰を集め、村の鎮守神(氏神)として崇められてきたという。 |
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主祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の別名である大日霎貴命(おおひるめむちのみこと)で、天手力雄命(あめのたぢからをのみこと)など四柱の神々を祀っており、500年もの星霜を重ねてきた神社である。 |
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300年を超える歴史を持つ「古式子供相撲土俵入り」は、地区の氏神である釣上神明社に子供たちの健やかな成長を願い、毎年、神明社例大祭の10月21日に奉納されていたが、現在は10月21日に近い日曜日となり、今年は10月18日(日)に開催された。 |
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子供のことを真砂子(まさご)ともいうことから「真砂子土俵入り」とも呼ばれ、「子供の土俵入り」とも俗称される。さいたま市教育委員会の説明では、行事名は「古式真砂子土俵入」となっている。保護団体は釣上神明社子供相撲保存会(橋本勇会長)であるが、祭礼は釣上神明社氏子総代会(森田邦利総代長)が主催する。 |
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▼ 釣上神明社(かぎあげしんめいしゃ)参道入口の南側に行司宿(ぎょうじやど)(やど)と呼ばれる磯野家があり、毎年土俵入りを奉納する子供たちの支度部屋になっている。 |
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参道の南に建つ行司宿の磯野家 |
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▼ 今年、古式子供相撲土俵入りを奉納する子供たちは、幼稚園児から小学6年生までの17名の元気な男児たち。12時に行司宿に集合し、前庭で裸になり、幅の狭い子供用の越中褌を締め、その上に化粧まわしを締めてもらった。 |
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行司宿・磯野家の前庭 12:20 |
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あきひなた けしょうまわしを しめるこら |
Broad daylight of autumn, children wearing ornamental sumo loincloths. |
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和やかな雰囲気でお爺さんやお母さんに自分の化粧廻しを締めて貰う子供たち
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▲▼ 子供たちが身につけている化粧廻しは、誕生を祝ってあつらえた専用のもので、表に名字が表示されている。日輪や鷹、虎、鯉など勇壮で縁起の良い柄を刺繍したものが多く、その豪華さ如何によって値段が決まるが、安いものでも20万円はかかり、高いものになると天井知らずという。 |
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紐の付いた前垂れの上端部に褌が縫いつけられた化粧廻し |
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▲▼ 化粧廻しは、紐の付いた前垂れの上端部に褌を縫いつけたもので、前垂れと褌とが一本の帯(おび)になっている大相撲の化粧廻しとは違って、着脱に便利なように工夫されている。前垂れの裾に鈴がつけられているので、動くと鈴の音が響く。男児を授かった親の喜びと愛情が代々豪華な化粧まわしに表されてきた。 |
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優しい磯野家のお爺さん |
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▲▼ 大相撲でも力士たちが化粧廻し(化粧相撲褌)を締めるときは、汚れないように白晒木綿の六尺褌か越中褌を締め、その上に化粧廻しを締めている。 |
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越中褌の上に細紐で前垂れを付ける |
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▲▼ 越中褌の場合は、両端の紐を一重に結び、立褌(たてみつ)を少し捩(よじ)って六尺褌と同じようにT字形にして、化粧廻しの褌の下に隠れるようにしているが、釣上では、越中褌の上にそのまま化粧廻しを締めている。 |
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化粧廻しの褌を締める |
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▲▼ 橋本くんにモデルになってもらい、化粧廻しの締め方を撮影した。化粧廻しの横褌(よこみつ)を臍(へそ)の上方に締めているため、越中褌の紐(横褌よこみつ)が見えないように上に寄せ、それに横褌を重ねていた。橋本くんの化粧廻しを締めているのは、磯野家のご主人。 |
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化粧廻しを締めた橋本くん(前姿) |
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化粧廻しを締めた橋本くん(後姿) |
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▼ 赤い紋付襦袢(もんつき・じゅばん)を羽織った子供たちがリーダーの6年生を囲んで円陣を組んだ。土俵入りのポイントを復唱し、最後のおさらいをしたあと、気合いを入れた。豆力士たちの頼もしい出陣式である。 |
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円陣を組んで気合いを入れる豆力士たち 12:45 |
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▼ 午後1時から神明社の拝殿において、釣上神明社氏子総代会や釣上神明社子供相撲保存会など例大祭の関係者が出席して、神事が行われた。背広姿で出席していた行司役の金子友和さんは途中で退席し、行司宿で行司の装束に着替えた。 |
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