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岩槻の古式土俵入り |
さいたま市 篠岡八幡大神社・釣上神明社 2012年9月15日 国指定重要無形民俗文化財 |
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さいたま市岩槻区(旧岩槻市)の古式子供相撲土俵入りは、釣上(かぎあげ)地区と笹久保(ささくぼ)地区で行われており、この双方が平成17年(2005)2月21日に「岩槻の古式土俵入り」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。 |
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▲ スライドショーCD写真集「岩槻の古式土俵入り」は、両地区の土俵入りが納められており、貴重な記録となっています。179枚、上映時間17分。(1枚2000円 リピーター価格:1枚1500円)) 日本の祭りCD・DVD写真集 |
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YouTube 岩槻の古式土俵入り(抜粋縮小版) |
↓画像をクリックするとスライドショー動画が始まります。 |
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はじめに |
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平成24年(2012)9月15日(土)、埼玉県さいたま市岩槻区笹久保(いわつきく・ささくぼ)810に鎮座する篠岡八幡大神社(しのおかはちまん・だいじんじゃ)(久伊豆神社馬場裕彦宮司)において、平成17年(2005)2月21日に国の重要無形民俗文化財に指定された「笹久保の古式子ども土俵入り」が行われたので、密着取材した。 |
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【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
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篠岡八幡大神社 |
の位置 |
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資料:笹久保の古式子ども土俵入り保存会
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▼
さいたま市教育委員会を介して保存会から取材許可を取り、埼玉高速鉄道・浦和美園(うらわみその)駅からタクシーに乗り、子供たちが午後1時から準備を始める笹久保公民館に行った。 |
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Googleマップ
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▲▼ 笹久保公民館は埼玉高速鉄道・浦和美園駅北方2kmに位置し、観音院吉祥寺の中にある。集合時刻の30分前に到着したが、誰も来ておらず、開催日を間違えたのではないかと不安になったほど。浦和美園駅は、サッカーJリーグが開催される埼玉スタジアム2002(さいたますたじあむ・にまるまるに)への最寄り駅である。 |
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笹久保公民館 2012.09.15 12:30
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▼
さいたま市岩槻区(旧岩槻市)の古式子ども相撲土俵入りは、釣上(かぎあげ)地区と笹久保(ささくぼ)地区双方が平成17年(2005)2月21日に「岩槻(いわつき)の古式土俵入り」として国の重要無形民俗文化財に指定された。 |
釣上(かぎあげ)地区は毎年行われ、平成21年(2009)10月18日(日)に取材し、釣上古式子供相撲土俵入
として発表した。笹久保地区は隔年開催で、敬老の日(9月第三月曜日)の前日に行われることになっており、2012年は前々日の9月15日(土)に行われた。 |
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教育委員会による「 |
岩槻 |
の古式土俵入り」( |
釣上 |
区)の説明 |
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同じ「岩槻の古式土俵入り」だが、釣上地区は「釣上の子ども相撲土俵入り」、笹久保地区は「笹久保の古式子ども土俵入り」と称している。それにあわせて、両者の保持団体の名称も「釣上の子ども相撲土俵入り保存会(橋本勇会長)」「笹久保の古式子ども土俵入り保存会(遊馬甫(あそま・はじめ)会長)」と微妙に表現が違っている。また、衣装や所作の細部においても違いがあり、それぞれ独自性を固持している。 |
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子供たちが一斉に集合 13:08
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▲▼ 教育委員会の説明どおり、子供たちや父母、役員などが午後1時前後に現れ、衣装箱などが公民館に搬入され、間違いなくこの日に土俵祭が開かれることが分かり、安堵した。(笑) |
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搬入された土俵入の装束
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▼ 子供たちが用意するのは褌(ふんどし)だけで、そのほかの装束は、保存会が用意したものを用いる。写真下がお母さんが手縫いで用意した褌で、遊馬(あそま)会長によると、地元では「いっちょうふんどし」と呼ばれる畚褌(もっこふんどし)である。 |
畚褌は、土石を運ぶ畚(もっこ)に似ているために名付けられた褌で、前垂れのない越中褌である。前垂れ部に紐通しを設け、そこに紐を通し、体側で紐を結ぶ。最小の布でできるので、最も経済的な褌である。 |
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▼ 今年の土俵祭(どひょうまつり)に参加する子供たちは、小学6年生以下22名で、最年少は、年中組園児の中村さとしくん(5歳)。遊馬(あそま)会長の第一声は、「みんなふんどしを締めてきたか!」だった。 |
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総勢22人の点呼を取る |
遊馬甫 |
会長(行司役) 13:14 |
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▲▼ 点呼の後、更衣が始まった。子供たちが身につける褌は、赤・紫・白の三色に色分けされている。化粧廻しの色に合わせたもので、赤が子役(コヤク)の初級者(定員21名)、紫が手合(テアイ)の中級者(定員8名)、白が亀能(カメノウ)の上級者(三役)(定員3名)を表す。定員は合計32名なので、子役が10名不足している。 |
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▼ 褌は、自宅で締めて来るようにと云われていたようだが、この場でお母さんに締めてもらう子もいた。写真下のように、畚褌は紐が縫い付けてある方が後部だが、前後を間違っている子も散見された。 |
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お母さんに子役(コヤク)の赤いふんどしを締めてもらう/初級者
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白いふんどしを締めた亀能(カメノウ)の三役/上級者 |
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化粧廻し |
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▼ 化粧廻しは、紐の付いた前垂れの内側上端部に細長い褌を縫いつけたもので、前垂れと褌とが一本の帯(おび)になっている大相撲の化粧廻しとは違って、着脱に便利なように工夫されている。前垂れの裾に鈴がつけられているので、動くと鈴の音が響く。 |
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子役の赤い化粧廻し |
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▲▼ 大相撲でも力士たちが化粧廻し(化粧相撲褌)を締めるときは、汚れないように白晒木綿の六尺褌か越中褌を締め、その上に化粧廻しを締めている。
越中褌の場合は、両端の紐を一重に結び、立褌(たてみつ)を少し捩(よじ)って六尺褌と同じようにT字形にして、化粧廻しの褌の下に隠れるようにしている。 |
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紐で化粧廻しの位置を固定する 13:26 |
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▲▼ しかし、岩槻(いわつき)の古式土俵入りでは、釣上(かぎあげ)地区では越中褌、ここ笹久保地区では畚褌の上にそのまま化粧廻しを締めている。 |
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最年少5歳の幼児も小さな化粧廻しを締める |
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化粧廻しをつけてはしゃぐ子役たち
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紫の化粧廻しを締める手合
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▼ 化粧廻しのあと、赤い襦袢(じゅばん)を羽織る。衣装箱には、「共用襦袢」と表示されている。その横には、「フンドシ、タビ、袴」と表示された衣装箱もあり、かつては褌も共用されていたのだろう。 |
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衣装箱から襦袢を取り出す亀能
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襦袢は、役柄に関係なく、どれも同じような赤い花柄地で、黒い襟に白く小若と表示されている。背中には、大きな神紋(中輪に五三根笹)が刺繍されている。笹久保の笹がモチーフになった神紋である。 |
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艶やかな襦袢を羽織った亀能たち
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むらずもう けしょうふんどし あかじゅばん |
Village sumo, the ornamental loincloths and red
under-kimonos. |
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役員たちの身支度
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神紋(中輪に五三根笹)を刺繍した襦袢
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▼ 子供たちは、着替えの手荷物を持ち、玄関で草履(ぞうり)を履いて外に出た。草履は、どれも赤い鼻緒がついており、亀能(カメノウ)の三役だけが大人と同じ白い鼻緒の草履を履く。 |
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