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2004年11月23日(火)、三重県鳥羽市(とばし)国崎町(くざきちょう)に鎮座する海士潜女神社(あまかずきめじんじゃ)の二船祭り(にふねまつり)を見に行った。JR鳥羽駅バスターミナルから40分足らずで、終点の国崎漁港に着く。 |
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海士潜女神社
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海士潜女神社は、毎年伊勢神宮に鮑(あわび)や熨斗鮑(のしあわび)を献上している鳥羽・国崎の漁師たちの氏神である。 |
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この神社には、伊勢神宮に熨斗鮑をはじめて献上したと伝えられる海女(あま)・お弁が蜑(海女)御前(あまごぜん)として祀られており、地元の海女たちの厚い信仰を受け、潜水作業のめまい除けに訪れる人があとを絶たないという。 |
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上部中央(南)に大王埼を望む。その奥が熊野灘で、素晴らしい景観が広がる。 |

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水揚げ中の漁師たち |
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伊勢海老の検量(鳥羽磯部漁協国崎支所) |
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紀伊半島の東端、三重県中央部で太平洋に突出した台形の志摩半島。その東端にある鎧崎の付け根に国崎町がある。東に遠州灘を望むこの地は、沖行く舟人にとって航海の難所として恐れられ、船頭たちは「伊勢の神崎(かんざき)、国崎(くざき)の鎧(よろい)、波切大王(なみきりだいおう)なけりゃよい」と、神崎(埼)、鎧崎(埼)、大王崎(埼)が海の三大難所であることを語り継いできた。 |
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二船祭りが行われる鎧崎の浜 |
国崎漁港から500mほど離れた鎧崎の浜で二船祭りが行われる。中央の小高い山の奥(北)に鎧埼燈台が立つ。北に伊良湖岬を、東(右)に遠州灘を望む。 |
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倭姫命(やまとひめのみこと)*が伊勢・五十鈴川のほとりに天照大神の御鎮座を終えて、舟で志摩地方を巡幸さ
れたとき、国崎の鎧崎で海女が潜っているのを見られた。そのとき、「その貝は何というのか。」とお聞きになり、その海女(お弁)が「これは鮑(あわび)と申します。大層おいしい貝です。」と申し上げると、ご賞味された。 |
倭姫命はいたく感動し、「毎年伊勢神宮に献納してほしい。」と言われた。また、お弁が「生のままでは腐るので薄く切り乾燥させて貯蔵します。」と申し上げると、それも献納するように言われた。これが熨斗鰒(鮑)(のしあわび)の起源で、以来、国崎の漁師たちは、今でも6月、10月、12月の3回、熨斗鮑を伊勢神宮に献納しているという。 |
* 倭姫命:720年に完成した日本最初の編年体の歴史書「日本書紀」の垂仁朝(すいじんちょう)に語られる伊勢神宮起源譚の主人公。垂仁天皇の娘で日本武尊(やまとたけるのみこと)のオバにあたる。 |
毎年7月1日の海士潜女(あまかずきめ)神社の大祭には、伊勢神宮から舞姫が見え、舞を奉納されるという。 |
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幸せの歌碑
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鎧崎の浜のそばに「幸せの歌碑」が立つ。平成15年(2003)11月8日秋篠宮ご夫妻と眞子さまが海女のふるさと国崎町をご訪問され、海女の作業と熨斗鮑造りをご覧になり、親しく歓談された。 |
平成16年(2004)新春恒例の「幸」をお題とした「歌会始めの儀」で紀子さまがそのときのご感動を歌にされた。 |
幸 |
藻場(もば)まもる国崎(くざき)の海女(あま)ら晴ればれと得(え)し海幸(うみさち)をわれに示せり |
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鎧埼燈台の登り口に木製の鳥居があり、鳥居を挟んで幸せの歌碑とトタン造りの鮑とりの海女小屋がある。 |
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鎧崎の荒波と太公望たち
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穏やかな日にも遠州灘から押し寄せる波浪が岩場に砕け、白波が大きく広がる。太公望たちは海の脅威に晒されながらも果敢に棹を出し、大物を狙っていた。 |
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二船祭りは、海女の祖を祀る海士潜女(あまかずきめ)神社の祭礼で、国崎(くざき)の谷を挟んで、里谷(さとたに)地区と海間谷(かいまたに)地区に別れ、古代装束を身にまとった青年男子が2隻の手漕ぎ船に5人ずつ乗り組んで速さを競い合い、その勝敗によって豊漁を占う神事である。 |
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安全豊漁祈願祭
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11月23日午前10時、海士潜女(あまかずきめ)神社拝殿で、古式に則った二船祭りの神事がはじまった。 |
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拝殿には、国崎漁協組合が奉納した巨大な鮑の殻が飾られている。そのそばには常陸宮同妃殿下、秩父宮妃殿下、高松宮同妃殿下、三笠宮同妃殿下などの皇族方がお見えになった際に玉串料を賜ったお札がある。 |
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二船祭りの白い舟 |
二船祭りの主役を演じる若者たちは、神社で式典が行われている間に、神事の船漕ぎ競争に使われる神聖な白い船体の和船を鎧崎の浜に引き揚げ、藁束(わらたば)を座席に結わえるなど、祭りの準備をしていた。 |
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神事の船を準備する男たち |

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出番を待つ二船 |

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