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▲ 管弦は唐の時代に中国から日本に伝えられたため、唐楽(とうがく)ともいい、壱越調(いっこちょう)・平調(ひょうじょう)・双調(そうじょう)・黄鐘調(おうしきちょう)・盤渉調(ばんしきちょう)・太食調(たいしきちょう)の六つの調子があるという。 |
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今回は、平調(ひょうじょう)の唐楽を打楽器と管楽器のみで演奏した。曲目は「平調 音取(ひょうじょうのねとり)」と「陪臚(ばいろ)」の二曲。前者は楽器の音律を整えるとともに演奏の雰囲気をつくるための短い曲。後者は、陪臚破陣楽(ばいろはじんがく)とも呼ばれる有名な武舞(ぶまい)の曲。この曲は武人の間で愛好され、中でも八幡太郎義家は出陣毎にこれを奏して士気を高め、大勝を得たという。 |
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あきめくや なそりのかざす ぎんのばち |
Early autumnal air, Nasori the dancer raising a silver drumstick. |
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▲▼
解説者によると、舞楽 dance music には中国系の左舞(さまい)(唐楽 とうがく/からがく)と朝鮮系の右舞(うまい)(高麗楽 こまがく)、日本古来の国風舞(くにぶりまい)の三種があるという。左舞は約30曲、右舞は20余曲あり、舞の形式や内容によって、文舞(ぶんまい)、武舞(ぶまい)、走舞(はしりまい)、童舞(どうまい)などに分類される。今宵は、納曽利(なそり)と胡蝶(こちょう)が奉納された。 |
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▲▼
納曽利(なそり)は高麗楽(こまがく)・走舞(はしりまい)に当たるもので、名称の由来は不明だが、朝鮮の地名からつけられたものといわれている。舞人(ぶにん)は、長い牙のついた恐ろしい獣の面をつけ、青地金襴(あおじ・きんらん)の帽子をかぶり、右手に細い銀の桴(ばち)を持つ。通常は二人で舞うが、ときには一人のこともある。 |
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▲ 納曽利(なそり)の所作は、二匹の龍が楽しげに舞い踊る様子をあらわしたもので、元気があって面白く、活発な中にもどこか荘重(そうちょう)な感じのある深い舞である。なお、納曽利(なそり)と陵王(りょうおう)は、番舞(つがいまい)となっている。 納曽利(なそり)の曲目解説 |
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すべての楽曲は対応する左右に分けられており、これを番舞(つがいまい)と呼ぶ。左楽(さがく)は、唐楽(とうがく / からがく)といい、赤の装束を着用する。これに対して右楽(うがく)は、高麗楽(こまがく)といい、緑の装束になる。 |
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▲▼
蝶々が舞い遊ぶさまを表現した胡蝶(こちょう)は、高麗楽(こまがく)・童舞(どうまい)当たるもので、宇多上皇(うだじょうこう)(867-931)が童相撲を御覧のときに、藤原忠房(ふじわらのただふさ)が楽を付け、宇多上皇の第八皇子・敦実親王(あつみしんのう)(893-967)が舞を作ったといわれている。 |
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▲▼ 舞人は、絹白地の袴の上に、緑系統の地色に蝶を散らした尻長の紗(さらさ)の袍(ほう)を着て、手には山吹(やまぶき)の枝を持つ。足には絲鞋(しかい)を履き、背と胸に牛革又は重ね貼りした和紙に胡粉(ごふん)を引き、紅や緑青で蝶の羽を描いた翼と胸当てをつける。 |
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頭に鍍金(めっき)した唐草模様の宝冠(雅楽では、山形の額飾りと側頭部に二本の剣形の飾りを備えた金属製のヘッドバンド)をつけて二本の山吹の枝をはさむ。図画資料では、髪は下の輪のみの角髪に結うことが多い。化粧は稚児と同様の白塗りの厚化粧が原則となるが、しない場合や薄化粧の場合もある。 |
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源氏物語の「胡蝶」などを見ると、宴会の際に、この衣装をつけさせた童子に舟を漕がせることなども行われていたようである。 |
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資料:フリー百科事典 |
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▲▼ 現在、童舞(どうまい)は、右舞(高麗楽)の「胡蝶」と左舞(唐楽)の迦陵頻(かりょうびんが)の二曲のみが伝承されており、舞は可愛らしく、可憐である。 |
ちなみに、迦陵頻(かりょうびんが)(左図)は、上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物。サンスクリットの kalavinka の音訳。阿弥陀経では、共命鳥とともに極楽浄土に住むとされる。 |
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