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昨日、21人目の同志となられた志村清貴さん撮影・原作の感動写真集/第69集「江戸っ子!三社祭」をアップした。この作品は暴力団が参加するためマスコミから無視されている西浅三北神輿を追ったもので、ありのままの三社祭をダイナミックに描いたものである。11頁大小100枚にのぼる大作になったが、Wa☆Daフォトギャラリーの数多くの感動巨編の中で、自信を持ってお送りする問題作である。 |
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三社祭の花形「西浅三北神輿」 |
西浅三北(にしあさ・さんきた 西浅草三丁目北部)町会の神輿は、白半纏と黒半纏が左右に分かれて担ぎ、褌をキリリと締めた入墨姿の裸たちが担ぎ棒の前後に上がって祭りを盛り上げることで知られ、三社祭の花形神輿として人気が高い。所属がどこであれ、だれもが役半纏の指示に従い、車の両輪のように白黒協調して神輿を担いでいる。 |
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撮影:和田義男 |
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暴力団が参加する神輿 |
この町会には、指定暴力団住吉会系の高橋組と中村会の二つの事務所があり、白半纏は一般の氏子関係者800人、黒半纏は高橋組と中村会の氏子関係者1000人である。高橋組は遅くとも昭和23年(1948)ころには丸金(まるきん)の半纏で祭りに参加していたという。 |
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観音堂の花道 |
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マスコミの報道自粛 |
暴力団が関与するイベントは報道しないというマスコミの倫理規定により、西浅三北神輿は無視され続け、未だに三社祭の最大の魅力が報道されていない。このような報道自粛は、ときとして真実を国民に伝えず、誤った認識をもたらす弊害がある。今回「事実をありのままに切り取る」ことをコンセプトとしているWa☆Daフォトギャラリーであればこそ、この過ちを正すことができるものと信じて制作した。 |
土煙の中の裸神輿 / 観音裏広場 |
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撮影:和田義男 |
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入墨を継承する氏子たち |
三社祭で、彫師「彫長」にお世話になった氏子たちが記念写真を撮った。この人たちは、暴力団とはまったく関係ない白半纏の人々。彫師は生体の芸術家で、特に背中が腕の見せ所という。入墨を近くで見れば見るほど本当に美しい。日本の入墨は、世界に誇る生きた芸術で、海外での評価は高い。 浅草二代目彫長 |
彫長の入墨をした氏子たち |
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幻想的な宵宮の裸神輿 |
宵宮のライトアップされた三北神輿はとても幻想的で、闇の中に浮き上がって見える。神輿の前後にそれぞれ前一人・後二人の定番フォーメーションをとり、白褌をキリリと締めて入墨を誇示する裸形の男たちが担ぎ手たちの最後の力を煽(あお)っている。日中とは違った独特の雰囲気があり、まるで江戸時代からタイムスリップしたかのようである。 |
白褌一丁の男たち / 宵宮 |
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警察の過剰警備 |
写真下は、去年の本社神輿三之宮の渡御に警視庁第9機動隊が出動し、過剰警備をしたときのもの。志村さんによると、三之宮の前後に警備車両を入れて、指揮官は神輿に上がった者を「検挙だ!検挙しろ!」と大音量のスピーカーから何度も号令し、機動隊員が三之宮を取り囲み、神輿の動きや担ぎ手の出入りを規制し、小隊長や中隊長が指揮棒で担ぎ手を叩いたりしているのも目撃したという。 |
これは過剰警備というほかはなく、祭りの雰囲気を破壊するものである。氏子が神輿に上がるのは違法行為であるはずもなく、9機の隊長はどのような違反で検挙しろと叫んだのだろうか。氏子たちが祭りを妨害する機動隊に抗議し、それに対して公務執行妨害というようなことで、検挙しようと思ったのだろうか。現場を見ていないので分からないが、そもそも機動隊が公道の行事許可を受けて行進している神輿を取り囲むこと自体信じられないことである。 |
機動隊が出動した2005年の本社神輿渡御 |
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祭りの後、過剰警備と感じた氏子が警視庁ホームページにある「警視庁業務に対するご意見ご提案」に直接メールで苦情を申し立てた。その効果かどうかは分からないが、今年は去年のような過剰警備はあまり感じられなかったが、決して静かで穏やかな警備になったわけではなく、機動隊は相変わらず出動し、遠巻きに監視しているという。 |
最初、機動隊車輌が祭りに繰り出したことを示すこの写真を作品に掲載していたが、志村さんが当時の機動隊の横暴を思い出す忌まわしい写真だといわれるので、掲載を断念した。 |
志村さんは、「人それぞれに境遇の違いがあっても、同じ町会に暮らす氏子たちが、今年も無事に三社祭に参加できたことを神に感謝し、同じ神輿を心おきなく担いでその喜びを分かち合いたい。」と願っておられ、このささやかな願いは、誰に憚ることもないものである。 |
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撮影:K. I. |
拡大写真(1400x1000)234KB |
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長くなってしまったが、作品に十分紹介できなかった私のこの祭りに寄せる熱い思いを徒然日記で補足させて頂いた。お時間のあるときに、じっくりとご覧いただき、江戸時代から受け継がれてきた男の粋を追求する裸祭りのロマンと感動をたっぷりと味わっていただければ幸いである。 |