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 旅紀行日本の裸祭り

2018年1月25日改訂

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千年女王〜海のアラベスク〜海に帰る〜氷湖〜水の都〜精霊
旅と写真は元気の泉

感動の裸祭CD完成!

篦鮒を小川に帰へす秋の浜   北舟
 

Autumnal beach, releasing a crucian carp to the small stream.

2018年1月25日制作

命之魚(篦鮒)を小川に放流/神輿先供係(静岡県磐田市福田浜)

拡大写真(2400X1800)935KB

命之魚(篦鮒)を小川に放流/神輿先供係(静岡県磐田市福田浜)

国指定重要無形民俗文化財

神紋:八弁菊   矢奈比賣天神社   神紋:剣梅鉢

見付天神裸祭'17

 

福田浜

撮影・制作 和田義男

 

はじめに

 
 平成29年(2017)9月18日(日)から24日(日)までの8日間、静岡県磐田市(いわたし)に鎮座する矢奈比賣天神社(やなひめてんじんしゃ)において、700年余の伝統を有する見付天神裸祭(みつけてんじんはだかまつり)が開催された。事前に 見付天神裸祭のご案内 により「見付天神裸祭全国連和田グループ第九期」を募集し、9月20日(水)の浜垢離(はまごり)に 3人(茨城1・東京1・愛知1)、9月23日(土)24日(日)の御大祭(ごたいさい)に 5人(茨城1、東京4)が参加した。
 
       使用機種:OLYMPUS OM-D E-M1 MarkII + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

【凡例】
 
▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 ●:筆者の私見 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示
静岡県

磐田市

衛星画像 1/2

静岡県磐田市の衛星画像1/2

画像:Google Earth
 

磐田市いわたし

 
▲▼ 164km2の市域に17万人が暮らす磐田市は、静岡県西部・天竜川の東側に隣接し、律令時代以降、遠江国(とおとおみのくに)の国府・国分寺が置かれた古代の政治文化の中心都市であり戦国時代から江戸時代にかけては、東海道五十三次の宿場町である見附宿(みつけじゅく)として栄えた。
 昭和15年(1940)磐田郡見付町(みつけちょう)・中泉町(なかいずみちょう)・西貝村(にしがいむら)・天竜村(てんりゅうむら)が合併して磐田郡磐田町が発足昭和23年(1948)に市制が施行され平成17年(2005)には磐田市と磐田郡竜洋町(りゅうようちょう)、福田町(ふくでちょう)、豊田町(とよだちょう)、豊岡村(とよおかむら)が合併して現在の磐田市となった
 東海道本線敷設に際して当時繁栄していた見付町の住民が家畜に影響が出ると考えて反対したためその南の中泉町に中泉駅が設置され、磐田町に合併後は磐田駅となって発展した。現在、磐田市はオートバイメーカーのヤマハ発動機や自動車メーカーのスズキの企業城下町で2016年、五郎丸でブレイクしたラグビーのトップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロとサッカーのJリーグ・ジュビロ磐田の本拠地として知られる
静岡県

磐田市

衛星画像 2/2

静岡県磐田市の衛星画像 2/2

拡大写真(1400x1050)260KB 画像:Google Earth
 

見附宿みつけじゅく

 
▲▼ 見附宿(みつけじゅく)旧東海道の宿場で、東海道五拾三次の江戸から数えて28番目、京から数えて26番目にあたり、現在の静岡県磐田市の中心部に位置する。「見附」の名は、京から江戸に下る途中、旅人が初めて富士山を見付けることができる場所であったことから付けられたといわれる。
東海道五拾三次之内 見附 / 歌川廣重 画

東海道五拾三次之内 見附 / 歌川廣重 画

拡大写真(1380x900)260KB

▲ 10世紀に遠江国の国府が置かれ、鎌倉期には国衙*(こくが)と守護所**(しゅごしょ)が置かれたことから、中世の東海道屈指の規模を持つ宿場町となった。
 天竜川の左(東)岸にあたるが大井川と違って水深があったため主に舟が使われており大井川ほどの難所ではなかった。しかし、川止めのときは、島田宿などと同様に、足止めされた人々で賑わった。また、遠江国分寺や見附天神の門前町であり、姫街道***(ひめかいどう)の分岐点でもあった。
*国衙(こくが):日本の律令制において国司が地方政治を遂行した役所が置かれていた区域
**守護所(しゅごしょ):中世日本において守護が居住した館の所在地
***姫街道(ひめかいどう):主要街道の別ルート(人通りが少なく、犯罪に巻き込まれる可能性が少ない街道)
見付天神裸祭「

御大祭

」会場の衛星画像

見付天神裸祭「御大祭」会場の衛星画像

画像:Google Earth

見付天神裸祭みつけてんじんはだかまつり

▲▼ 磐田市の中心部に位置する見付宿場通り(みつけしゅくばどおり)(旧東海道)一帯は江戸時代に東海道五拾三次の見付宿(みつけじゅく)として栄えた宿場町である。国指定重要無形民俗文化財の見付天神裸祭は8日間にわたって行われる矢奈比賣(やなひめ)神社(見付天神)の秋の例大祭でその最大の見所が毎年旧暦8月10日の直前の土日に催行される御大祭(ごたいさい)と、その3日前に行われる浜垢離(はまごり)で、今年は、浜垢離が 9月20日(水)、御大祭が9月23日(土)24日(日)に開催された。
  
 ちなみに平成30年(2018)の御大祭は、9月15日(土)16日(日)か9月22日(土)23日(日)となる。(鈴木保存会会長によると、来年の旧暦8月10日が水曜日になるため、今のところ未定という。)

矢奈比賣神社(見付天神)公式サイト  見付天神裸祭保存会公式サイト

見付天神裸祭「

浜垢離

」会場の衛星画像

見付天神裸祭「浜垢離」会場の衛星画像

画像:Google Earth
 見付天神裸祭は、矢奈比賣(やなひめ)神社(見付天神社)の女神・矢奈比賣が遠江国の総社である淡海国玉神社(おうみくにたまじんじゃ)の男神大国主命(おおくにぬしのみこと)のもとへ一夜の逢瀬を楽しむために神輿渡御する祭である。渡御に先立ち、褌(ふんどし)腰蓑(こしみの)姿の裸衆が道中練りと称して町中を練り歩き、拝殿で鬼踊りと称して乱舞することから裸祭と呼ばれる。
 女神が渡御する姿を見られたくないとの思いからか、神輿渡御の際は、沿道の全ての照明が落とされ、暗闇の中で密かに渡御が行われる。現在でもこれらの神事が厳しく護られていることが国の重要無形民俗文化財に指定された大きな要因となっている。
見付天神と愛称される

矢奈比賣天神社

/静岡県磐田市

見付天神と愛称される矢奈比賣天神社/静岡県磐田市

拡大写真(2000X1500)338KB
平成29年(2017)見付天神裸祭ガイドブック表紙

平成29年(2017)見付天神裸祭ガイドブック表紙

拡大写真(1120x1600)375KB 資料:見付天神裸祭保存会
▼ 筆者の手元には「はだかまつり」という表題の見付天神裸祭ガイドブックがある。初出の平成19年版以来、平成29年版まで11巻を数える見付天神裸祭ガイドブック編集委員会によるものだが実質的には浜松市のデザイン会社に依頼しており、とても洗練された内容で、さすがプロの仕事だと思う。(ガイドブックには、筆者の写真が数多く使われている。)
平成29年(2017)見付天神裸祭日程表

平成29年(2017)見付天神裸祭日程表

拡大写真(1800x1300)488KB 資料:見付天神裸祭保存会

浜垢離はまごり

 
▼ 平成29年(2017)9月20日(水)、日帰りで静岡県磐田市(いわたし)で行われた見付天神裸祭の浜垢離(はまごり)を密着取材した。朝4時起きしてJR青梅線の電車で河辺(かべ)駅から東京駅に出て、07:03発新幹線ひかり461号(2号車)で浜松駅まで行き、東海道線で磐田駅に着いたのが08:50だった。 時間がないので新幹線のトイレの中で六尺褌を締めた。(笑)

車窓から見た夏の富士山 / 新幹線ひかり461号 2017.09.20 07:52

車窓から見た夏の富士山 / 新幹線ひかり461号 2017.09.20 07:52

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  ▼ 駅前からタクシーで見付天神裸祭保存会の福代陽一(ふくよ・よういち)さん宅(カットサロン小西)に行き慌ただしく取材準備を整えたのち、今年の輿番・東中区地脇(じわき)のバスに便乗させて頂き、遠州灘(えんしゅうなだ)福田海岸(ふくでかいがん)に向かった。  

往時を偲ばせる舟形屋台

往時を偲ばせる舟形屋台

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地脇地区の集合場所「見付交流センター」 09:15

地脇地区の集合場所「見付交流センター」 09:15

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貸し切りバスで見付交流センター前から 福田(ふくで) 海岸に向かう 輿番(こしばん) の地脇町(じわきちょう) 09:20 

貸し切りバスで見付交流センター前から 福田(ふくで) 海岸に向かう 輿番(こしばん)  の地脇町(じわきちょう) 09:20 

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輿 番こしばん

 
▲▼ 神輿渡御の際に神輿を担ぐ輿番という大役は、東区・権現町(ごんげんちょう)権現と東中区地脇町(じわきちょう)地脇の二つの祭組が交互に分担しており、今年は地脇が輿番である。烏帽子(えぼし)・白丁(はくちょう)・腹巻・褌(ふんどし)・白足袋(しろたび)・草鞋(わらじ)という装束が義務づけられている。
 天神様の神輿は輿番しか担ぐことができないので輿番は裸祭の主役であり、栄誉職である。御大祭当日暗闇の中を渡御する際には裸っぽたちが神輿に触れないよう東区・富士見町元門車(げんもんしゃ)が〆切りとして神輿の後部をガードする。輿番はそれほどの特権を持つ役職なのである。

神輿渡御の指揮者・山内敏昭 輿責任者の挨拶 

神輿渡御の指揮者・山内敏昭 輿責任者の挨拶

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浜垢離会場の遠州灘・福田海岸

浜垢離会場の遠州灘・福田海岸

拡大写真(3000X1900)1.17MB

松原の神事が行われる斎場に向かう輿番たち 10:00

松原の神事が行われる斎場に向かう輿番たち 10:00

拡大写真(3000X2000)1.17MB

 

松原放生会祭まつばらほうじょうえさい

 
▼ 午前10時15分頃から遠州灘に面する磐田市福田(ふくで)海岸の松原に注連縄を張り巡らした斎場(さいじょう)で「松原の神事」と呼ばれる「松原放生会祭(まつばら・ほうじょうえ・さい)」が始まった。

挨拶する見付天神裸祭保存会・鈴木会長 10:10

挨拶する見付天神裸祭保存会・鈴木会長 10:10

拡大写真(2050X2000)736KB

▲▼ 見付天神に向けた祭壇を囲み氏子28ヵ町の神社総代(見付天神三社崇敬者会)と烏帽子(えぼし)・白丁(はくちょう)姿の先供(さきとも)と呼ばれる神輿先供係(みこしさきともがかり)や宮神輿を担ぐ輿番(こしばん)たちがコの字型に陣取った。

松原放生会祭/遠州灘福田海岸(静岡県磐田市) 10:14

松原放生会祭/遠州灘福田海岸(静岡県磐田市) 10:14

パノラマ写真(3000X1550)0.98MB

久野宮司による祝詞奏上 10:15

久野宮司による祝詞奏上 10:15

拡大写真(3000X2250)1.38MB
▲▼ 祭壇は神が降臨する神籬(ひもろぎ)となる松の木の根元に鉾を立て先供と輿番の浜印(はまじるし)(幟)が束ねられその手前に小唐櫃(こからびつ)を据えその上に八足机(はっそくづくえ)が二台置かれたものである。
神職と先供係の玉串奉奠 10:18

神職と先供係の玉串奉奠 10:18

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▲▼ この神事は神宝(しんぽう)(神社の宝物や調度品)を祓い清めることと、命之魚(みょうのうお)を放つことにより殺生(せっしょう)の罪を祓い清める放生(ほうじょう)が目的である。神職二名により献饌(けんせん)と命之魚の献上が行われた後 久野隆(くのたかし)宮司(51歳)による祝詞(のりと)奏上・玉串奉奠(たまぐしほうてん)に続き、氏子総代と見附天神裸祭保存会長による玉串奉奠が行われた。

氏子長老による玉串奉奠 10:19

      見付天神三社崇敬者会・新井清作会長(奥)と見付天神裸祭保存会・鈴木亨司会長(手前)

氏子長老による玉串奉奠 10:19

拡大写真(3000X1900)1.13MB

命之魚を放流する小川に向かう神輿先供係 10:22

命之魚を放流する小川に向かう神輿先供係 10:22

拡大写真(3000X2000)2.01MB

命之魚を運ぶ白丁姿の神輿先供係

命之魚を運ぶ白丁姿の神輿先供係

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▲▼ 松原で放生(ほうじょう)される命之魚(みょうのうお)は、何時の頃からか大原の大杉家の当主が捕獲して献上するのが習わしとなっている。大杉家では「かけ魚(うお)」と称し、必ず奇数匹の鯔(いな)(鯔ぼらの子)を献上するという。しかし、実際は、篦鮒(へらぶな)であることが多く、松原近くの小川に放流される。

篦鮒を小川に帰へす秋の浜 北舟

へらぶなを おがわにかえす あきのはま

Autumnal beach, releasing a crucian carp to the small stream.

命之魚を小川に放流する 10:26

命之魚を小川に放流する 10:26

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元気な命之魚

元気な命之魚

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