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鏡容池と庭園
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龍安寺 |
大雲山龍安寺(りょうあんじ)は、臨済宗妙心寺派に属する禅苑の名刹である。1450年(宝徳2年)、もともと貴族の徳大寺家の別荘を管領(かんれい)細川勝元が譲り受け、寺地とし、妙心寺の義天玄承を開山として創建した。 |
山門をくぐってすぐ左手に見える鏡容池(きょうようち)には、貴族の別荘庭園の特徴を色濃く見ることができる。後ろに見えるなだらかな山並みと相まって、なんとも優雅な趣がある。まさに貴族の山荘といえる。 |
応仁の乱で焼失したため、1488年(長享2年)勝元の子・政元によって再興されて諸堂が整備された。その後、1797年(寛政9年)に焼失したため、1606年(慶長11年)に造営された西源院(せいげんいん)方丈を移築したのが現在の方丈(庫裡(くり)<住職や家族の居間>)である。 |
龍安寺は、1994年(平成6年)ユネスコの世界文化遺産に登録された。 |
所在地:京都市右京区龍安寺御陵下町 |
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龍安寺の方丈
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石 庭
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禅では自己が「三昧」「無」になりきることによって自他一如の世界を自覚し、その自覚を通して出てくるものは、山川草木ことごとく神、仏であるとするが、この庭はそうした禅の極致を表現した永遠に新しい庭といわれ、時間、空間を越えて、静かに心眼をひらき自問、自答するにふさわしい庭といえよう。<龍安寺による解説> |
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石段の正面が方丈で、禅宗寺院建築の簡素にして重厚、特に木組みと白壁の調和がまた静寂の内に構成美を醸し出している。
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石庭(枯山水庭園)
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方丈の南側に広がる方丈庭園は、15世紀中期には造られていたものと考えられている。自然を狭い空間に圧縮し、抽象化して表現する枯山水庭園の極限的な姿は、世界的に名高い。
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石庭は、東・南・西面を築地塀(油土塀)で囲まれた東西30m、南北10m余の矩形の庭で、白砂敷の中に5・2・3・2・3の5群15個の石組が配されており、虎の子渡しの名がある。
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石庭を見る人々
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石庭の見学者が鈴なりで、座る余地もない。ましてやしばし瞑想にふけるような状況ではない。有名になりすぎると俗化されてしまい、味わいが薄れてしまうのが世の中の常ということなのだろうか。
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パンフレットによると、石の象(かたち)、石群、その集合、離散、遠近、起伏が禅的、哲学的に見る人の思想、信条によって多岐に解されるという。
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石庭四景
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石庭は、見る角度で様々に美意識が変わり、 参拝者に驚きと感動を与えてくれる。この庭が世界に紹介されて以来、日本はもとより、世界各国の著名な建築家が訪れ、龍安寺石庭の簡素な構成美を現代の建築物に取り入れる試みがなされているという。
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方丈の部屋
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わずか75坪(250u)の白砂の空間に、大小15個の石を配置。この極端なまでに抽象化された構成に、作者はいったい何を託したのだろうか。 |
石庭の表面は、一見水平だが実は排水上の工夫から、石庭の外側が低くなつている。土塀にも勾配をつけ、鑑賞者の錯覚を利用している。 |
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銭形のつくばい
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吾唯知足 |
方丈の北東に銭形の手水鉢が据え付けてある。茶客が平伏して手を洗い清めるところから蹲(つくばい)と呼ばれている。
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蹲の上部に刻まれた文字は、真ん中の四角い部分を漢字の口の字として、それをそれぞれ漢字の一部に取り込み、「吾唯知足」(われただたるをしる)と読む。その意は、「足るを知る人は貧しいといえども即ち富めり」ということだそうだ。
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飽食の時代にあり、求めれば何もかも手に入る時代の我々は、ややもすると「知足」の心を忘れがちになっているのではないだろうか。
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このつくばいは水戸光圀が寄進したと伝えられている。展示されているのはそのコピーだ。
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龍安寺の庭
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方丈の西側は、緑豊かな庭となっている。こちらは方丈南面の石庭よりも人が少なく、じっくりと鑑賞できる。
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砂と石だけの庭より、こちらの普通の庭の方が安らぎを感じるのは、私だけだろうか。ここで休憩できたことが一番良かったのかも知れない。
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