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旅紀行ジャパン
2002年12月9日改訂
BGM

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2001年12月2日制作

大原・三千院

大原・三千院

三千院

《 寂光院・三千院 》

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三千院の坂道

三千院の坂道

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洛北大原の名刹

 京都から高野川(たかのがわ)をさかのぼること約12km、三千院(さんぜんいん)は、大原盆地の東側の山麓にある。
 大原の地一帯は、千有余年の昔から、魚山(ぎょざん)と呼ばれ、天台清明(てんだいしょうみょう)の修行の地として信仰を集めた。声明は梵唄(ぼんばい)ともいわれて、み仏を礼讃する仏教音楽のことだ。

三千院への細道

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 洛北大原の名刹としてあまりにも有名な三千院は、788年(延暦7年)、伝教大師最澄上人(でんきょうだいしさいちょうしょうにん)(767〜822)が比叡山東塔にあった梨の木の下に一院を開いたのに始まる。本尊は薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)(秘仏)。
 三千院は、平安時代初期、慈覚大師円仁が天台声明の根本道場として魚山大原寺を開いて以来、大原の地は比叡山を取り囲む天台仏教の中心地のひとつとなった。
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三千院大山門

三千院大山門

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 平安後期から幕末まで歴代の門跡(もんぜき)(住職)は皇族がなり、天台の声明(しょうみょう)音律のことを管轄し、また比叡山上の根本中堂、法華堂、常行堂を管領した。
 現在の寺地は、東に小野山を負い、声明にちなんで名付けられた呂(ろ)川と律(りつ)川を左右にひかえ、聚碧(しゅうへき)園と有清(ゆうせい)園の二つの名庭を擁し、特に杉木立と苔・紅葉が美しく、洛北の名勝として名高い。

所在地:京都市左京区大原来迎院町540 

三千院入口

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 国道から緩やかな坂道を600mほど歩くと、三千院門跡という大きな表札を掲げた大山門に着く。
 石垣と白壁に囲まれた三千院は、外から見た限りではちょっとした山城のように思える。(写真左)
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聚碧園の池

聚碧園の池

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 客殿入口

 階段を上り、山門をくぐると、客殿に至る。(写真下)
 拝観料を支払い、靴を脱ぎ、ビニール袋に入れて持ち歩く。出口は宸殿となり、極楽往生院に至る。

二つの庭園

 上下2段からなる庭園のうち、客殿から望む聚碧園(しゅうへきえん)は池泉観賞式、極楽往生院のある有清園(ゆうせいえん)は池泉回遊式で、いずれも池泉、石組み、刈込みを配した江戸初期の閑雅な庭園である。
 両園とも紅葉の最盛期で、青々とした苔とカラフルな紅葉とが絶妙の調和を見せる。水面に映る赤や黄の紅葉は、幽玄の世界そのものだ。(写真左)

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往生極楽院

 有清園の杉木立の中に三千院を代表する往生極楽院がある。

往生極楽院

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 往生極楽院は、恵心僧都(えしんそうず)が父母の菩提を弔うために姉の安養尼(あんように)とともに1148年(久安4年)ころ建立したもので、桁行4間・梁間3間、単層、入母屋造、柿葺き(こけらぶき)で、内部は藤原時代の阿弥陀堂建築になっている。

大和すわり(正座)の菩薩像


勢至菩薩(資料)

 御堂内部の阿弥陀三尊座像は必見である。
 本尊の阿弥陀如来座像を中心に、向かって右の観音菩薩(かんのんぼさつ)は蓮台をもち、左の勢至菩薩(せいしぼさつ)は合掌し、三尊ともに平安末期の1194年の造立と推定されている。
 阿弥陀如来座像は、高さ233cmの檜寄木造りである。 
 両脇の菩薩は女性的なイメージが強く、大和すわり(正座)をしている。

 この三尊の姿は阿弥陀の来迎を表しているという。

有清園

 晴れたかと思うと急に時雨が襲う大原の気候。湿気が多く、苔の緑が生き生きとしている。比叡山から流れてくる清らかな水が園内の池を潤している。

阿弥陀三尊座像

阿弥陀三尊座像

阿弥陀如来座像

阿弥陀如来座像

勢至菩薩

勢至菩薩

観音菩薩

観音菩薩

勢至菩薩と観音菩薩

勢至菩薩(手前)と観音菩薩

資料
大和すわり(正座)

大和すわり(観音菩薩)

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青苔と紅葉の有清園

青苔と紅葉の有清園

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《 撮影 2001年11月18日 》 

オリンパス CAMEDIA C-3040ZOOM 300万画素

 雨が過ぎると日光が眩く射し込み、鬱蒼とした園内も急に明るくなる。有清園の池に散紅葉が浮かび、鯉がゆったりと泳いでいた。

鯉と紅葉

鯉と紅葉

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 丸1日、京都洛北の大原を巡り、里の秋を堪能した。 大原の里は、大自然の息吹があり、独特の文化が息づいていた。(完)
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