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													山本作兵衛コレクション?   
												 |   
                                        
                                        |   
                                       
                                      
                                      |   
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                                      ▼ 田川市石炭・歴史博物館の二階には、日本で初めてユネスコ世界記憶遺産(UNESCO Memory of the World)に登録された山本作兵衛の作品が常設展示されている。 |   
                                        
                                       |   
                                       
                                      
                                      |   
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                                       残念なことに、入場無料・撮影可の宮若市石炭記念館と違って、作兵衛の作品を展示する室内は撮影禁止で、しかも、「山本作兵衛コレクション」とは名ばかりで、展示品は出版本や原画のコピー(複製)だけで、オリジナル作品は一点もなく、作兵衛の手垢のついた生の原画を見たかっただけに、ガッカリした。 |   
                                        
                                        |   
                                       
                                      
                                      |   
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                                       アテンドしてくれた女性学芸員によると、温度・湿度を一定に保つ陳列施設が不完全で、オリジナルは、福岡県立大学に保管されているという。もし、パリのルーブル美術館が展示するダ・ヴィンチの「モナリザ」がコピーだとしたら、大変なことになるだろう。彼女は、東京から遠路はるばるやってきた筆者に申し訳なさそうな様子だった。 |   
                                        
                                        |   
                                       
                                      
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					山本作兵衛コレクション/田川市石炭・歴史博物館  
					二階   
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              |   
                資料:田川市石炭・歴史博物館 |   
               
             
         
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                                      | 
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                                       | 
                                     
                                    
                                      | 
                                       | 
                                      
                          
                                      
                              
     
              
                                                  
                                                  
                                                  
                                                    
                                                      | 
                                                                                                                       
                             
     
  
                                                  
												山本作兵衛  | 
                                                      
                                                  | 
                                                      
                                                
                             
     
												
												
												(1892-1984) | 
                                                     
                                                   
                                                   
                                                   
												 | 
                                      
                                       | 
                                     
                                    
                                      
                          
                                      ▼ 山本作兵衛(明治25年5月17日 -   
										昭和59年12月19日)は、福岡県出身の炭鉱労働者で炭鉱記録画家。平成23年(2011)5月、田川市が所有・保管する絵画585点や日記、雑記帳、原稿と、山本家が所有し福岡県立大学が保管する絵画、日記、原稿など合計697点がユネスコ世界記憶遺産*に登録され、日本での登録第1号となった。   
										  |    
                                        
                            
                                                                 ■ ユネスコの説明 ■   
										  
										
                                         山本作兵衛コレクションは、明治時代後期から、筑豊の炭鉱業ではまだ産業革命が継続していた20世紀後期までの日本の発展状況を裏付ける私的記録である。当該コレクションは、素朴な絵画に説明が書き加えられた構成となっており、文字通り炭鉱の最前線で働いていた一人の男性が実際に体験した出来事を記述、描写した記録である。当時の日本について記述した文書は、政府や企業等の公式文書によるものがほとんどで、一人の労働者が作成した私的記録は非常に希少である。作兵衛の絵画には、公的記録では読み取ることができない当時の生々しさや臨場感がある。当該コレクションは、世界的に歴史的な重要性が高い時代を実際に生きた一人の人間の視点に基づく真正な記録である。 |  
                                    
                                      | 
                          
                                      
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                                      | 
                          
                                       作兵衛は、明治25年(1892)、筑豊炭田の中心地・福岡県嘉麻郡笠松村鶴三緒(現・飯塚市)に生まれた。父親は船頭だったが、鉄道の敷設によって失業して炭坑夫となり、作兵衛も7〜8歳頃から父母に伴われて坑内に入り、炭車押しなどの労働に従事した。 |  
                                      
                          
                                      
										
											
												
                             
     
  
                                      
                             
     
	
                             
     
  
                                          
                                            
                                              | 
                          
                             
     
							
                             立岩尋常小学校を卒業後、明治39年(1906)に山内炭坑(現・飯塚市)の炭鉱員となり、家族を養った。以後、採炭員や鍛冶工員として、筑豊各地で働きながら、大学ノートや手帳に炭鉱の記録を残した。 
							 | 
                                             
                                            
                                              | 
                          
							 戦後、炭鉱が次々と閉山した後、福岡県田川市にある炭鉱事務所の夜間宿直警備員となり、戦死した息子の子供たちにヤマの記録を残そうと思い立ち、自らの経験や伝聞を基に、明治末期から戦後に至る炭鉱の様子を墨や水彩で描いた。余白に説明を書き加える手法で1000点以上の作品を残した。  
							昭和38年(1963)、作兵衛絵の素晴らしさが世に認められ、『明治大正炭坑絵巻』が出版された。(写真右) |   
                                               
                                               
                                          
                               
       
	  
                                                    
       
  
  
     
  
  
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                                      その後、作兵衛の作品が福岡県有形民俗文化財に指定され、各地で絵画展が開催された。代表作は、画文集『炭鉱に生きる』(1967年)、『王国と闇』(1981年)など。昭和42年(1967)75歳のとき勲六等珠宝章受章。「ヤマの絵師」として知られたが、誠実温厚な人柄で多くの人から惜しまれまがら、昭和59年(1984)老衰のため逝去。享年92歳。   
										    
										                          絵師・山本作兵衛  山本作兵衛年譜 | 
                                     
									
                                      
                          
     
  
                             
     
                                      
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										*世界記憶遺産:1992年にユネスコが始めた事業で、人類の文化遺産として後世に残すべき書物や記録を指定し保全するためのプログラム。「人類が長い間記録して後生に伝える価値があるとされる書物などの記録物」として、これまでにグーテンベルク聖書、アンネの日記、グリム童話、ベートーベンの交響曲第九番自筆譜面など、2011年5月25日の第10回定期総会終了時点で268点が登録されている。登録された資料については、誰もが容易に参照できるように、これらの資料をデジタル化し、インターネット上で公開することや、書籍、CD、DVDなどで出版・頒布することが推奨されている。 | 
                                     
                                    
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							| 
                日本で初めてユネスコ記憶遺産の登録を受けた炭鉱画家・ | 
							
                 山本作兵衛  | 
							
				
                
				(1892-1984) | 
							 
						 
					 
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					山本作兵衛作品の世界記憶遺産登録が決
					まったことを報じる西日本新聞(朝刊) 
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					西日本新聞朝刊に掲載された山本作兵衛の絵 
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					山本作兵衛作品の世界記憶遺産登録が決
					まったことを報じる西日本新聞(夕刊) 
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                                      ▼   
										ユネスコ世界記憶遺産に登録された山本作兵衛の作品は、彼の生前・生後に刊行された出版物で知ることができる。福岡県なら図書館に行けばかなり収蔵されているが、東京などでは、目にすることができない。しかし、有り難いことにアマゾンなどで検索すると、かなりの古書や新書が販売されている。また、ヤフー・オークション(ヤフオク)にも出品されており、インターネットの通信販売を利用すれば、入手するのはたやすい。 |   
                                        
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   福岡県立大学附属図書館では、「山本作兵衛関連図書コーナー」が設置されており、作兵衛の作品のみならず、交流のあった作家の図書を含めて閲覧・貸出しが行われている。→
	  
	  
	  
	山本作兵衛関連図書一覧   
        
           福岡県立大学 〒825-8585   
	福岡県田川市伊田4395 Phone. 0947-42-2118 / Fax. 0947-42-6171 |   
                                        
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					山本作兵衛の旧家 
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                資料:福岡県立大学 | 
             
           
       
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                                       私なりに調べたところ、山本作兵衛の代表作として一番に挙げられているのが、昭和42年(1967)に出版された「炭鉱(ヤマ)に生きる」である。既に古書となっていたが、世界記憶遺産に登録された平成23年(2011)に初版本を緊急復刊したのが新装版で、現在も講談社から販売されている。 | 
                                      
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                                       世界人類の記憶の殿堂に収められた、あるヤマ人(炭坑夫)の記録――。山本作兵衛翁が孫たちの世代のために遺した文章と約150点の図版で、明治・大正期の炭鉱のありのままの姿がいま再びよみがえる!! 
										  
                                       50余年、筑豊で炭鉱夫として働き、還暦を過ぎて絵筆を握った作兵衛翁の炭坑画は、民俗学者・宮本常一氏や記録文学作家・上野英信氏らから高い評価を受けていました。 
										  
                                       美学生時代に作兵衛画を模写したこともあるイラストレーター・南伸坊氏による装丁でデザインを一新し、巻末には、詩人・金子光晴氏、作家・石牟礼道子氏、画家・菊畑茂久馬氏、南伸坊氏らによる当時の書評やエッセイを採録した新装版です。(講談社サイトより) | 
                                      
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					「炭鉱に生きる」 講談社 (1967年 2011年)   
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				2011年新装版(新品) 定価 : 1,700円(税別)  |   
                
                 1967年初版本(古書)   
				1500円ほど  |   
               
              
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													「ヤマの仕事」 「ヤマの暮らし」 ぱぴるす文庫 1977年 
												 | 
                                      
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										▼   
										この二冊の文庫本は、生前に出版されたもので、現在は絶版になっているが、古本が出回っている。ヤフオク(ヤフー・オークション)では、二冊で1500円ほどで出品されている。 |   
                                        
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					「ヤマの仕事」 「ヤマの暮らし」 ぱぴるす文庫  
					(1977年)   
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													「王国と闇」 山本作兵衛炭坑画集 葦書房 1981年 
 
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										▼ 作兵衛作品の名作を収録した大型複製画集「王国と闇」も生前に出版されたもので、現在は絶版になっているが、古本が出回っている。筆者は、福岡県宗像市の図書館で閲覧したが、貸出し禁止の豪華本だった。アマゾンでは68,000円〜82,500円の値がついている。高いので、手軽に買って読むような本ではないが、オリジナルと同じサイズの画集なので、迫力がある。   
										    
										出版社: 葦書房 (1981/02) ASIN: B000J7YSG6 発売日:   
										1981/02 |   
                                        
                                       |   
                                       
                                      
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					「王国と闇」 山本作兵衛炭坑画集 葦書房  (1981年)    
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													「オロシ底から吹いてくる風は」 山本作兵衛追悼録 葦書房 1985年 
 
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										▼   
										この本は、山本作兵衛が亡くなった翌年に出された追悼録で、作兵衛の作品のほか、交流のあった石牟礼道子、上野英信、金子光晴、森崎和江らの書評や、追悼文が掲載されており、知られざるエピソードや作兵衛の人柄を知るにはもってこいの本である。筆者は福岡県宗像市の図書館で閲覧した。現在は古書が販売されており、3,500円〜5000円の値がついている。   
										    
										出版社: 葦書房 (1985/11) ASIN: B000J6K262 発売日:   
										1985/11 商品パッケージの寸法: 25.8 x 18.2 x 1.4 cm |   
                                        
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					「オロシ底から吹いてくる風は」   
					山本作兵衛追悼録 葦書房 (1985年)    
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													「筑豊炭鉱絵巻」  新装改訂版 海鳥社    
													2011年   
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										▼   
										本書は昭和48年(1973)に葦書房から刊行された画集「筑豊炭坑繪巻」を底本に収録画を大幅に増やした新装改訂版。ユネスコ世界記憶遺産に登録された山本作兵衛の炭坑画の全体を俯瞰できるよう再編集したもの。 |   
                                        
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                                      彩色画120点、墨絵72点、合計192点を収録。絵は1頁1点とし、彩色画は全てカラーで、墨絵はモノクロで印刷。サイズをA4判横開きと葦書房版より一回り大きくし、紙も特殊紙を使うことで原画の迫力を体感できる。また、余白の説明部分もはっきり読めるよう配慮されている。文章には「筑豊炭坑物語」「筑豊方言と坑内言葉」「山本作兵衛自筆年譜」が収録されている。   
										    
  A4変判 上製函入/268頁 定価 7,020円(本体6,500円) ISBN 978-4-87415-827-2 C0071   
										2011年10月発行  | 
                                      
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                                      ● 私見や書評などで比較すると、作兵衛の代表作に挙げられている「炭鉱に生きる」は1700円と安いものの、本のサイズが小さい上に1頁に2枚の絵が入っていて、書き込まれた字が読みにくいところがある。「王国と闇」は余りにも高価なので論外だとすれば、定価7,020円はちょっと勇気のいる価格だが、作兵衛ワールドを本格的に味わってみたいという方には、「筑豊炭鉱絵巻」をお勧めする。 |   
                                        
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									ふゆのやま おとこはきあい しろふどし  | 
								 
								
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Coal mining in winter,   
let's fire up together wearing white fundoshi loincloth.   |   
								   
							   
							   
     
  
  
  
     
  
  
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					「筑豊炭鉱絵巻」 新装改訂版 海鳥社 (2011年)   
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													「山本作兵衛と炭鉱の記録」    
													コロナ・ブックス 2014年 
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										▼ 本書は、作兵衛事務所の協力を受けて、平成26年(2014)に平凡社コロナブックスより刊行された最新刊書。しかし、作兵衛作品の収録は僅かに60点と少なく、かつての炭鉱の記録や無名の炭坑画家の絵が紹介されており、異色の内容となっている。作兵衛をおとりに使ったような本なので、作兵衛の画集だと思って買わないように。 |   
                                        
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                                      再び掘り起こす、地の底の記憶ー。   
										世界記憶遺産の絵師・山本作兵衛。その秘蔵画およそ60点と、明治・大正・昭和期の炭鉱を伝える絵画・写真・坑夫像・漫画・ポスターを紹介。   
										    
										本書には主に山本作兵衛・井上為次郎・原田大鳳・山近剛太郎・島津輝雄・齋藤五百枝・大宮昇・北島浅一・加藤恭平・吉田初三郎・石井利秋・本橋成一・萩原義弘を掲載。   
										    
										「山本作兵衛と炭鉱の記録」(協力=作兵衛事務所) 編者=コロナ・ブックス編集部 発行所=株式会社平凡社 
										2014年12月19日発行 定価:本体1700円(税別) ISBN:   
										9784582634815 Cコード・NDCコード:   
										0057   
										NDC 567.096 判型・ページ数:   
										B5変 128ページ  (平凡社のサイトより)  | 
                                      
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					「山本作兵衛と炭鉱の記録」   
					コロナ・ブックス (2014年) 
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													山本作兵衛の世界 
 
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                                       作兵衛の主な出版本と私なりの書評を紹介したので、最後に、作兵衛が描いた世界を概観しよう。興味を持たれた方は、是非、アマゾンで作兵衛本を調達して頂ければ幸いである。 | 
                                      
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					山本作兵衛の世界 【壱】 〜鉄道と川舟船頭〜 
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										▲ 上の絵は、川艜(かわひらた)と呼ばれる川舟と鉄道を描いたもの。石炭の輸送が陸蒸気(おかじょうき)にとってかわられ、水上労働者たちは職を失い、ヤマ(炭鉱)に入っていった。作兵衛の家族もまたその道を辿ることになった。彼は、憎しみを込めて陸蒸気を描いた。   
										    
                                           「船頭の怒声 ウヌーおかジョウキ奴めー いよいよおいらの飯茶碗を
										 叩き落としやがった」 | 
                                      
                                       | 
                                     
                                    
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                                      ▼   
										かつて筑豊の石炭は川船で北九州に運ばれ、北九州から積み出された。この船は川艜(かわひらた)といい、五平太船(ごへいたせん)とも呼ばれた。船底が浅く、幅広の構造から荷を積むのに向いた川船で、狭いながらも寝泊まりする居住区もあった。鉄道に取って代わられたが、江戸時代から昭和の初めまで使われた。 |   
                                        
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                                                ▼  
												作兵衛が田川市にある炭鉱事務所の宿直警備員として働き始めた60代半ばに描き始めた頃は、絵の具を買う金があるわけもないので、墨汁で絵を描いた。その絵が評判となり、色々な人の出会いや助言、サポートなどを受け、やがて、総天然色の炭鉱画が生まれることになる。 |   
                                        
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                                                 「むかしヤマの人びと」で、作兵衛は、明治期の炭坑夫の多くが一人前の印だとして、刺青をしていたことを紹介している。貝島炭砿では刺青が禁止されていたように、炭鉱によって差があったと思われる。 |   
                                        
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                                                 ヤマ人は、向こう鉢巻に前垂れ式六尺褌をキリリと締めた格好良さを誇った。前袋式ではないので、前垂れ部分の左右を横褌(よこみつ)にからげて(ひとひねりして)緩まない工夫をしている。後褌(うしろみつ)の結び方も江戸時代の教本にあるとおりで、結び目の方向も正確に描いており、端を引っ張れば、直ぐに解けるようになっている。 |   
                                        
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                                                 ちなみに、江戸時代と明治時代は、男性の下着は褌だけで、パンツやハンダコ姿はなかった。江戸と明治の差は、丁髷(ちょんまげ)があるかないかの違いだけだった。履き物は草鞋(  
												わらじ)で、江戸・明治ともに変化はない。 |   
                                        
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					山本作兵衛の世界 【弐】 〜初期の白黒作品〜   
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                                                ▼  
												下の絵は、「王国の闇」の表紙に使われた作兵衛の傑作だが、裸足でつるはしを使っている。若宮市石炭記念館の油絵では、明治・大正期は全員草鞋を履いていて、裸足は皆無だった。草鞋の紐が切れてしまって、裸足を余儀なくされたのだろうか。 |   
                                        
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												 ちなみに、脇腹に盛り上がった布が描かれているが、これは、褌の前垂れが緩まないようにひとひねりした状態を描いたもの。水泳の水褌(すいこん)のように前袋式六尺褌では緩むことはないが、下着として使用する六尺褌は前垂れ式の短いもので、越中褌同様に直ぐに緩むので、激しい運動をするときは、このようにして褌を固定した。作兵衛の絵から分かったことは、ヤマ人は、普段の下着のまま、ヤマに入っていたようだ。 |                                       
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					山本作兵衛の世界 【参】 〜「王国の闇」の表紙に採用された裸足の炭坑夫〜   
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					山本作兵衛の世界 【四】 〜草鞋履きの炭坑夫〜   
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					山本作兵衛の世界 【五】 〜後山の妻が石炭をエブに掻き込む〜   
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                                                ▲▼  
												上下の絵は、先山(さきやま)の夫が石炭をつるはしで切り崩し、後山(あとやま)の妻がカキ板(小型の鍬)でエブ(アジロ蓑)に掻き込み、木製のスラ(運搬箱)に入れる作業を描いたもの。 |   
                                        
                                        |   
                                       
                                      
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					山本作兵衛の世界 【六】 〜後山の妻がエブからスラに石炭を移す〜   
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                                                ▼ 下の絵は、後山の妻が、採掘した石炭を入れたバラスラ(木橇(きそり)の運搬籠)を引っ張って運び出している様子を描いたもの。水分が多いところでは、木箱ではなく、竹籠を使用した。妻の間歩ベコ(まぶべこ)(短い腰巻)は、作業しやすいように前部を短くしている。 |   
                                        
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					山本作兵衛の世界 【七】 〜竹製バラスラを引く後山〜   
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  ▼ 写真下がそれを証明しており、作兵衛の観察眼の鋭さが分かる。「貝島炭砿」の頁に掲載した山近剛太郎の油絵では、女性の腰巻は前後とも同じ長さに描かれており、採炭に従事した作兵衛と指導監督するだけだった山近との差が歴然としている。 |                                       
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					人力採炭時代の採炭切羽/宮若市石炭記念館   
             |   
                               
       
  
  
     
  
  
               
              
                               
       
  
  
     
  
  
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  ▼ 下の絵は、選炭場の様子を描いたもの。炭坑節は、坑内から運び出された炭塊を石炭とボタとに選り分ける作業をする選炭場で歌われた選炭唄だった。手を休めることも許されず、昼夜12時間交代の過酷な労働を強いられた娘たち。炭坑節という労働歌を口ずさんで、疲れを紛らわせたのだろうか。 |                                     
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					山本作兵衛の世界 【八】 〜選炭場の娘〜 
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  ▼   
	石炭記念公園の展望の丘に建つ炭坑殉職者慰霊之碑によると、田川地区だけでも65年の歴史の中で推定2万人がガス爆発、落盤、出水、坑内火災などの犠牲になったという。山近剛太郎が落盤事故を描いたように、作兵衛も明治中期のヒジョウ(ガス災害)を描いている。早朝、カンテラを持った炭坑夫が坑内に入ると、溜まっていたメタンガスにカンテラの火が引火してドカンと爆発した。この事故以後、ガス爆発を誘発しない安全灯に変わったという。 |                                       
                                                |                                       
                                       
                                      
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					山本作兵衛の世界 【九】 〜ガス災害〜   
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  ▼ この絵は、事故で死亡した仲間の死体を炭函(すみばこ)に収容して地上に引き揚げる様子を描いたもの。死者の魂は、地下に溜まり、幽霊となって坑内をさ迷うと信じられていたという。坑内で頬被りをしないのは、耳がふさがれて、事故の前兆や警告などが聞こえなくなるから。 |                                       
                                                |                                       
                                       
                                      
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					山本作兵衛の世界 【拾】 〜幽霊〜   
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  ▼   
	明治の中頃、「タカシマの提灯マゲにするぞ」という脅し言葉が使われたといい、下の絵は、作兵衛が想像をもとに描いたもの。提灯のように吊され、身体がまげられたからそういう言葉が生まれたのだろうか。 |                                       
                                                |                                       
                                       
                                      
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					山本作兵衛の世界 【拾壱】 〜リンチ(提灯マゲ)〜   
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  ▼ この絵は、長崎県の茅島(かやしま)に大正時代まで行われていたといわれるリンチを伝聞と想像によって描いたもの。筑豊炭田では行われたことはないという。リンチという言葉は、明治にはなく、作兵衛は、ミセシメと表現している。 |                                       
                                                |                                       
                                       
                                      
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					山本作兵衛の世界 【拾弐】 〜リンチ(逆釣の火焙り)〜   
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  ▼ 作兵衛が描いた明治期のヤマの浴場。初期の作品は墨絵で、混浴の様子を詳しく描いた。みんな和手拭で、浴槽の中で身体を洗っており、湯はまたたくまに黒くなった。 |                                       
                                                |                                       
                                       
                                      
                                              |   |                                       
                                                
                                                 三井三池の閉山以降も1960年代はまだ筑豊で細々と石炭の採掘が続いており、その当時、炭鉱住宅で少年期を過ごしたAさんは、つぎのように証言している。 
												  
												
												 お風呂は共同浴場です。この共同浴場は炭鉱を経営する企業が直営し、炭鉱労働者とその家族が会社から支給される「入浴券」のようなもので、無料または低料金で利用していました。夕方になれば、地中深くに石炭掘りをしてきた労働者が全身を炭塵で真っ黒にまとった体で入浴するため、浴場の湯も真っ黒に染まりました。炭住の人たちみんなが「黒い湯」に浸かる地域にただ一つの湯舟は、炭鉱地帯に働き暮らす悲喜こもごもを共にする場でもあったでしょう。 
                             
     
   
  
     
	  
      											(internet資料) |                                       
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					山本作兵衛の世界 【拾参】 〜混浴の浴場〜   
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  ▼ 作兵衛が描いた明治期の炭住の様子。夫は風呂上がりの新しい六尺褌を締め、一人で晩酌を楽しんでいる。   
	当時は、今と違って、何処の世帯も亭主関白だった。 |                                       
                                                |                                       
                                       
                                      
                                               |                                       
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					山本作兵衛の世界 【拾四】 〜長屋生活〜   
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                                              |   |                                       
                                                                                                                      
                               
       
  ▼   
	作兵衛が描いた明治期の炭住火災の様子。火事は狐のたたりだと信じられ、お稲荷さんがヤマの守護神になった。焼け出された住民たちは、夏なのだろうか、褌・腰巻以外は、何も纏わずに寝ていたようだ。寝ぼけていて、貴重品の代わりに下駄や枕を持ち出しているのが可笑しい。( 笑 )上下二枚の絵から、男性は、労働着も室内着も同じ褌を締めていたことが伺える。 |                                       
                                                |                                       
                                       
                                      
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					山本作兵衛の世界 【拾五】 〜火事〜   
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                         | 
                        
    
      | 
    
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				  | 
                                      
                                        
                                          
                                            
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                                撮 影 
                             
                             
                            2015年2月24日 
                             
   OLYMPUS E-5   
                               
                              
                             12-60mm  
                             
                             
                             
 1230万画素 355枚 890KB                                                                                                                                                                  
                               |                                        
                                             
                                           
                                         
                                       | 
                                      
                                        
                                          
                                            
                                              | 
                              
     
   
				 
				編集後記  | 
                                             
                                            
                                              | 
                           冒頭の褌大臣の写真は、随分昔に目にしたもので、団塊の世代であれば、知っている方も多いのではなかろうか。また、作兵衛翁の作品は、20年ほど前に北九州市に単身赴任していた頃、書店で目にしたことがあった。 | 
                                             
                                            
                                              |  裸褌文化をテーマにしている筆者としては、褌一丁で働く炭坑夫を取り上げたいと思っていたが、このたび、筑豊炭田を旅して、このユニークな作品を世に出すことができた。 |    
                                             
                                            
                                              | 
                                                 これは、我が感動写真集同人・福岡支店長の吉田好幸さんのサポートのお陰であり、吉田さんには、衷心より御礼申し上げます。 |          
                                             
                                           
                                         
                                       | 
                                     
                                    
                                      | 
                                                  
     
   
      			石炭の恵み | 
                                     
                                    
                                      
                                         日本の炭鉱は絶滅したかと思っていたが、現在も北海道・釧路沖の海底地下から石炭を掘り出している。石炭は、その殆どを輸入に頼っているものの、日本の電気エネルギーの四分の一は石炭による火力発電が担っている。国民一人あたりにすると、年間1トン以上の石炭を今も使っており、石炭は、決して過去の遺物ではない。 
                                          | 
                                     
                                    
                                      | 
                                        
                                       | 
                                     
                                    
                                         
                                         平成13年(2001)、私が神戸に単身赴任していたころ、神戸製鋼が神戸港内に石炭火力発電所を建設し、関電に売電することになった。その建設資材を神戸港内で運搬する必要があり、その関連で色々と説明を受けた。 
                                          
                                         大都会のど真ん中に石炭を燃やす発電所を造るのは、突拍子もないことだと思っていたが、素晴らしいプロジェクトであることが分かった。科学技術の発達で、最新の排煙脱硫装置を使うので、大煙突からは無臭の水蒸気しか立ち上らず、無公害の発電所が出現する。発電効率が良く、関電の持つ古い火力発電所を廃止して神戸製鋼の発電所を使えば、より安く電気を供給でき、神戸市民のためになる。発電所周辺の住民たちは、工場の温排水でプールなどの公共施設を安価に利用できる。 
                                           
                                         このプロジェクトは、順調に進み、今では、最新の設備がフル稼働して電力を供給している。平成23年(2011)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による大津波の直撃を受けた東電・福島第一原子力発電所の原子炉がメルトダウンして放射能が漏れ出すという大事故が発生してからは、安全・無害な火力発電所の重要性が益々高まっている。 
                                          
                                         今日、近代化され、世界トップレベルの環境立国である日本がクリーンで美しく成熟した社会生活を営むことができるのは、ひとえに、明治から昭和に至るまで安価なエネルギーを供給し続けてきた石炭産業のお陰であり、それを支えて来た炭鉱労働者たちの汗と涙と犠牲のお陰であることを忘れてはならない。 〈 合掌 〉   
                                           
                                                                                              2015.5.12 和田義男 | 
                                     
                                    
                                      
		  | 
                                     
                                    
                                      | 
                          
     
	 
                              
     
  
        
                               
       
		旅紀行ジャパン〈第133集〉「裸褌の炭坑夫」  |   
                                       
                                      
                                      |   
                               
       
										 撮影 : 和田義男   
										吉田好幸 / 制作:和田義男 / 協力:宮若市石炭記念館  | 
                                     
                                    
                                         平成27年(2015)5月12日  作品:第8作 画像:(大69+小20=89)  頁数:3  ファイル数:171  ファイル容量:45MB   
                                            平成12年(2000)〜平成27年(2015)  作品数:488  頁数:1,995   ファイル数:91,494  ファイル容量:19,070MB |   
                                       
                                      
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