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■ 七日目 2009年6月10日(水) イヴァノヴォの岩窟教会群見学〜シナイア(シナイア泊) |
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翌朝、イヴァノヴォの岩窟教会群を見学した。その壁画の素晴らしさが評価されて、1979年にユネスコの世界遺産に登録されたが、例によって内部は撮影禁止となっていて、見学の成果を持ち帰ることはできず、何ともプアーな観光となった。 |
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イヴァノヴォ岩窟教会(世界遺産)付近 |
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▼ 地球の歩き方の説明もたった1/4頁しかない世界遺産である。フリー百科事典によると、「イヴァノヴォの岩窟教会群は、ブルガリアにある岩を刳り貫いて作られた聖堂、修道院などの建造物群をさすユネスコの世界遺産としての登録名。ルセ州イヴァノヴォ村に近く、ルセの南20kmにあたるルセンスキ・ロム川沿いにそびえる岩だらけの堤にある(川からの標高は32m)。この教会群は保存状態の良い美しい中世のフレスコ画で知られている。」 |
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岩窟の聖マリア教会に入る観光客たち |
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▼ 「この地方の洞窟群には、後のブルガリア正教会総主教ヨアキムが居を定めた1320年代以降17世紀まで、修道士たちが住むようになった。教会群に残る肖像画からも明らかなように、第2次ブルガリア帝国の皇帝たちは、この教会群に頻繁に寄進を行った。王族以外のパトロンには、13世紀から14世紀にかけて修道院が強く結びついていた首都タルノヴォの貴族たちが含まれていた。」 |
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聖マリア教会のある岩壁 |
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▲ 「修道院の建築物群の名声は、その多くを13世紀から14世紀にかけてのフレスコ画に負っている。それらは5つの教会に保存されており、中世ブルガリア美術の傑作として評価されている。・・・」 |
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フリー百科事典には、何故か1枚だけ撮影禁止のフレスコ画が掲載されているが、さほど感銘を受けるようなものではない。 |
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狭い入口で順番を待つ子供たち |
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▼ 岩窟教会群の見学後、国境の町ルセに入り、昼食を取った。写真下は、昼食をとったホテルの高層階からドナウ川の上流方向を撮影したもの。昼食後、ルーマニア側のバスに乗り換え、ガイドもマリアさんからヴラド氏に交代した。 |
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なつのてん くおんのどなう とうとうと |
The summer sky, the eternal Danube flowing gently. |
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国境の町ルセとドナウ川(上流方向)/ブルガリア |
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▲▼ ドナウ川は、ドイツ南部バーデン=ヴュルテンベルク州の森林地帯「シュヴァルツヴァルト(黒い森)」に端を発し、概ね東から南東方向に流れ、東欧各国を含む10ヵ国を通って黒海に注ぐ重要な国際河川である。河口にはドナウ・デルタが広がる。全長は2,850km。ヴォルガ川に次いでヨーロッパで2番目に長い大河である。 |
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ヨハン・シュトラウス II 世(1825-1899)が1867年に作曲したワルツ「美しく青きドナウ」や、ヨシフ・イヴァノヴィッチ(1845-1902)作曲のワルツ「ドナウ河のさざなみ」は、曲想をドナウ川に求めたもので、世界的に知られる。 |
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後者の「ドナウ河のさざなみ」は、17歳の時にシェイクスピアの小説に魅せられて作曲した劇音楽「真夏の夜の夢」の付随曲で、1889年に開催されたパリ万国博覧会で演奏され、世界的に有名になった。 |
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なつぞらや さざなみたちぬ どなうがわ |
The summer sky, the ripples of the Danube. |
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国境の町ルセを流れるドナウ川(下流方向)/ブルガリア |
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■ 八日目 2009年6月11日(木) シナイア見学(シナイア泊)/ルーマニア |
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▼ 今日からルーマニアの観光に入った。 237,500km² の国土に約2,130万人が暮らすルーマニアは、東ヨーロッパに位置する国。南西にセルビア、西にハンガリー、北にウクライナ、北東にモルドヴァ、南にブルガリアと国境を接し、東は黒海に面している。首都ブカレストは、1,521km² に235万人が住む。1989年、ルーマニア革命によってニコラエ・チャウシェスク独裁政権が打倒され、民主化された。 |
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ブルガリア・ルーマニアの衛星画像 |
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画像:Google Earth |
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▼ ルーマニア中部、トランシルヴァニア地方にある小都市シナイアは、ブカレストから北北西約130kmにあり、ルーマニアの中央を走るカルパチア山脈の中腹にある景勝地である。何といってもシックな家々が美しい。 |
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美しいシナイアの家々 |
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▼ シナイアには、ルーマニアで最も壮麗な城ともいわれるペレシュ城がある。136室もある巨大な城館で、1917年からは博物館として一般に公開されている。 |
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ペレシュ城の入口と建物 |
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▼ ペレシュ城は、1875年、ルーマニア王室の夏の離宮として、8年の歳月をかけて造られた宮殿である。その内部はイタリア・ルネッサンス、バロック、ロココの各様式で装飾され、外観はゴシックとドイツ・ルネッサンス建築を用いた壮麗な建物である。 |
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かつてルーマニア王の夏の離宮だったペレシュ城の勇姿 |
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王権の象徴・獅子の像 |
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▼ 時計台を兼ねたメイン・タワーの前には、ルーマニア王国を築いた初代城主カロルI世の銅像が建っている。 |
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ルーマニア王国を築いた初代城主カロルI世の銅像 |
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▼ 広大な敷地の庭園の中に美しく映え、彫刻や噴水、バラが配された庭園からは、シナイア渓谷が一望できる。 |
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カルパチア山脈の懐に建つペレシュ城 |
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▼ 城館内部を撮影するためには、30レイ・約1000円が必要。入場料とは別に撮影料を請求されたのは初めてのことで、商魂たくましいというべきか。しかも、フラッシュ撮影は禁止されていた。 |
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城館内部の豪華な部屋 |
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楽器が置かれた部屋 |
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▼ 人馬の鎧。ガイドによると、鎧をつけた騎士は、クレーンのような器具が無いと乗馬できないとのこと。また、これだけの重装備では、馬は歩けないのではないかとの話だった。 |
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完全武装した中世の騎士 |
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