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八王子神社米とぎ祭 |
静岡県磐田市下太 八王子神社 2012年1月8日 撮影・原作:宮嶋 茂 |
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毎年、正月第二日曜日に下太(しもふと)自治会の主催で八王子神社で行われる「米とぎ祭」は、今から300年ほど前の元禄時代に流行病(はやりやまい)が蔓延したため、その疾病退散を願い、村の男衆が褌一丁で桶(おけ)に入れた米を担ぎ、西側の今之浦川に入って米を研ぎ、ふかして強飯(こわめし)(餅米を蒸したもの)にして村中に配ったことから始まったものといわれています。とても小さな裸祭ですが、現在もその伝統を変質させることなく受け継がれていることに感動します。 |
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▲ スライドショーCD写真集「八王子神社米とぎ祭」は、86枚、上映時間10分。(1枚1500円 リピーター価格:1枚
1000円)
日本の祭りCD・DVD写真集 |
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YouTube 八王子神社米とぎ祭(抜粋縮小版) |
↓画像をクリックするとスライドショー動画が始まります。 |
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はじめに |
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平成24年(2012)1月8日(日)、静岡県磐田市(いわたし)下太(しもふと)に鎮座する八王子神社(はちおうじ・じんじゃ)(袴田孝子宮司)で米とぎ祭(こめとぎ・まつり)が開催されたので、取材した。 |
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【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
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▲ 164km2の市域に17万人が暮らす磐田市は、静岡県西部・天竜川の東側に隣接し、律令時代以降、遠江国(とおとおみのくに)の国府・国分寺が置かれた古代の政治文化の中心都市であり、戦国時代から江戸時代にかけては、東海道53次の宿場町である見附宿(みつけじゅく)として栄えた。 |
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昭和15年(1940)、磐田郡見付町(みつけちょう)・中泉町(なかいずみちょう)・西貝村(にしがいむら)・天竜村(てんりゅうむら)が合併して磐田郡磐田町が発足。昭和23年(1948)に市制が施行され、平成17年(2005)には磐田市と磐田郡竜洋町、福田町、豊田町、豊岡村が合併して、現在の磐田市となった。 |
東海道本線敷設に際しては、見付町の南の中泉町に中泉駅が設置され、磐田町に合併後は磐田駅となって発展した。現在、磐田市はオートバイメーカーのヤマハ発動機や自動車メーカーのスズキの企業城下町で、サッカーのJリーグ・ジュビロ磐田の本拠地として知られる。 |
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▲▼ 毎年秋に開催される
見付天神裸祭
(みつけてんじん・はだかまつり)は、平成21年(2009)から密着取材を続けているが、浜垢離(はまごり)が行われる遠州灘(えんしゅうなだ)福田(ふくで)海岸から北方約2kmの今之浦川(いまのうらがわ)東岸に位置する磐田市下太(いわたし・しもふと)の鎮守の杜に八王子神社が鎮座している。 |
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八王子神社は、下太(しもふと)の氏神で、災難や疾病除けの神として信仰を集めている。平安時代の中期・承平2年(933)に建立されたと伝えられ、天之忍穂耳命(あめのおしほみのみこと)、天菩比神(あめのほひのみこと)、熊野杼樟日命(くまのくすひのみこと)など八柱の神を祀っており、社名はその神々の数に由来する。 |
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今之浦川 |
の土手から望む |
鎮守 |
の杜・八王子神社 |
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毎年、正月第二日曜日に下太(しもふと)自治会(相曽秀信会長)の主催で八王子神社で行われる「米とぎ祭」は、今から300年ほど前の元禄時代に流行病(はやりやまい)が蔓延したため、その疾病退散(しっぺい・たいさん)を願い、村の男衆が褌(ふんどし)一丁の裸形(らぎょう)となって桶(おけ)に入れた米を担ぎ、西側の今之浦川に入って米を研ぎ、ふかして強飯(こわめし)(餅米を蒸したもの)にして村中に配ったことから始まったものといわれている。 |
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現在、下太(しもふと)地区には、約30世帯が暮らしているが、村人たちの無病息災を祈願するため、今も当時のしきたりを守って男衆が褌一丁になって今之浦川で米を研ぎ、神前に供える「米とぎ祭」が行われており、平成17年(2005)に「八王子神社米とぎまつり」として磐田市無形民俗文化財に指定されている。 |
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磐田市 |
下太 |
に鎮座する |
八王子神社 |
の石鳥居 2012.01.08 09:40 |
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▼ 八王子神社の境内に磐田市教育委員会作成の「米とぎまつり」の説明看板が立てられている。「といだ米は、ふかして強飯にし、御供物として参拝者にわけられます。」とあるが、現在は、それに代えて餅撒き(もちまき)が行われている。 |
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「お笹を借りる」風習 |
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▲▼ 祭当日、一年間の疾病除(しっぺいよけ)の御守として、境内の笹を採取し、家の軒下に吊しておき、翌年の祭に返すという風習があり、このたび取材の仲介をして頂いた磐田市福田(ふくで)にお住まいの杉浦弘さんも毎年励行されているという。 |
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▲▼ 八王子神社の南方200mほどにある下太公民館が「米とぎ祭」の拠点である。この日の朝、氏子たちが一同に会し、祭の準備と打ち合わせを行った後、午前11時頃から出陣前の腹拵(はらごしら)えが始まった。 |
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▼
「米とぎ祭」の褌は、木綿の白晒布を使った前袋式六尺褌、いわゆる水褌(すいこん)である。早い昼食が終わると、褌担当の世話役が別室で子供たちの褌を締め始めた。最初に布をどのように身体に巻き付けるのか、自ら実演してみせたので、とてもよく分かった。 |
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▼ 子供たちは、布の片方を口にくわえて保持するよう教えられていて、忠実に励行している。褌を締めるのは、年に一度の「米とぎ祭」のときだけだが、下太では、いやがったり、恥ずかしがったりする子は一人もいない。 |
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この一家では、父親と共に兄弟全員が褌をして参加している。三歳児ほどの男児がふんどしの端をくわえて、一人前に振る舞っているのには感心する。 |
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はつはるや ようじもくわえる しろふどし |
The beginning of
spring,
an infant also holding a white loincloth between his teeth. |
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はつはるや ろくしゃくふんどし こめとぎさい |
The beginning of spring,
rice washing ritual wearing a six-feet loincloth. |
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