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平成22年(2010)8月15日(
日)
、瀬戸内海の広島湾に浮かぶ世界文化遺産「安芸の宮島(あきのみやじま)」で行われた玉取祭(たまとりさい)に出かけた。
平成16年(2004)以来、6年ぶり二度目の取材
なので、説明は最小限にとどめた。詳しいことが知りたい方は、「宮島玉取祭」
を参照されたい。 |
【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
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海に浮かぶ |
厳島神社 |
の大鳥居 2010.8.14 |
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日本三景の一つとして知られる「安芸の宮島」を町域とした宮島町は、初めて取材した翌年の平成17年(2005)
11月3日、対岸の大野町とともに廿日市市(はつかいちし)に編入合併され、広島県佐伯郡宮島町から廿日市市宮島町(はつかいちし・みやじまちょう)となった。 |
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干潮で干上がった |
厳島神社 |
2010.8.14 |
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玉取祭は、毎年大潮のときに広島県廿日市市の宮島(厳島いつくしま)に鎮座する厳島神社(いつくしまじんじゃ)で行われる神事で、裸の男たちが社殿と大鳥居の間の海中に据えられた櫓(やぐら)に吊された宝珠(ほうじゅ)を奪い合う豪壮な裸祭りである。 |
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玉取祭は、戦国時代から行われている神事で、400年を越える歴史を有する。かつては延年祭(えんねんさい)といわれ、旧暦7月14日の夜、本社拝殿に五尺四方の台を設け、その中央に頭が木彫で胴が藁苞(わらづと)の福神像を載せて延年祭を行い、行事が済んで台が下ろされると、待ち構えていた褌一丁の男たちによる福神像の凄まじい争奪戦が繰り広げられたという。 |
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▼ 現在は、8月の正午前後が満潮時に当たる日曜日に行われている。
この日は、朝の干潮時に宮島に渡り、潮の満ちる様子を撮影しながら祭りが始まるのを待った。潮時(しおどき)になると、神職たちが両舷に波の模様を描いた垂れ幕を下げた和船型モーターボートに乗り込み、本殿と大鳥居の間に設けた高さ約8mの櫓(やぐら)に向かった。 |
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船で |
玉取祭 |
の |
櫓 |
に向かう神職たち |
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▼ 神聖な楠(くすのき)でつくられた直径7寸(約21cm)の宝珠(ほうじゅ)は、地盤(じばん)に据えられた三方(さんぽう)に固定され、神職たちが御祓いをしたあと、櫓につり上げられた。地盤をつり下げたロープは、櫓頂部の滑車を介して神殿までつながっており、神殿でロープを引いたり延ばしたりして地盤を上下に動かせるようになっている。 |
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▼ 玉取祭の準備が完了すると、社殿の更衣室から現れた裸の男たちが、火焼前(ひたさき)と呼ばれる桟橋(船着場)から次々
と海に飛び込み、櫓に向かった。 |
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▼ 約40人ほどの男たちは、
純白の晒木綿の六尺褌を締めていた。6年前の取材では、海水パンツ姿が大半で、赤褌(あかふん)や白褌(しろふん)という伝統装束は少数派というありさまで品位がなかったが、その後
、神事にふさわしい白褌に統一されている。しかし、未だに海水パンツの男性が混じっていたのは残念である。 |
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外国人も交えて |
玉取 |
(宝珠争奪戦)の開始 |
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▲▼
やがて宝珠争奪戦がはじまると、外国人を交えた男たちが肩を組み、人間ピラミッドをつくり、宝珠を載せた地盤に向けてジャンプを繰り返した。最初は高く吊されているので、海に落下する姿が見られたが、地盤が徐々に低くなると、取り付くことができるようになった。 |
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びゃっこんの たまとりさいや なついそべ |
A summer beach, Tamatori festival of white string loincloth. |
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▲ 約10分後、地盤に飛び移った広島工業
大学3年生の一丸京平さん(21歳)が宝珠を海に落として落し主(おとしぬし)になると、見物客から大きな歓声が上がった。 |
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この後、海面での宝珠争奪戦が展開され、土産物店経営の佐々木健一さん(33歳)が注進所(ちゅうしんしょ)と呼ばれるゴールの四角な網の中に宝珠を投げ込んで取り主(とりぬし)となり、落し主とともに福男に選ばれた。 |
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6年前の取材では、満潮(まんちょう)から潮が引き始めたときに玉取祭が行われので、終わった後は、干潮(かんちょう)になって海底が露出し、早々と櫓の撤収が始まった。 |
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▲▼ 今年は、干潮から潮が満ちてきたときに玉取祭が
行われたので、終わった後は潮位が上がり、やがて満潮になって、海上に浮かぶ美しい厳島神社の景観を楽しむことができた。 |
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▼
満潮になると、大鳥居の柱の下部の塗料が剥げて黒っぽくなっている部分が海中に没し、美観を呈する。
しばし眺めていると、観光客を乗せた櫓櫂舟(ろかいぶね)が大鳥居を通過し、海の参道を厳島神社に向かって進んで行った。江戸時代を彷彿とさせる光景であった。 |
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住居:埼玉県さいたま市(旧 大宮市)
趣味:写真撮影、MyCarスプリンターの 車内で生活する事 |
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特技:何処でも寝れる事、運転免許第一種は制覇(第二種は普通二種と大型二種
のみ取得) |
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広島の厳島神社は、祭り以外でも観光で行きたい場所でした。玉取祭では、最後の取り主が海パンだったので、がっくりしました。褌以外の正装でない人は、無効にしてほしいと思いました。
玉取祭の撮影場所は、神社に向かって左手(東)の岸辺が最良です。しかし、この日は夜に花火大会があるため、場所取りの人が大勢いました。でも午前9時頃までに行けば、大丈夫です。祭りは、神社の中からも見られますが、脚立は使えませんのでご注意を。
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びゃっこんの たまとりさいや なついそべ |
A summer beach, Tamatori festival of white string loincloth. |
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編集子の選ぶ傑作 |
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平成22年(2010)9月上旬に開かれた見付天神裸祭の御大祭(ごたいさい)の撮影で、感動写真集
シリーズ41人目の仲間に入って頂いた曽根由香さんの第2作が完成した。 |
1頁16枚の短編となったが、ニコンの高級機を使った撮影はシャープで、とても良く撮れており、高精細画像を連ねてアップしたので、海水が滴る様子まで描写されて
いて、見応えがある。 |
6年前に、ちばあきおさんが取材したときは、赤褌の中に白褌が混じり、海パン姿が目立っていた。その後、白褌に統一されたのは前進だが、未だに海パンが混じっているのは、残念である。外国人が褌一丁で参加しているというのに、海パンの日本人男性は、何を考えているのだろう。それを認める神社も400年の伝統を汚しているとしか思えず、とても残念である。
(海パン姿がこの作品に見えないのは、私の美学が許さないためであり、事実に反する作品となっていることをお許し願いたい。) |
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中国新聞のinternetニュース「JPN47NEWS」では、次のように報道しており、記事の中に「水着やふんどし姿の男性」という表現があり、水着が主であるように書かれている。 |
「幸運」争奪 宮島で玉取祭
'10/8/15
廿日市市宮島町の厳島神社に約400年前から伝わる玉取祭が14日、大鳥居前の海上であった。幸運を授かるという宝珠(ほうじゅ)の奪い合いを繰り広げる地元の男性たちの姿に、見物客から歓声が上がった。
神職が高さ約8メートルのやぐらにつるした台に、直径約20センチの宝珠を置き、水着やふんどし姿の男性約40人が一斉に海へ。数人が肩を組んでピラミッド型をつくり、宝珠めがけてジャンプを繰り返した。
約10分後、台に飛び移った広島工業大3年の一丸京平さん(21)が宝珠を海に落とすと、見物客から大きな歓声が上がった。一丸さんと、海上で宝珠を奪い取った土産物店経営佐々木健一さん(33)が福男に選ばれた。 |
曽根さんのコメントにあるように、「衣装違反者は、福男に認定しない。」というルールを設ければ済むことである。世界文化遺産・日本三景・国宝・瀬戸内海国立公園・国指定史跡というこれ以上存在しない最高の格付を持つ厳島神社の神事がこのようなものであっては、国の面子にかかわることである。瀬戸内海は、かつては勇壮な水軍(すいぐん)が栄えた地であり、来年こそは、全員白の水褌(すいこん)をキリリと締めた伝統の裸文化に立ち返って欲しいものである。
〈 完 〉 2010.10.24 監修 和田義男 |

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感動写真集第143集 / 日本の裸祭り第119集 「宮島玉取祭'10」 |
撮影 : 和田義男 曽根由香 |
平成22年(2010)10月24日 作品:第30作 画像:(大16+小0) 頁数:1 ファイル数:37 ファイル容量:10MB
平成12年(2000)~平成22年(2010) 作品数:439 頁数:1,689 ファイル数:60,469 ファイル容量:8,957MB |
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