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 旅紀行日本の裸祭り

2014年7月10日改訂

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♪和楽器メドレー

大写真(1380X1400)379KB

初春や夕日に染まる七日堂  北舟

2008年1月16日制作

夕日の圓蔵寺本堂

夕日の圓蔵寺本堂(福島県河沼郡柳津町)

 

七日堂裸詣り

圓蔵寺

  七日堂裸詣りなのかどうはだかまいり
福島県河沼郡 柳津町やないづまち   圓蔵寺福満虚空蔵尊えんぞうじふくまんこくぞうそん   平成20年(2008)1月7日(月)の記録

 柳津町では毎年正月7日に地元民に加えて全国から集まった男たちが六尺褌一丁の裸形になり午後8時半の一番鐘の合図で圓蔵寺の石段を駆け上がり、手水鉢で垢離を取ったあと、本堂の菊光堂に参拝する裸詣りが行われます。この日だけは、行事の舞台となる本堂は、七日堂と呼ばれます。
 七日堂では、男たちが競い合って一本の麻縄によじ登り大鰐口を目指す鰐口登りが行われ堂内は褌衆と見物人たちの熱気に満ちあふれます。裸詣りが終わった裸衆は、住職からホオノキの矢に挟んだ牛王法印(ごおうほういん)をいただき、家に持ち帰って一年の幸福と無病息災を祈ります。褌一丁による鰐口登りは全国に例がなく、七日堂の裸詣りは、奇祭中の奇祭として知られています。

 
スライドショーCD写真集「七日堂裸詣り」

スライドショーCD写真集「七日堂裸詣り」
▲ スライドショーCD写真集「七日堂裸詣り」の収録画数246枚上映時間22分今回、CD化するにあたり、インタ
ーネットに発表した画像70枚に原画から再収録した150枚を加え、解説画像を加えましたので、 見応えある作品
となりました。(1枚2000円 リピーター価格:1枚1500円))
 日本の祭りCD・DVD写真集
 
  
YouTube 七日堂裸詣り
(抜粋縮小版)
↓画像をクリックするとスライドショー動画が始まります。

 

はじめに

 平成20年(2008)1月7日(月)午後八時半から福島県河沼郡柳津町(かぬまぐん・やないづまち)圓蔵寺(えんぞうじ)福満虚空蔵尊(ふくまん・こくぞうそん)の本堂・菊光堂(きくこうどう)に於いて、奇祭「七日堂裸詣り(なのかどう・はだかまいり)」が行われたので、激写してきた。

無人の会津柳津駅(JR只見線)に佇む長谷川昭司さん(57歳)

無人の会津柳津駅(JR只見線)に佇む長谷川昭司さん(57歳)

パノラマ写真(1800X880)312KB

   JR只見線(ただみせん)の無人の会津柳津(あいづやないづ)駅に佇む長谷川昭司さん(57歳)は、32年目の来訪である。これまで法事で一度だけ休んだほかは毎年「七日堂裸詣り」に参加してきた。このたび、長谷川さんのご厚意により、「民宿そめや」に一泊し、密着取材することができた。

駅舎で甘酒の接待 (左: Kaz Takahashi さん 右:長谷川昇司さん)

駅舎で甘酒の接待(左: Kaz Takahashi さん 右:長谷川昇司さん)

拡大写真(1400X1050)221KB

   「七日堂裸詣り」を取材するため、アメリカ東海岸のフロリダから来日した Kaz Takahashi さん(60歳)は、アメリカで活躍するフリーのプロカメラマン。今回、この3人が東京駅で落ち合い、新幹線とローカル線を乗り継ぎ、柳津にやってきた。

冬空の会津柳津駅

冬空の会津柳津駅

 

SL会津只見号の運行

 JR只見線の会津若松駅と只見駅を結ぶ88kmの区間をSL会津只見号が臨時に運転されており、全国のSLファンの注目を浴びている。会津柳津駅前には、会津只見号と同型の蒸気機関車が展示されていた。

駅前に展示されたSL

駅前に展示されたSL

 

只見線を走るSL

 internetで検索すると、久保順さんが 懐かしの蒸気機関車写真館 を主催され、SLの素晴らしい写真が沢山あったので、思わず見とれてしまい、1枚掲載させていただきたいとお願いしたところ、気持ちよく応じて頂いた。

日本の原風景を行く只見線、SLは只見川をバックに走り抜ける。

場所:只見線 早戸駅  9428列車 型式C11325  撮影日:2003年6月8日

   MINOLTA α507si  Tokina AF28-70mm F2.8 FILM : FUJI RDP III  撮影:久保 順   懐かしの蒸気機関車写真館

 

柳津町

やないづまち
 福島県の猪苗代湖(いなわしろこ)西方約10kmにある会津若松市から西方約20kmに位置する柳津町は、西部の繁華街が蛇行しながら北流する只見川(ただみがわ)に面し、柳津温泉や柳津スキー場を擁する人口約4000人の町である。只見川に沿ってJR只見線や国道252号が走っている。
 只見川の川岸は明治時代まで柳の大木が繁茂しており、大同年間の頃(約1200年前)、船や筏の発着所であった岸辺に三本の大柳があったことから柳津(柳の湊)の地名が起こったといわれている。

柳津名物「あわまんじゅう」の店

柳津名物「あわまんじゅう」の店

 

霊厳山圓蔵寺

れいがんざんえんぞうじ
 只見川東岸(右岸)の崖の上ある臨済宗(りんざいしゅう)の禅寺・霊厳山(れいがんざん)圓蔵寺(えんぞうじ)は、およそ1200年前に徳一大師によって開創された古刹で、古来より丑・寅の守り本尊・柳津福満虚空蔵尊として信仰を集め、会津柳津は、温泉のある門前町として栄えてきた。

只見川東岸の崖の上に建つ圓蔵寺

        菊光堂(本堂)                                    楼門(仁王門)

崖の上に建つ圓蔵寺

パノラマ写真(1800X900)484KB

 

柳津福満虚空蔵尊

やないづふくまんこくぞうそん
 柳津の福満虚空蔵尊は、茨城県東海村の大満虚空蔵尊、千葉県天津小湊町の能満虚空蔵尊と共に日本三大虚空蔵尊の一つに数えられており、圓蔵寺よりも虚空蔵尊としての知名度が高い。
 「虚空蔵さまに年3回お詣りするとお金に不自由しない」といわれ、年間約100万人の参拝客が訪れるという。

圓蔵寺本堂より只見川を見る

圓蔵寺本堂より只見川を見る

パノラマ写真(1800x860)390KB

 

魚 淵

うおぶち
 圓蔵寺は、只見川のダム湖に面しており、奇岩をかさねた崖の上に建つ。本堂西側の展望所に立つと、眼下には満々と清水を湛えた魚淵(うおぶち)広がり、ウグイ(別名:アカハラ、ハヤ)の繁殖地として国の天然記念物に指定され、禁漁区となっている。
風格ある本堂・

菊光堂きくこうどう

風格ある本堂・菊光堂

拡大写真(1800X1270)436KB

 

ウグイ伝説

 かつてこの地を訪れた弘法大師が本尊・福満虚空蔵菩薩を刻んだおり、残った木屑を只見川に投げ入れると、たちまち無数のウグイとなって泳ぎ出したという伝説があり、ウグイは虚空蔵尊の霊魚として敬われてきた。
 魚渕の地名もこの伝説に由来するといわれ、今でも繁殖期になると水面が黒く見えるほど沢山のウグイが道路からでも見られるという。

堂内の大鰐口と真新しい麻綱

堂内の大鰐口と真新しい麻綱

パノラマ写真(1170X1800)342KB

 

七日堂裸詣りなのかどうはだかまいり

 圓蔵寺の本堂・菊光堂では、毎年正月7日に裸詣り(はだかまいり)が行われる。その日だけは、行事の舞台となるため、本堂は七日堂(なのかどう)と呼ばれる。

 七日堂裸詣りは、正式には午王祭(ごおうさい)という。午王祭は、如意宝珠(にょいほうじゅ)信仰に由来している。今から千年ほど昔、この地方に疫病や不作が長く続いて人々が苦しんでいたとき、虚空蔵尊のお告げにより、美しく利口な弥生姫が只見川の底の龍宮に住む龍神から如意宝珠を借り受け、疫病等を退散させることができた。

本堂と雪深い前庭

マウスカーソルで画面のどこかをポイントすると説明が現れます。

本堂と雪深い前庭

パノラマ写真(2000X950)387KB

   数年後、1年で最も静かな1月7日の夜、龍神が宝珠を取り返しに虚空蔵堂(菊光堂)に来ると聞いた信者たちは、堂内に集まり、宝珠を囲んで龍神に宝珠を渡してなるものかともみ合い、騒ぎ立てたところ、さすがの龍神も驚いて姿を消したという。
 このようにして人々は団結の力を知り、信仰の強さを悟って、お互いの心と力を合わせれば苦難や災厄を乗り切ることができるという自信を持った。
裸男たちが身を清める

手水舎ちょうずしゃ

裸男たちが身を清める手水舎

拡大写真(1600X1200)352KB

   以来、毎年正月七日の夜、八時半の一番鐘(いちばんがね)を合図に、褌一本の裸男たちが、「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声のもと、大鰐口(おおわにぐち)を目指して麻綱(あさづな)を登る裸詣りが行われるようになり、参加者には一年間無病息災の御利益(ごりやく)があるという午王(ごおう)の矢が贈られるようになった
開運

撫牛なでうし

開運撫牛(かいうん・なでうし)

 
開運

撫牛なでうし

 虚空蔵尊の境内には、「開運撫牛」がありる。本堂再建の折、境内に赤牛が集まり、資材等の運搬などを手伝ったことから、この大牛を撫でながら願い事をすると成就するという信仰が生まれた。会津の「あかべこ」はこの由来によるもので、柳津発祥の民芸品である。ちなみに「べこ」は牛のこと。

柳津発祥の民芸品「会津のあかべこ」(観光案内所)

柳津発祥の民芸品「会津のあかべこ」(観光案内所)

   圓蔵寺の境内で、米国ネブラスカ州からやってきたというジェイソンさん(32歳)に出会った。今宵裸男になり、NHKが密着取材するという。カメラマンとジェイソンさんの目線を貰い、夜の再会を約した。
NHKカメラマンとジェイソンさん(32歳)

NHKカメラマンとジェイソンさん(32歳)

 
無料休憩所「まちなか」
 圓蔵寺の下見を終え、長谷川さんの定宿「民宿そめや」に向かった。途中、銀山川に架かる赤い欄干が印象的な「中の橋」を渡ったところに、ビニールシートで雪囲いした無料休憩所「まちなか」があった。この日は、あまざけおしるこ、こづゆなどが無料で提供される。

銀山川「中の橋」そばの無料休憩所

銀山川「中の橋」そばの無料休憩所

拡大写真(1600X1200)358KB

 

民宿そめや

 無料休憩所を過ぎ、右に曲がってしばらく進むと、左手に築100年を超える「民宿そめや」があった。先祖が染め屋で、その後旅館となり、今は民宿となった長谷川さんの定宿(じょうやど)である。
長谷川さんの定宿「民宿そめや」

長谷川さんの定宿「民宿そめや」

   チェックインの後、カメラを抱えて再度圓蔵寺を訪れ、境内を巡った。夕暮れの太陽が只見川の向こう岸の山際に沈む頃、赤く照らされた七日堂と残雪が美しく輝いた。

夕日の圓蔵寺本堂

夕日の圓蔵寺本堂

拡大写真(1380X1400)379KB

 初春や夕日に染まる七日堂  北舟 

はつはるや ゆうひにそまる なのかどう

   午後6時ころ、「民宿そめや」の炬燵(こたつ)を囲んで心づくしの夕食を取った。以前は多くの客を取っていたが、経営者が老齢のため、最近は長谷川さんと彼の友人しか泊めないという。今年は裸詣りがウィークデーになったため、例年にくらべて参加者が少なく、そめやの宿泊客は我々3人だけである。

「民宿そめや」の夕食で出陣前の乾杯!

「民宿そめや」の夕食で出陣前の乾杯!

拡大写真(1400X1050)389KB

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