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Wa☆Daフォトギャラリー

 旅紀行日本の裸祭り

2009年3月24日改訂

今 日

昨 日

♪和楽器メドレー

拡大写真(1600X1200)419KB

柳津や大盃巡る囲炉裏端  北舟

2008年1月16日制作

深夜まで続いた交歓の囲炉裏端

深夜まで続いた交歓の囲炉裏端(福島県河沼郡柳津町)

 

七日堂裸詣り

囲炉裏

   鰐口に登るのも大変だが、降りるのはもっと難しそうである。下を見ると恐怖感に駆られそうだし、重力に抗してゆっくりと降りてゆかないと、怪我をしてしまう。

大鰐口から降りる

大鰐口から降りる

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   NHKが取材していたジェイソンさん。前頁2コマ目の右端に彼の姿が見えるが、残念ながら外国人は誰も鰐口登りに成功する人はいなかった。よほど身軽でないとビギナーではハードルが高い。

登れなかったジェイソンさん

登れなかったジェイソンさん

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牛王ごおう

の矢
 本堂で男たちが鰐口登りに挑戦している間、住職はその内陣で悪魔退散無病息災の願いを込めて牛王の矢一本一本に経をあげる。全部で365本用意され、全ての経が上がると二番鐘(にばんがね)が鳴らされ、祭りが終わる。

頑張る紫褌のお爺さん(最高齢75歳

頑張る紫褌のお爺さん(最高齢75歳)

   午後9時半、七日堂の入口で裸男たち一人一人に牛王の矢が手渡された。牛王の矢はホオノキの新枝で出来ており、牛王法印の護符が巻かれている。今年も昨年同様、約300本が交付された。
ホオノキの矢に挟んだ

牛王法印ごおうほういん

の護符を拝受

ホオノキの矢に挟んだ牛王法印(ごおうほういん)(護符)を拝受

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 柳矢の牛王法印寺年始  北舟 

やなぎやの ごおうほういん てらねんし

和気藹々

和気藹々

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   かつては、護符を撒いて男たちが奪いあっていたが、新潟県・弥彦神社で大惨事*が起きて以来、事故防止を最優先とし、今の方式に切り替えたという。
*新潟県・弥彦神社で惨事:【弥彦神社事件】昭和31年(1956)元旦午前零時過ぎ、新潟縣西蒲原郡弥彦村の弥彦神社の拝殿前で行われた恒例の餅蒔きに初詣客が殺到し、その重さで15段ある石段を登り切ったところにある玉垣が崩れ、支えを無くした参拝客が2m下まで落下したため、次々に折り重なるように倒れ込み、死者124名、重軽傷者77名の大惨事となり、初詣の事故としては、過去最多の死傷者を記録した。

石段を下る裸男たち

石段を下る裸男たち

拡大写真(1600X1100)308KB
 

113段の石段を下った裸男たちは、福引きのため、表参道入口の川寄りに建つ観光案内所で長蛇の列を作った。

観光案内所の福引きの列

観光案内所の福引きの列

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抽選機を廻して、黄玉が出ると大当たりの清酒1升がもらえる。緑玉は4合瓶、紫玉は2合瓶で、空くじはない。

黄玉の清酒一升

黄玉の清酒一升

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  年の酒褌衆の福の籤  北舟 

としのさけ ふんどししゅうの ふくのくじ

ドイツやカナダなど外国からやってきた裸たち

ドイツやカナダなど外国からやってきた裸たち

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大当たりの長谷川さん

大当たりの長谷川さん

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裸男たちは、福引きの後、無料休憩所で甘酒などを飲んで冷え切った身体を温め、三々五々引き揚げていった。

無料休憩所の長谷川グループ

無料休憩所の長谷川グループ

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「民宿そめや」の歓待

 「民宿そめや」では、96歳のお婆ちゃんや奥さんが炬燵(こたつ)を囲炉裏(いろり)にして帰りを待っていた。お婆ちゃんは少し耳が遠いが、とても元気で、こまごまと面倒を見てくれた。アメリカからやってきた Kaz Takahashi さんは、この光景に日本人のアイデンティティ(日本人らしさ)を感じたようで、とても感激していた。

囲炉裏に火を入れて待ってくれていた「そめ屋」の96歳のお婆ちゃんと奥さん

囲炉裏に火を入れて待ってくれていた「そめ屋」の96歳のお婆ちゃんと奥さん

拡大写真(1400X1170)372KB

   長谷川グループは「そめや」の風呂で暖を取ったあと、囲炉裏端で車座となり、朱塗りの大盃で清酒を廻し飲みして新年を祝った。我々もご相伴にあずかり、夜遅くまでつきない話題に花が咲いた。
  柳津や大盃巡る囲炉裏端  北舟 

やないづや たいはいめぐる いろりばた

深夜まで続いた交歓の囲炉裏端

深夜まで続いた交歓の囲炉裏端

拡大写真(1600X1200)419KB

 
鉢巻(手拭い)と

牛王法印ごおうほういん

の矢
 翌朝、仏間をお借りして、長谷川さんが手にした鉢巻と牛王の矢を見せてもらった。鉢巻は、会津柳津観光協会が作成したもので、白い晒木綿に福島県十大祭・七日堂裸詣りの文字が染められていた。

鉢巻(手拭い)と牛王法印の柳矢

鉢巻(手拭い)と牛王法印の柳矢

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   牛王の矢は、先端の冬芽がそのまま鏃(やじり)になったホオノキの新枝で出来ている。長さは55cmほどあり、先端の冬芽の長さは約5cm、太さは1cmほど。矢羽の部分は、15cm〜20cmほど皮が剥かれ、二つに割られて牛王宝印が挟んである。

王の矢に挟まれた牛王法印

牛王の矢に挟まれた牛王法印

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   牛王宝印の大きさは、8寸×尺1寸(24cm×33cm)の和紙を横に使い、墨書された梵字が6字と朱色の宝印が5箇所、文字に重ねて押されている。牛王宝印は矢羽の形に4つに折られ、ホオノキの矢羽の部分に挟まれ、固く巻きつけられていた。
 ホオノキは、モクレン科の落葉高木で、夏の土用のころ幹と枝の皮をはぎ取り、日干しにして乾燥させると、和厚朴(わこうぼく)という生薬(しょうやく)となり、鎮痙、鎮痛、利尿、去痰などの薬効があるという。

牛王の矢から取り出した牛王法印

牛王の矢から取り出した牛王法印

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   「そめや」の前の道路に出てみると、生憎の雪模様で、道路のセンターラインに設置した融雪装置から地下水が流れ出ていた。防寒衣の子供たちが学校に向かい、柳津は、非日常から日常の朝に戻っていた。

翌朝の柳津、登校風景

翌朝の柳津、登校風景

拡大写真(1600X870)347KB

和田義男

  
撮 影


2008年1月7-8日


OLYMPUS  E-3

 
12-60mm


 

1000万画素 1,140枚 2.5GB
 

 外気温零度の中、地元民と全国から馳せ参じた褌一丁の男たちが残雪の境内で揉み合いながら本堂の鰐口や梁によじ登るという単純明快な裸祭り。
 終わって石段を下りて行く参加者の口からは、痛い痛いという声が聞こえた。裸足の足が痛く、感覚が無くなってくるという。
 しかし、福引きが終わった後は名湯・柳津温泉に入って暖を取り、酒を酌み交わしながら深夜まで交歓する楽しみがある。初春を寿ぐ雪国の心温まる裸祭りだった。

謝 辞

 この作品を発表するにあたり、久保 順さんKaz Takahashi さん、大阪府 T.Y. さん東京都 Og さんから画像の提供を受けました。筆者一人の撮影では手が廻らないシーンを多数収録することができ、単調になりがちな作品に彩りを添えていただきました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。有り難うございました。

日本の祭り第95集/日本の裸祭り第68集 「七日堂裸詣り」

撮影・制作 : 和田義男

  平成20年(2008)1月16日 作品:第1作 画像:(大53+小16) 頁数:4 ファイル数:135 ファイル容量:26MB
  
平成12年(2000)〜平成20年(2008) 作品数:272 頁数:938 ファイル数:31,450 ファイル容量:4,549MB

【編集子が選ぶ傑作】

大鰐口登りのパノラマ画像

大鰐口登りのパノラマ画像

パノラマ写真(1500X1800)444KB

Kaz Takahashi さんのこと

 Kaz Takahashi さんは、本名を高橋和男といい、鹿児島県出身で今年還暦を迎えられた。2006年11月3日、次のe-mail をいただいてから、お付き合いが始まった。
★e-mail★彡 はじめまして。私はアメリカ、フロリダ州在住の日本人カメラマンです。あなたのサイトを祭りのサイトで発見してその行動力の迫力に圧倒され、メールを差し上げている次第です。

私は1948年生まれで和田さんより一つ年下です。アメリカに来てから24年が経ちます。職業はフリーのカメラマンで、おもにプロスポーツを撮影しておりましたが、10年くらい前からアメリカの自然に興味が移り、アメリカの国立公園の撮影に挑戦、7年かけて58カ所全部を回りました。

幸運にも、昨年学研から「アメリカの遺産」というタイトルで出版でき、今年の夏は品川のキヤノンギャラリーSで1ヶ月間の写真展を開くことが出来ました。私のサイトは www.kaz-photography.com です。

【編集子が選ぶ傑作】

鰐口に到達した小学生

鰐口に到達した小学生

拡大写真(740X1100)226KB 撮影:東京都 Og

ところで、メールを差し上げたのは、今、日本の祭りに非常に興味を持っているからです。今年の夏、フロリダにある美術館で、私がアメリカに来る前に撮影した能登半島の写真展 http://kaz-photography.com/gallery/ を開かせて頂きましたが、そのときアメリカ人に「どうしてもっと日本の写真を撮ってみんなに見せてくれないのか」という言葉からでした。

和田さんのサイトを拝見して、自分の中に眠っていた日本人の心がどんどん大きくなってくるのを感じます。来年は機会を作り、なるべく日本へ行き、裸祭りや奇祭と呼ばれる祭りに挑戦したいと考えています。もし機会がありましたら和田さんにもお会いして、いろいろご指導いただきたいと考えています。・・・

現在の予定は黒石寺蘇民祭/なまはげ/西大寺会陽/国府宮裸祭り/など2月に行われるお祭りに行けたらと考えています。・・・

長々と書いてしましましたが、和田さんのサイトを知ってこれまで何回となく訪問しましたが、忘れかけていた日本の良さを発見してとても感動し、同じ年代の人間としてとても刺激を受け、また頼もしさを感じました。・・・

「民宿そめや」の夕食

左から長谷川昭司さん、筆者、Kaz Takahashi さん

「民宿そめや」の夕食

拡大写真(1400X1050)389KB

 私は、2007年2月の黒石寺蘇民祭で山本グループの密着取材を予定していたので、ご一緒することになり、山本さんのご了解を得て準備していたところ、急な仕事が入って来日できなくなったため、去年の蘇民祭は私の単独取材となってしまった。
 2007年12月に高橋さんから年末の挨拶状を頂いた折、今回の七日堂裸詣りの取材を計画されていることを知り、長谷川さんのご尽力で「民宿そめや」に宿を確保し、このたび行動を共にすることができた。翌日、高橋さんから次のメールをいただき、満足されたことを知って大変嬉しく思っている。
★e-mail★彡 会津柳津の裸参りでは大変お世話になりありがとうございました。皆さんや地元会津の方たちと知り合え、祭りを通し、改めて自分の日本人としてのアイデンティティを再確認しました。

裸祭りに対する抱いていた偏見みたいなモノも、長谷川さんみたいにただ参加するだけではなく、祭りに対し勉強し、自分の精神までもたかめておられる人がおられるということも初めて知り、変わりました。そんな意味から日本人の原点を再発見した貴重な旅となりました。・・・
 高橋さんは、今年2月に再来日され、黒石寺蘇民祭や西大寺会陽などを取材される予定なので、機会があればご一緒したいと考えている。 2008.1.16 〈 完 〉
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