吉野山の桜は、山の下から上に向かって、ケーブル付近の下千本(しもせんぼん)、如意輪寺(にょいりんじ)付近の中千本(なかせんぼん)、吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)付近の上千本(かみせんぼん)、西行庵(さいぎょうあん)付近の奥千本(おくせんぼん)と順に開花していくので、見頃が長い。
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上千本などの言葉は、桜の咲いている地域を指す。今年は暖冬で開花がはやく、下千本と中千本が同時に開花し、吉野を訪れたときには、上千本が満開を迎えていた。
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山麓から吉野山駅までは、地元ではケーブルと呼ぶロープウェイが通じているので、中千本までなら誰でも手軽に登ることができる。
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金峰山
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奈良県中部吉野の金峰山(きんぷせん)は修験道発祥の山として知られ、全国に分布する金峰山やそこに祀られる蔵王権現(ざおうごんげん)はこの吉野の金峰山を模倣し勧請(かんじょう 離れた土地より分霊を迎えること)したものだという。
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東京都西部の青梅市にある御岳山(みたけさん)は、別名を金峰山(きんぷせん)といい、江戸西方の蔵王信仰の山として知られるが、吉野金峰山を勧請したものである。
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吉野山
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空海や聖宝(しょうぼう
平安前期の僧 天智天皇6世の孫)との関係から修験道当山派の拠点とされてきた吉野山(よしのやま)は、金峰山(きんぷせん)から北西方向に連なる約8kmの山稜部分を指す。
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金峰山修験本宗の総本山金峯山寺(きんぷせんじ)の本堂が蔵王堂で、国宝に指定されている。吉野山には源義経や南朝ゆかりの史跡や伝承地が多い。
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吉野の桜を詠む歌は古今集に始まるが、平安中期まではむしろ山岳信仰と結びついて雪の山として詠まれることが多かったという。
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金峰神社
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金峰神社(きんぷじんじゃ)入り口でタクシーを降りる。これ以上の山奥には車道がない。参道を登ると小さな神社がある。鳥居の側の小屋に白装束のおばさん(巫女)が一人、お守り札を並べて座っていた。
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