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2010年3月29日改訂

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マッターホルンの雄姿(スイス)

マッターホルンの雄姿

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2003年7月31日制作



はじめに

 4000m級の山々が連なるスイス・アルプスの中で女王と呼ばれるマッターホルン。標高4478m、山頂には夏でもなお白銀の雪を冠するこの美しい山は、古くから世界中のアルピニストたちを魅了し続けてきた。

トレッキング・ルート

トレッキング・ルート

クリックすると小屋の位置がわかります

 1999年8月10〜19日、ツェルマット・マッターホルン展望トレッキングに参加した。マッターホルン(4,478m)を展望しながら周遊するツアーで、日本人とは出会わないであろうと思われるコースを歩いた。
 今回のツアーは、同行の松尾さんの友人で登山家の雨宮節さんが関与される山岳関係の旅行社に組んでもらったもので、雨宮さんも同行された。
 関空発香港経由で8月11日チューリッヒに到着、列車でツェルマットに入った。
 パーティは、1996年のニュージーランド登山以来ご一緒しているメンバー6人とガイド2人の8人で、天候にも恵まれ、刻々と変化してゆくマッターホルンの姿をカメラに収めながら大変楽しい山歩きが出来た。

ツェルマットの駅前

ツェルマットを後に登山開始

ツェルマットの駅前 ツェルマットを後に登山開始

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ツェルマット Zermatt

 標高1620mのツェルマットは、スイスのバレー地方にあるアルプス観光の基地で、人口3548(1980)。中世にはアルプス越え通商路の集結地点にすぎなかったが、19世紀中葉に始まる登山熱の中で登山基地として有名になった。
 特に1865年イギリス人ウィンパーがマッターホルンの初登頂に成功すると、この地は登山家たちの一種の聖地となった。1891年、ツェルマットまで鉄道が敷かれ、1898年にはゴルナーグラートへの登山電車が開通し、スキー客や一般観光客も多数訪れるようになっている。

花咲く登山道

休憩したトゥリフト小屋 Hotel du Trift

花咲く登山道 休憩したトゥリフト小屋

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ロートホルン小屋

 初日は、標高1620mのツェルマットの町よりエーデルワイス小屋(1901m)を通り、トゥリフト(2337m)を経由して宿泊のロートホルン小屋(3200m)迄を歩いた。(歩行時間:約5時間)

ロートホルン小屋

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マッターホルンのモルゲンロート (ロートホルン小屋より)

 モルゲンロート Morgenrot : 夜明け前に高い尾根筋がまず太陽の光を受けて赤く輝くこと。ドイツ語。

マッターホルンのモルゲンロート

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スイスの民族楽器

アルプホルン
アルプホルン

資料

BGM

♪MIDI アルプホルン〜エンメンタール美わし〜ホルディリディア〜ふるさと楽し〜僕の山仲間

 アルペンホルンともいわれるが、アルプホルンが正解。3m40cmの樅ノ木を手作業でくりぬいた大変手間のかかった珍しい楽器である。
 BGMは、アルプホルンによるスイス民謡。最初は「アルプホルン」という曲で、アルプホルンの響きがアルプスの峰にこだまする雰囲気を歌った曲である。
 続いて曲の後半がヨーデルでみんなに親しまれている「エンメンタール美わし(アルプスの谷間)」、愉快な曲でポピュラーな「ホルディリディア」、「ふるさと楽し」、「僕の山仲間」と5曲が繰り返される。

♪アルプホルン(スイス民謡)

(1) 朝日に映ゆる 高嶺の雪
   み空遥かに 星うつろえば

   かそけく響く 天(あま)つ調べ
    これぞ アルプホルンの
    妙(たえ)なる節(ふし) 
    ホルディオウディ ホルディオウディ
    ディオディ リディディディウディオ
    ホルディオウディ ホルディオウディ
    ディオディ リディウディオ
(2) 氷河涌きいずる 川のほとり
  エーデルワイスさやかに咲くところ
  (繰り返し)

(3) 谷に夕べこめ 峰は燃ゆる
  清き静寂(しじま)に 鈴の音消えて
  (繰り返し)

            歌詞: 早川 義郎
アルプホルン:スイス民謡 ガッスマン作曲 〈Alphorn: Switzerland Folk Song composed by Gassman〉

マッターホルンとパーティ

マッターホルンとパーティ

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マッターホルン Matterhorn

 ヨーロッパ・アルプスのワリス山群にあり、スイスとイタリアの国境上に聳える山。標高4478m。モンテローザ山塊の主峰で、スイス側の登山基地となるツェルマットから南西10kmに位置している。 
 ピラミッド形の美しい山容はアルプスの象徴的な存在となっている。フランスとフランス語圏スイスではモン・セルバン Mont Cervin 、イタリアではモンテ・チェルビノ Monte Cervino と呼ばれている。
 1865年7月14日、イギリス人 E. ウィンパーの一行によってスイス側の北東稜(ヘルンリ山稜)から初登頂されたが、下山中7名のうち4名が墜落死するという遭難事件が発生した。
 最も難関である北壁は、1931年ドイツのシュミット兄弟によって初登はんされ、冬期初登はんは1962年2月、H. V. アルメン、P. エッターのスイス隊によって樹立された。スイス側ヘルンリ山稜からの一般ルートはツェルマットを登山基地として、毎夏、多くの登山者によって登られている。

アルプスの女王マッターホルン

アルプスの女王マッターホルン

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マッターホルンと花畑

マッターホルンと花畑

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ショーンビェル小屋

 二日目は、ロートホルン小屋よりトゥリフトを経由してショーンビェル小屋に入って宿泊した。(約6時間)

ショーンビェル小屋

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ツムット氷河  Z’Mutt Glacier

 ショーンビェル小屋近くから見たツムット氷河。雄大な景観が広がる。

ショーンビェル小屋近くの氷河

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マッターホルンの朝焼け (ショーンビェル小屋より)

マッターホルンの朝焼け

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さらばショーンビェル小屋

 山小屋は、日本と比べて寝るところも2段ベットで清潔、食事もおいしく、羨ましい限りであった。

さらばショーンビェル小屋

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ツムット村に到着

ツムット村のレストラン

ツムット村に到着 ツムット村のレストラン

拡大写真(1024X680)170KB

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 三日目は、ショーンビェル小屋よりツムット村に入り、食事を楽しみ、ツェルマットに無事帰り着いた。(約4時間半)

エーデルワイス
edelweiss / Leontopodium alpinum Cass.

エーデルワイス
 夏に美しい白い花を開くキク科の多年草で、ヨーロッパと小アジアの高山に産し、日本のミヤマウスユキソウと近縁。高さ10〜20cm。茎・葉に白い軟毛を密生し、頂端の星状に開く苞の上に数個の頭花をつける。西洋薄雪草とも呼ばれる。
 転じて、ウスユキソウの仲間をこの名で呼ぶことがある。高山植物として有名で、人の近づかない万年雪の岩の裂け目に野生するため、登山家たちのあこがれの花となった。
 名前はドイツ語の Edel (高貴な) Weiss (白)に由来する。エーデルワイスの学名 Leontopodium は〈獅子の足〉の意で、これは毛皮状の葉にくるまった花がライオンの足を思わせるためであろう。
 イタリア語では「ステラ・アルピナ(アルプスの星)」、フランス語では「エトワール・ダルジアン(銀の星)」と呼ばれている。

資料

[伝説] スイスには純潔の乙女と結びつける伝説が語られている。昔アルプスの村に絶世の美女がいたが、彼女を妻とするにふさわしい男が絶えていなかったため、乙女はついに嫁ぐことなく世を去った。
 エーデルワイスは乙女の生れ変りで、アルプスの山男や狩人がその白い花を帽子に飾るのは、最も美しい乙女を妻に迎えたいという思いを表しているのだという。
 花ことばは〈気高く毅然(きぜん)とした勇気〉〈純潔と不死〉。スイスの国花、ミュージカル《サウンド・オブ・ミュージック》中の曲名としても有名。 

綿帽子のようなエーデルワイス

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スイスでも貴重なエーデルワイス

   エーデルワイスは、スイスでも自生しているのを見るのは困難なほど減少している。約90年ほど前にスイスに高山植物保護法が出来たのも、エーデルワイスが土産や薬草用に乱獲され著しく減少したのがきっかけだという。
   写真のエーデルワイスは、ショーンビェル小屋を出てマッターホルンやツムットに行く分岐点の手前で見つけた。

Edelweiss ( Sound of Music ) 

Edelweiss, edelweiss, every morning you greet me.
Small and white, clean and bright, 
you look happy to meet me.
Blossom of snow may you bloom and grow, 
bloom and grow forever.
Edelweiss, edelweiss, bless my homeland forever!





Small and white, clean and bright, 
you look happy to meet me.
Blossom of snow may you bloom and grow, 
bloom and grow forever.
Edelweiss, edelweiss, bless my homeland forever!

プロフィール

撮影・原作: アマチュア山岳写真家 南光 優 (なんこう まさる)

住居:豊中市

趣味:パソコンいじり、写真、山登り、ガーデニング

 スイスの山々については、カレンダーや旅行案内、近年ではインターネット等で良く見かけているので、ツエルマットに着いて近郊を散策している時は、6人中4人が女性であるせい(?)か、花の観察を除いては談笑の方が忙しいぐらいで、写真も記念撮影の域を出なかった。
 しかし、一旦山に入り、大自然に囲まれ、高山植物を愛で、マッターホルンをはじめ次々とアルプスの山々が目に入ってくると、その雄大な景色に引き込まれ、感動につられてカメラのシャッターも忙しくなっていった。
 花の方は、はじめて見る花もいくつかあったが、日本で見られる花も多く、肝心のエーデルワイスは、今は少なくなっているせいでなかなか見当たらなかったところ、見つけた人が登山道にエーデルワイスと書き、矢印で示してくれていたので、カメラに収めることが出来た。
 まさに貴重品で、非常に幸運だった。(ツエルマットの教会の傍の墓地にエーデルワイスの花がたくさん添えられていたが、栽培された花ではないかと思う。) 
 いつも見ているスイスの牧歌的な美しい景色からは想像し得なかったのは、放牧されている羊の糞の臭いで、3000mの高地でも同じだった。〈 完 〉
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