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和田義男

 旅紀行ジャパン

2005年1月10日改訂

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♪婆さま BGMの小箱

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2004年2月13日作成

明善寺庫裡

明善寺庫裡


白川郷しらかわごう

 白川郷は、岐阜県北西部、庄川(しょうがわ)とその支流の渓谷部の地域名で、大野郡白川村、荘川村(しょうかわむら)と清見村(きよみむら)の一部からなる。近世後期から明治末期ごろまで家長と長男以外は結婚を許されない大家族制度がとられたところで、茅葺き(かやぶき)の大きな合掌造りの民家が今も残っている。

 かつては近代交通から隔絶した秘境であったが、昭和36年(1961)に完成した御母衣(みぼろ)ダムをはじめ多くの発電用ダムが建設され、岐阜市方面からの国道156号線、高山市方面からの国道158号線が整備されて交通も便利になった。

秋葉神社

みたらし団子

秋葉神社 みたらし団子

拡大写真(1200x900)170KB 【E-1 28mm  F9.0 1/400秒 ISO200】

拡大写真(1200x900)210KB 【E-1 28mm  F7.1 1/250秒 ISO200】

どぶろく祭

資料

 白川郷には白山(はくさん 2702m)への登山口があり、山地を横断するスーパー林道も開設された。近年はスキー場やゴルフ場クアハウスなども開設され、林業地から観光地への転換が進んでいる。

どぶろく祭

 かつて白川郷は、平家落人の里(へいけおちうどのさと)といわれ、古くから外との交易のない土地柄であったため、村人自らが粟(あわ)・稗(ひえ)などの雑穀類で地酒をつくっていた。

 毎年秋の深まる10月中旬には、白川八幡宮などの神社で「どぶろく祭」が盛大に行われ、無形文化財の白川民謡「古大尽(こだいじん)」や獅子舞などが奉納される。

合掌造りの家々

合掌造りの家々

拡大写真(1200X800)168KB 【E-1 46mm/28-108mm  F9.0 1/400秒 ISO200】

向かって左が庫裡、その右が鐘楼門、後が本堂

夏の明善寺

(1024X768)251KB 【南光優氏撮影 2003年8月2日】

明善寺みょうぜんじ

 白川村には10の寺があるが、その中で明善寺は最も檀家が多く、由緒もはっきりしているという。

 明善寺は今から約260年前の延享(えんきょう)5年(1748)に創立された浄土真宗の寺で、本堂、鐘楼門、庫裡(くり)ともに茅葺きの寺は、全国的にも珍しいという。
 中でも約200年前の江戸時代に建てられた五階建ての庫裏は、白川村最大の合掌造りであり、郷土館として古い農機具や民具などが展示されている。
 本堂は村指定重要文化財、庫裏と鐘楼門は県指定重要文化財となっている。また、県指定天然記念物のイチイ(一位)の木(目通し廻り3.5m 樹高10.6m)がある。

明善寺本堂(奥)と庫裡

明善寺本堂(奥)と庫裡

拡大写真(1200X900)181KB 【E-1 50mm/28-108mm  F8.0 1/400秒 ISO200】

雪帽子をかぶった鐘楼門

 明善寺創建時に造られた飛騨匠(ひだのたくみ)の作。良材の総欅造り(そうけやきづくり)で、上層屋根裏は御光垂木(ごこうたるき)の優美な茅葺き構造である。この鐘楼は、合掌造りの本堂と調和するように設計されている。

雪帽子をかぶった鐘楼門

拡大写真(1200X900)243KB 【E-1 40mm/28-108mm  F7.1 1/250秒 ISO200】

 冠雪の鐘楼の門凛と立つ 北舟 

かんせつの しょうろうのもん りんとたつ

明善寺本堂

 約260年前の江戸時代に飛騨高山(ひだたかやま)の国分寺の塔の建立(こんりゅう)にゆかりの棟梁大工により数年を要して建てられた。延人足9,191人との記録がある。厳選された総欅(けやき)材を用いており、長い年月を経ても劣化や割れ目がないという。

明善寺本堂

拡大写真(1200X900)243KB 【E-1 28mm/28-108mm  F9.0 1/400秒 ISO200】

明善寺

庫裡くり

 庫裡とは住職や家族の居所で、約200年前の徳川末期に飛騨高山と地方の棟梁大工が協力して3年間の歳月をかけて建てられたという。五層の合掌造りは、釘と鎹(かすがい)を一切使わず、楔(くさび)の他は藁縄(わらなわ)とネソ(粘気の灌木)でしめくくったもの。この方法は合掌造り全般に共通する特徴である。

 茅葺きの切妻屋根は雪を落とすため、60度に近い急勾配になっている。この建物は白川郷の五階建て合掌造りとして最大随一のものであるという。居住区は一階のみで、二階から上は作業場や収納区画となっている。

明善寺庫裡

拡大写真(1200X900)198KB 【E-1 28mm/28-108mm  F7.1 1/200秒 ISO200】

庫裡の二階

 急な梯(はしご)状の階段で二階にのぼった。合掌柱、くだり、合掌梁などの部材が全て藁縄で結ばれ、囲炉裏(いろり)の煙で燻(いぶ)されて漆塗り(うるしぬり)のような光沢があり、風格を感じる。煙による防腐効果のお陰で、200年という長い年月を経てもびくともしないという。

 板張りの床は、中央部を簀子(すのこ スリット)にし、天井を格子(こうし)にして、囲炉裏の煙が天井裏全体に行き渡るように工夫されている。見学時にもかすかに煙が漂い、焚き火の匂いがした。
 庫裡の二階には古い農機具や民具などが展示されている。昔は道具置き場や作業場として使われていたという。農家などでは養蚕(ようさんかいこを育てて繭まゆをとる作業)などの仕事場であった。

二階の側面

二階の側面

拡大写真(1200X900)194KB 【E-1 28mm/28-108mm  F2.8 1/30秒 フラッシュ ISO200】

二階の床と天井

二階の床と天井

拡大写真(1200X900)136KB 【E-1 28mm/28-108mm  F4.0 1/40秒 フラッシュ ISO200】

庫裡の三階

 家内を二階に残して三階にあがってみた。三階は通路が板張りになっている他は格子のままである。両方の妻(屋根の側面)にはそれぞれ三ヵ所に障子がある。三階は物置として使用されているようだ。

 写真右には四階への梯が見える。四階の妻にも障子が一ヵ所設けられている。最上層の五階は障子がない。

庫裡の三階

拡大写真(1200X900)194KB 【E-1 28mm/28-108mm  F2.8 1/30秒 フラッシュ ISO200】

本殿の御本尊

 続いて本殿に案内された。本殿は別棟であるにもかかわらず、庫裡の中にいるような錯覚を覚えた。家内と二人きりで御本尊と対峙した。260年にわたる黄金の輝きは今も健在で、住職のお勤めの様子が偲ばれた。合掌。

本殿の御本尊

拡大写真(1600X1200)267KB 【E-1 28mm/28-108mm  F2.8 1/30秒 フラッシュ ISO200】

庫裡の居間

 最後に囲炉裏(いろり)のある居間に入れて頂いた。先ほどまで家人がいたようで、申し訳なく思った。我々夫婦以外には見学者がおらず、庫裡は静寂に包まれていた。居間は板張りで、茣蓙(ござ)が敷かれている。

 茣蓙の上には座布団が置かれている。家族団欒の光景が目に浮かぶ。斧(おの)で割ったと思われる立派な薪(まき)が赤い炎を出して燃えており、鉄瓶から白い湯気が立っている。テレビは見あたらず、昔と変わらない雪国の素朴な生活が今に受け継がれていた。

庫裡の居間

拡大写真(1200X900)208KB 【E-1 46mm/28-108mm  F3.0 1/50秒 フラッシュ ISO200】

 静かなる庫裡の囲炉裏の明々と 北舟 

しずかなる くりのいろりの あかあかと

家人に貴重な体験をさせて頂いたお礼を言い、庫裡を後にした。

明善寺庫裡の玄関

拡大写真(1200X900)198KB 【E-1 28mm/28-108mm  F8.0 1/250秒 ISO200】

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