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山口市は山口県の県庁所在地で、人口約19万。下関市(約30万人)に次いで県内第二の都市である。南北朝時代に大内弘世(おおうち・ひろよ)(1325?-1380)がこの地に大内氏の本拠を定めた。 |
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室町時代には、日明(にちみん)貿易が行われ、文正2年(1467)から11年間続いた応仁の乱以後、乱を逃れて来訪した文化人を歓迎したので、「西の京」として栄えた。戦国時代には、大内氏第15代当主・義興(よしおき)(1477-1529)や第16代当主・義隆(よしたか)(1507-1551)が市街を整備し、栄華を極めた。 |
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桜山を背景に春雨に煙る瑠璃光寺五重塔/山口市 |
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パノラマ写真(1970x900)534KB |
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瑠璃光寺は、山口県庁の近くにある曹洞宗の禅寺で、境内の池泉回遊式庭園に建つ国宝・五重塔は、大内(おおうち)文化の最高傑作といわれ、西の京・山口のシンボルとなっている。 |
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この塔は、現存する五重塔の中では10番目に古く、その美しさは日本一といわれ、京都の醍醐寺と奈良の法隆寺の五重塔と共に日本三名塔のひとつに数えられる。 |
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緑豊かな瑠璃光寺境内 |
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パノラマ写真(2200x610)336KB |
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周防(すおう)の守護大名だった大内氏第10代当主・大内義弘(おおうち・よしひろ)(1356-1400)は、応永2年(1395)この地に香積寺(こうしゃくじ)を建立したが、応永6年(1399)の応永の乱で戦死した。 |
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弟の大内氏第11代当主・盛見(もりみ/もりはる)(1377-1431)は、兄・義弘の霊を弔うため、香積寺(こうしゃくじ)境内に慰霊塔の建立を計画し、その没後、嘉吉(かきつ)2年(1442)に五重塔が完成した。 |
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日本一美しいといわれる五重塔 |
春雨桜と柔らかな新緑に囲まれた五重塔は、どの角度から見ても素晴らしい。 |
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方三間の五重塔は、九輪の尖頭まで31.2mあり、珍しい檜皮葺総桧造(ひわだぶき・そうひのきづくり)の屋根を持ち、各層とも屋根の勾配はゆるやかで、軒(のき)が広く張り出した優美な形状を誇る。 |
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和様を主体に一部禅様を採り入れた塔は、室町時代の建築としては装飾が少ないのが特徴。大内氏隆盛時の文化を示す貴重な遺構として明治36年(1903)国宝に指定された。 |
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雨に濡れる国宝・五重塔 |
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戦国時代の天文20年(1551)、重臣の陶晴賢(すえ・はるかた)の謀反(むほん)に遭って大内義隆が自害すると、大内氏は急速に衰退した。陶氏(すえし)の時代を迎えた周防では、文明3年(1471)陶弘房(すえ・ひろふさ)の夫人が夫の菩提を弔うために、現在の山口市仁保(にほ)に菩提寺を創建した。はじめ安養寺と称したが、明応元年(1492)瑠璃光寺と改名した。 |
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瑠璃光寺回廊 |
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パノラマ写真(2000x900)438KB |
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この地にあった大内氏ゆかりの香積寺(こうしゃくじ)は、慶長9年(1604)萩に移され、元禄3年(1690)瑠璃光寺が仁保からこの地に移り、現在に至っている。瑠璃光寺境内の国宝・五重塔は香積寺の遺構である。 |
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閻魔大王のお寺 |
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瑠璃光寺は曹洞宗で、山号を保寧山といい、本尊は薬師如来。防長(ほうちょう 周防すおうと長門ながと)屈指の大寺で、経文や画像など多くの寺宝が所蔵されている。 |
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瑠璃光寺本堂の本尊・薬師如来像 |
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瑠璃光寺の境内には、山口市に大内氏の本拠を構えた第9代当主・大内弘世(おおうち・ひろよ)(1325?-1380)の騎馬像が立ち、かつて「西の京」として栄華を誇った大内文化の創始者として慕われている。 |
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第9代当主・大内弘世の騎馬像 |
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2006年1月20日から2月12日まで、五重塔一階の四方の扉がほぼ半世紀ぶりに開かれ、阿弥陀如来(あみだにょらい)像や約2600冊の経本などが公開された。四角形とされる須弥壇(しゅみだん)(仏像安置用の台座)は珍しい円形で、見学者の注目を集めたという。 |
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独特の柔らかさと優しさを漂わせる五重塔。四季の移ろいに調和し、いつどこからどのように眺めても良く、見飽きることがない。日没からのライトアップでは、幻想的な世界が描き出されるという。 |
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正面から見た端正な五重塔 |
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瑠璃光寺を中心に桜山一帯を公園化した香山公園は、桜の名所であり、また、幕末に毛利敬親(もうり・たかちか)が茶事にことよせて藩士と討幕の策を練ったといわれる露山堂(ろざんどう)や、薩長連合の志士が集った沈流亭(ちんりゅうてい)、明治時代以降の毛利家墓所、瑠璃光寺資料館などがある。 |
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隠れた名所「うぐいす張りの石畳」では、ある位置で手を叩くか強く足踏みすると、美しい音が返ってくる。 |
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春雨に濡れる散り桜 |
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