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平成23年(2011年)1月9日(日)、大漁旗や日の丸、五色の紙をつけた笹竹、吹き流しなどで飾られた満船飾の宝来船(ほうらいせん)が桂川を巡航する新年恒例の裸祭「ホーランエンヤ」が大分県豊後高田市で開かれた。 |
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【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
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宝来船が発航する前に参拝する琴平宮 |

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大分県無形民俗文化財のホーランエンヤは、豊後高田市が島原藩(長崎県)の領地であった江戸時代中期から島原や大坂の蔵屋敷に年貢米を送る廻送船の航海の安全と豊漁を祈願する行事として行われてきた。 |
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かつては元旦の行事だったが、現在は日中に満潮となる時間にあわせて日程が決められる。ホーランエンヤは、「宝来栄弥(ほうらいえいや)」「蓬莱*(ほうらい)へ、蓬莱へ」という掛け声から生まれた言葉とする説が有力だという。 |
*蓬莱(ほうらい):三神山の一。中国の伝説で、東海中にあって仙人が住み、不老不死の地とされる霊山。 |
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大漁旗で |
満船飾 |
になった |
宝来船 |
(前部) /
桂川(大分県豊後高田市) |
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ホーランエンヤ保存会が主催するこの祭は、漕ぎ手(こぎて)など氏子関係者が琴平宮に参拝した後、宝来船(ほうらいせん)に乗り込んで磯町(いそまち)を出発し、「ホーエーヤ ホーライエンヤ ヨイヤサノサッサ ヨイヨイヨイトセ」の掛け声とともに、紅白の福餅を岸辺の人々に配りながら河口に下った後、川上の豊後高田市役所前まで満潮(まんちょう)の上げ潮(あげしお)に乗って漕ぎあげるもので、豊後高田市の新春の風物詩となっている。 |
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▲▼ 祭りに使用される宝来船は、浅いところでも通れるように特別に設計した全長20m、幅5mの平底の木造和船で、片舷6丁の櫂(かい)と動力で推進する。公的補助を受けて平成13年(2001)頃に代替建造されたもので、ホーランエンヤ保存会が管理している。 |
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褌一丁で宝来船に乗り組んだ12人の漕ぎ手たち |

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▲▼
12丁の櫂(かい)の漕ぎ手は、全員、白晒の腹巻と前垂式六尺褌を締め、右舷の漕ぎ手は青鉢巻、左舷の漕ぎ手は赤鉢巻を締めている。鉢巻の色が海上衝突予防法に定める青(緑)の右舷灯と赤の左舷灯に一致しているのは、偶然だろうか。 |
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桂川の川岸に沿って河口に下る宝来船 |

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岸辺の観衆に紅白の福餅を投げ上げる役員たち |

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▼ 宝来船の前後には、派手な振袖をはおった小学男児が踊り子として乗り組んでいる。かつての水軍の風習の名残と思われるが、恵比寿・大黒に見立てている。二人の踊り子は、囃子方(はやしかた)が打ち鳴らす太鼓にあわせてシデ棒を振りまわしながら漕ぎ手たちを鼓舞する。踊り子が男児なのは、「船には女を乗せない」というかつての掟の名残であろう。 |
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小舞台で鼓舞する男児の踊り子 |

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兵庫県赤穂市坂越(あこうし・さこし)に鎮座する大避(おおさけ)神社で行われる船渡御祭に登場する櫂伝馬(かいでんま)の船尾には、シデ振りと呼ばれる派手な振り袖姿の女形(おんながた)が乗っている。音頭取りのテンポに合わせて両手のシデを振り廻し、漕ぎ手を鼓舞する役割である。 坂越の船祭り |
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▲▼ 櫂伝馬に乗り組んだ若衆組は、津々浦々を巡回して祝儀を貰い、かつては祝儀袋を誇らしげに笹に吊したという。現在は、沖合で漕走(とうそう)競争をしている間に、陸(おか)廻り組が祝儀を集めている。 |
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櫂伝馬の競り合い |

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桂川の河口に着いた宝来船は、反転し、岸辺をジグザグに航行しながら餅撒(もちまき)を行い、陸前高田市役所前の船着き場を目指す。 |
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桂川河口で左岸に向かう宝来船 |

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桂川をゆったりと進む宝来船 |

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宝来船の立ち寄り先は、あらかじめ決まっており、その場所には、大勢の市民が祝儀や清酒などの供え物を持って集まっていた。人々は、それらと交換に、福をもたらす紅白餅を受け取る。 |
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川岸の観衆と宝来船との素晴らしい交流! |

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▲▼ 川岸を埋める大勢の観客が見守るなか、褌一丁の若者が威勢良く厳寒の桂川に飛び込み、岸辺まで泳いで初穂料や清酒などの祝儀(しゅうぎ)を取りに行く。川に飛び込むのは、寒禊(かんみそぎ)という意味もあろう。若者たちにとっては、初泳(はつおよぎ)でもある。 |
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祝儀 |
を受け取りに厳寒の |
桂川 |
に飛び込む |
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ほうらいの びゃっこんいっぽん はつおよぎ |
The first swimming
of the year, only wearing a white loincloth of good fortune. |
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抜き手を切って泳ぐ |

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