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池ノ上 |
みそぎ祭を主催する |
神男 |
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「池ノ上みそぎ祭」は、中部地方では「國府宮(こうのみや)はだか祭」とともに知られる裸祭りで、翌日の中日新聞と岐阜新聞の朝刊は、ともに対岸から入浴シーンを撮影したカラー写真を第一面に掲載して報道していた。 |
「福」をもたらす神木/宝木(しんぎ)を奪い合う岡山や四国の会陽(えよう)と呼ばれる裸祭りに対して、「池ノ上みそぎ祭」では、裸の群の中心となる神男(しんおとこ)が「みそぎ」を主催し、参加者全員が斎戒沐浴して厄払いする追儺(ついな)神事であり、最後に、家族の幸せと繁栄を祈願して神を迎える「お神迎え」が行われる。 |
愛知の「國府宮(こうのみや)はだか祭」は、数千の裸男たちがその渦の中心にいる全裸の神男(しんおとこ)に触れて厄を落とす追儺(ついな)神事で、神男(しんおとこ)は、厄を一身に背負う存在であり、神男の役割は全く異なる。 |
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お祓いを受ける氏子長老らと3人の神男たち |
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「池ノ上みそぎ祭」は、白の晒木綿に「池上宮(いけのうえぐう)みそぎまつり」と赤く右横書きされた鉢巻と厄除(やくよけ)と赤く書かれた白晒木綿の越中褌のみを締めた裸男(はだかおとこ)たちが赤鉢巻に赤の水褌(すいこん)のみを締めた神男(しんおとこ)を中心に渦を形成しながら練り歩き、葛懸神社のそばを流れる長良川で垢離(こり)を取る。午後3時、7時、10時の三回にわたって行われ、今年は延べ約400人が参加した。 |
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禊始祭 |
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午後2時から本殿で禊始祭が行われた。拝殿には略礼服の祭典委員長ら長老の役員と共に白鉢巻と白の浄衣を着用した正禰宜(せいねぎ)、副禰宜(ふくねぎ)、子供禰宜が整列。神職による祝詞奏上(のりとそうじょう)、修祓(しゅばつ)の後、奥の幣殿(へいでん)で小学6年生の巫女(みこ)4人による厄祓いの神楽舞(かぐらまい)が奉納された。 |
神楽の奉納の後、厳かな雅楽(ががく)の調べが流れるなか、長老らによる玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われた。 |
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神社の入口には飛び入り参加を歓迎する掲示板が掲げられており、「みそぎ参加大歓迎」「御神酒鉢巻褌は祭元に用意してあります。公民館え来て下さい。祭元」と書かれていた。 |
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神社の裏にある祭元の池ノ上公民館で氏名などを記入して登録すると、無料で鉢巻と褌がもらえるので、参加者全員が統一された衣装でみそぎ祭を行うことができる。 |
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境内では、厄除餅(やくよけもち)と禊蕎麦(みそぎそば)が販売されていたが、みそぎに参加すれば無償でもらえる厄除褌(やくよけふんどし)は、販売されていなかった。 |
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池ノ上公民館 |
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祭元(裸の会場)の池ノ上公民館は、葛懸神社のすぐ裏手にあり、「池ノ上みそぎ祭」参加者の控え室兼脱衣所となっている。祭元の掟に従って、この場所に限り女人(にょにん)禁制となっている。 |
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第一回と第三回のみそぎには、池ノ上の氏子が正禰宜(せいねぎ)として神男(しんおとこ)を務めるが、第二回みそぎには、外部から登用される副禰宜(ふくねぎ)が神男をつとめる。今年は、正禰宜が池ノ上一丁目の氏子・奥村悟さん(会社員
39歳)、副禰宜は遠藤達也さん(公務員 43歳)。子供禰宜がつとめる神男は、氏名は公表されていなかったが、正禰宜の長男がつとめるのが習わしという。 |
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なお、「祢宜」は「禰宜」の略字で、正規には「禰宜」と記す。 |
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正禰宜は、12月5日から祭り当日まで本殿左に隣接する参集殿で「おこもり」に入る。昼は平常の仕事を勤め、夜は参集殿に泊まる。この間、女体を絶ち、食べ物の一部を禁止し、自分が炊いたものしか食べない「別火」をして、心身ともに「みそぎ祭」に備える。 |
「おこもり」の間に、漆の木で神迎祭(しんげいさい)の三方(三宝)(さんぽう)に必要な箸とオミオクサマ*に用いる杓子を作る。 |
*オミオクサマ:御食様 神男が炊いたご飯。神迎祭(お神迎え)の祭壇に供える。 |
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第二回みそぎ神男をつとめる副禰宜の遠藤達也さん |
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池ノ上公民館の入口に幼児が姿をあらわしたので、1枚パチリ。私の隣りに立つお母さんに聞くと、最年少の4歳児だという。まだ、涎が垂れる幼い子供だが、大人の褌を着けたあどけない姿が微笑ましい。 |
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みそぎまつりに参加すると貰える褌は、白晒木綿の越中褌で、前垂れに注連縄の絵と「厄除」の文字が赤く染め抜かれている。子供サイズの褌が足らないのか、大人と同じサイズの褌を締めている子供が大勢いたので、大きすぎて少々滑稽に見える。 |
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「池上宮みそぎまつり」の鉢巻と厄除褌を締めた子供たち
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