|
|
|
|
はじめに |
|
|
平成22年(2010)11月3日(水)文化の日、千葉県旭市二(ちばけん・あさひし・に)の袋(ふくろ)地区に鎮座する太田神社(おおた・じんじゃ)で秋の例大祭が開催され、黒虎相撲(くろこずもう)が奉納されたので取材した。 |
|
|
|
|
|
【凡例】
▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Google Earth |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲▼ 人口約7万を擁する旭市(あさひし)は、千葉県の北東部にあり、九十九里浜の最北端に面しており、夏季には海水浴客で賑わう海辺の町である。市の中央部を東西に総武本線と国道126号が走る。 |
|
|
「旭」という市名(最初は町名)は、「旭将軍」と呼ばれた木曾義仲の末裔とされ、この地で没した木曾義昌を詠んだ「信濃よりいつる旭をしたひきて東の国にあととどめけむ」から採られたという。 |
|
|
この歌は、弘文元年(1844)木曾氏末裔と自称する芦原検校(木曾義長)が東漸寺において営んだ「木曾義昌公250回忌」に参列した京都の国学者野々口隆正が詠んだ追悼歌である。
旭市公式サイト |
|
|
|
|
|
|
|
JR総武線 |
旭 |
駅から |
太田神社 |
への道 |
|
|
Google Earth |
|
|
|
|
|
|
▲▼
朝4時起きしてJR青梅線の一番電車に乗り、立川〜御茶ノ水〜千葉で乗り換え、総武本線旭駅に午前8時50分頃到着。太田神社は、点線の道を歩いて10分ほどで着くが、9時から開催される神事に間に合うようタクシーで参道入口まで行った。 |
|
|
|
|
|
|
|
太田 |
神社の参道入口 2010.11.3 08:55 |
|
|
拡大写真(1300X1600)506KB |
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1600X1200)642KB |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲▼ 永正(えいしょう)2年(1505)に創建された太田神社は、袋区の鎮守の森に鎮座し、面足命(おもだるのみこと)と惶根命(かしこねのみこと)の二柱を祀る。入口に石鳥居が建ち、参道を100mほど北上すると拝殿があり、その右側(東)に社務所がある。拝殿前(南)の広場には、紫色の水引幕を垂らした土俵が仮設されていた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1600X1100)410KB |
|
|
|
|
|
|
▼
社務所の前に受付デスクがあったので、名刺を渡し、取材の許可を得た。資料として、A4サイズの「黒虎相撲の由来」と取組表の2葉を頂戴した。受付デスクの奥(北)にはフリードリンクなどのテントがあり、その奥には優勝トロフィや自転車などの豪華な賞品が並べてあった。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1400x1250)267KB
|
|
拡大写真(1400x1250)275KB
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1600x1200)394KB
|
|
拡大写真(1400x1050)373KB
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800X1350)508KB |
|
|
|
|
|
|
▲▼ 午前9時丁度に拝殿に着くと、氏子長老たちが拝殿の板間に正座し、司会の挨拶のあと、神事が始まった。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800X1150)310KB |
|
|
祝詞 |
を奏上する |
梅谷 |
宮司 09:09 |
|
|
拡大写真(1800X1300)358KB |
|
|
|
|
|
|
▼ 拝殿から南方を眺めると、鎮守の杜に囲まれた広場があり、その中央に土俵がある。奉納相撲が終わるとすぐに分解され、一年間保管されるという。土俵北側(手前)のテントは、旭市長や市議会議長などの来賓席である。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
トロフィーと賞品 |
社務所 |
土俵 |
来賓席 |
|
パノラマ写真(2400X1200)688KB |
|
|
|
|
|
|
太田神社の黒虎相撲(くろこずもう)は、internetで奉納相撲を検索していて見つけたもので、江戸時代から続く古式懐(ゆか)しい相撲装束で催行されるということだった。社務所には電話が引かれておらず、旭市役所の広報広聴係(0479-62-8070)に電話連絡して日程や場所を確認した。 |
|
|
|
|
|
|
|
鎮守の森の境内に設けられた |
黒虎相撲 |
の土俵 |
|
|
社務所 |
受付 |
土俵 |
記念碑 |
|
拡大写真(2000X1500)857KB |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲▼ 仮設土俵の西側に相撲の由来を記した記念碑が建てられている。黒虎相撲(くろこずもう)は、安永(あんえい)9年(1780)に太田神社の4人の氏子たちが江戸商人として成功した御礼に大鳥居を奉納した際、落成祝いに江戸から玄人(くろうと)力士を招聘(しょうへい)し、旧暦霜月(しもづき)(11月)朔日(さくじつ)(1日)に相撲を奉納したことがきっかけで始まった。 |
|
|
戦前までは盛況だったものの、戦後は廃れかけていたことから、平成4年(1992)に飯島儀兵衛という篤志家が土俵をはじめ古式にのっとった奉納相撲を催行するに必要な資器材一式を寄贈し、復活した。 |
|
|
黒虎相撲(くろこずもう)という名称は、黒(くろ)は玄人(くろうと)、虎(こ)は白虎(びゃっこ)(白人=素人)を意味することに由来する。小学生の取組の関係から、現在は、毎年11月3日の文化の日に開催されている。 |
|
|
|
|
|
|
|
平成4年(1992)に復活した |
黒虎相撲 |
の記念碑 |
|
|
拡大写真(1600X1050)510KB |
|
|
|
|
|
|
▼ 参道の入口には、230年前の江戸時代に大鳥居を建立した際に奉納された力石(ちからいし)が置かれている。その記念碑は、平成4年(1992)に黒虎相撲の記念碑や太田神社の由緒沿革を記した掲示板などとともに建てられた。長い歴史を背負った力石には、風格と重みが感じられる。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
よみがえる くろこずもうや ちからいし |
Big rocks for a
lifting contest, Kuroko sumo wrestling has revived. |
|
|
|
|
拡大写真(1600X1250)508KB |
|
|
|
|
|
|
▼
拝殿での神事に続き、梅谷(うめや)宮司により、大榊(おおさかき)と紙吹雪のような切り麻(きりぬさ)を使った土俵の清祓(きよめはらえ)神事が行われた。 |
|
|
|
|
|
|
|
土俵の清祓神事 09:31
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800X1320)547KB |
|
拡大写真(1600X1200)337KB |
|
|
|
|
|
|
▼ 神事が終わった後、拝殿と土俵をバックに宮司・来賓・長老・横綱・相撲役員の記念撮影が行われた。(三脚で撮影する本職の写真屋さんの隣に立ち、フリーハンドで撮影。) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(2000X1350)745KB |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▼
神事が行われている間、青年団の力士たちが社務所で相撲褌(まわし)を締めていたので、撮影させて貰った。 |
|
|
|
|
|
|
|
相撲褌 |
の下に締める |
越中褌 |
|
|
拡大写真(1400X1000)144KB |
|
|
|
|
|
|
▲▼ 黒虎(くろこ)相撲では、相撲褌(まわし)や化粧回しの下に越中褌(えっちゅうふんどし)を締めている。江戸時代に葛飾北斎が北斎漫画十二編に描いたものと同じで、一端が袋縫いになっており、その中に紐が通されている。後ろ立褌(うしろたてみつ)を束ねれば六尺褌のようにTバックになるので、その上に相撲褌(まわし)を締めることで越中褌が見えなくなる。その効用は、第一に清潔であり、相撲褌(まわし)を締める際の羞恥心も和らぐ。 |
|
|
|
|
|
|
|
越中褌(前) |
|
越中褌(後) |
|
|
|
拡大写真(980x1400)168KB
|
|
拡大写真(980x1400)165KB
|
|
|
|
|
|
|
▲▼ 大相撲の力士たちは、相撲褌(まわし)は直接肌に締めているが、化粧回しに限っては、汚れを防ぐために六尺褌か越中褌を下に締めている。越中褌を使う場合は、袋縫いは手間がかかるため、普通の越中褌の紐の部分を一重結びにすることでTバック状態にする。 |
|
|
|
|
|
|
|
越中褌 |
の上に |
相撲褌 |
を締める |
|
|
拡大写真(1400X1050)156KB |
|
|
|
ふんどしの うえにふんどし みやずもう |
A sumo match
dedicating to the shrine, wearing a loincloth on the other loincloth. |
|
|
|
|
|
|
▲▼ 相撲褌(まわし)は、キャンバス(帆布)製の標準サイズで、締め方は変わらない。後ろ褌(うしろみつ)(Tバックの交点)を締め上げるのも、いつもの背負い投げスタイルである。越中褌も相撲褌(まわし)も使用後はクリーニングに出されて保管されており、新品同様である。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(980x1400)153KB
|
|
拡大写真(980x1400)165KB
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800X1650)445KB |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▲▼ 宮司や来賓たちとの記念撮影の後、社務所で東西両横綱が化粧回しを締めるところを撮影させて貰った。横綱の化粧回しは、大相撲と同じ絹の仕様で、本格的なものである。東西両横綱の締める純白の横綱も段ボール箱から取り出された。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1250X1800)446KB |
|
|
|
|
|
|
▲▼ 化粧回し(けしょうまわし)は、大相撲の関取(せきとり)が土俵入りの際に締める儀式用の相撲褌(まわし)で、長さ8m、幅70cmの長い博多織の布の先端に豪華な刺繍と馬簾(ばれん)と呼ばれる飾りの付いたエプロンのような大きな前垂れのある高価な褌である。 |
|
|
|
|
|
|
|
越中褌 |
の上に |
化粧廻し |
を締める |
|
|
拡大写真(1600X1340)316KB |
|