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 旅紀行日本の裸祭り

2017年5月28日改訂

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♪海に帰る〜水の都〜精霊

2003年5月11日制作

「的ばかい」の舞台・四王子神社

「的ばかい」の舞台・四王子神社

撮影:ちばあきお
 毎年正月第三日曜日(2003年は1月19日)午後1時から熊本県玉名(たまな)郡長洲(ながす)町の四王子(しおうじ)神社で「的(まと)ばかい」が催され、130人ほどのふんどし姿の男たちが家内安全や無病息災などを祈って境内や路上、有明海で「的」を奪い合う神事が行われる。

 「的ばかい」は四王子神社の破魔弓祭(はまゆみまつり)の別称で、400有余年の歴史を持つ勇壮な裸祭りである。
 四王子神社の祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)と五行祖神(ごぎょうそじん 自然の神々)五座である。

 社帳旧記によれば、祭神が永暦元年(1160)9月筑前国三笠郡四王子嶽より長須々崎浜の岩屋に来現したので、鍬之進が土を盛り固め、注連之進が縄を引き廻して高御座を設けた(州崎(すさき)神社)。数百年後現在の四王子神社に御神体を遷宮したが、その時御神体を安置した円座(えんざ 円形の敷藁)を氏子たちが御利益を得ようとして奪い合ったという。

破魔弓投与祭

 御祭神が弓道に秀でた神であったことから、円座に似た的を作り、それを弓矢で射て悪魔退散、諸厄災消除、家運長久を祈願したのち、その的を奪い合う神事に発展したのが「的ばかい」(的をばかい(奪い)あう)破魔弓祭である。
 毎年、故事に習い、州崎神社で円座に模した直径60cm、重さ6kgの的を作成し、四王子神社に奉納したあと、神官が破魔矢で的を射る破魔弓祭が執り行われる。

「的ばかい」に参加する男たちは、白晒一反で身を包む。部外者の飛び入り歓迎ということで、希望すれば担当者が手際よくふんどしを締めてくれる。激しい奪い合いがあるので、緩んだり外れたりしないよう、腹巻・前袋式で、晒の端を紐状に撚って後褌(うしろみつ)にしっかりと結ぶ。
外は、はや寒梅が真っ盛りとはいえ、1月中旬の真冬である。裸の男たちは、ふんどし以外何も身につけていない。準備運動と御神酒(おみき)をいただき、身体を温め、神事が進むのを待つ。

 拝殿での神事のあと、待ちきれない男たちが祭壇に乱入し、激しい「的」の奪い合いが始まる。

拡大写真

ピンクのふんどしが可愛い赤ちゃん(女の子?)の健やかな成長を祈る。

男たちは力水を浴び、全身濡れ鼠になりながら、稲藁を口にくわえて、激しいもみ合いに耐える。「まーとー」という掛け声が響き渡り、男たちの体から湯気が上がる。若者が首に掛けているのは、四王子神社と書かれた木札である。

激しいもみ合いに、臀部のひっかき傷に血が滲んでいる。

ふんどしをシッカリと締め込んだお陰で、激しくもみ合っても外れない。

 1時間近く境内で「的」を奪い合った後、もみ合いながら近くの有明海へ移動し、地先の潟の浜辺で「的」を頭上に掲げて祭りは目出度く終了する。
 氏子の長老たちは、「的」の縄を切り取り、本体を16等分に裁断し、家内安全や無病息災などのお守りに、長洲町内や参拝者に配布する。
 長洲町産業振興課(Tel 0968-78-3111)によると、「的ばかい」は、西日本三大裸祭のひとつだという。しかし、internetで西日本三大裸祭を検索してみたが、長洲町のコメント以外、他のホームページにそのような言葉は見当たらなかった。

 「的ばかい」は、九州の他の神社でも見受けられる行事であるが、円座を模した稲藁の「的」を奪い合う祭りは見当たらない。男たちの勇壮で特異な神事であることから、長洲町が西日本三大裸祭りと宣伝する気持ちは理解できる。伝統衣装のふんどし着用が徹底され、約400年前の神事が全く変質せずに現代に継承されていることに敬意を表したい。《完》

 注:本稿は、匿名のDVDビデオから静止画キャプチャしたものと資料画像により編集したものである。

的を奪い合う裸衆

的を奪い合う裸衆

拡大写真(1250x828)172KB

撮影:ちばあきお

激しい裸の押し合い

激しい裸の押し合い

拡大写真(1250x828)167KB

撮影:ちばあきお
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