ホームページお知らせお便りコーナー徒然日記俳句・海の風景ホームページ奮闘記作者のプロフィールリンク
 

Wa☆Daフォトギャラリー

 感動写真集

2010年2月11日改訂

今 日

昨 日

♪本川・霜月・銀鏡・催馬楽神楽

拡大写真(1600x1140)205KB

 

2007年9月9日作成

オサラバー

オサラバー(日向の師走祭/宮崎県美郷町・木城町)

国指定/選択無形民俗文化財

日向の師走祭

下りまし

お別れ式

 最終日の3日目「下(くだ)りまし」は、午前10時30分から神社境内で、比木、神門の宮司を中心に両社全員が集まり、お別れ式から始まる。

両社の神職・氏子たちが並んだお別れ式

両社の神職・氏子たちが並んだお別れ式

 焼き魚を載せた大皿2枚と御神酒が用意され、「祭も無事に終えました。来年までお元気に・・」と挨拶を交わし、別れの宴が始まる。魚はひと箸ずつ左手で受けて、右手には御神酒の杯をもらう。焼き魚の他に、お焦げご飯に塩を入れて茶漬けにしたものが出たこともあったという。なぜ焼き魚なのかは不明である。
焼き魚と御神酒

焼き魚と御神酒

ヘグロ塗り

  宴が進んだところで、突然「ワアッー、キャアー」という声があがり出す。 あちらこちらでヘグロ塗りが始まった。婦人たちが隠し持ったヘグロを神官等の顔に塗りつけていく。

  塗られる側は、笑いながら、婦人たちのするがままにヘグロを塗られる。 別れの悲しみを隠すためと、親しみを深めるほか、婦人たちのうっぷん晴らしもあるとのことである。
神職へのヘグロ塗り

神職へのヘグロ塗り

拡大写真(1400x933)262KB

  別れの宴に列席した者も、見学している者も皆ヘグロで顔は真っ黒になる。ヘグロはその名のとおり、昔は釜戸や鍋底のススを集めたものだが、現在は墨汁を使っている。

一般の人にもヘグロ塗り

一般の人にもヘグロ塗り

拡大写真(1400x933)169KB

 私の顔もご覧のとおりである。

筆者のヘグロ顔

筆者のヘグロ顔

最後の祭典

 神殿奥からご神体とご幣が取り出され、神門、比木の代表の肩に渡される。上りましとは逆に比木神社が先頭となり、帰路につく。

最後の祭典に入った神職

最後の祭典に入った神職

くだ りまし

  一行が動き出すと、婦人たちは、手に鍋や、かご、釜のふた、しゃもじ、すりこぎ、まな板などを持って、列の後に続く。これは、婦人たちが台所で後かたづけをしているところへ、帰りの知らせが舞い込み、取る物も取りあえず出てきたという意味合いがある。

「くだりまし」の行列

「くだりまし」の行列

拡大写真(1600x1230)424KB

オサラバー
 ご神体とご幣は最初、約50mほど行って、一列に並んで振り返って対面する。帰る途中で名残を惜しむかのように、何回か立ち止まり振り返りお辞儀をしていく。見送る側は一斉に「オサラバー」と叫ぶ。
お別れ対面

お別れ対面

拡大写真(1400x933)135KB

 神官たちは白扇を両手で捧げるようにして上下に振り、婦人たちは炊事道具をかざし、何度も「オサラバー」と叫び別れを告げる。「オサラバー」とは韓国語の「サラバァー」で、「生きてまた逢おう」という挨拶だという。昔、時代劇でよく「さらば」という別れの言葉を聞いたことを思い出したが、何と粋で味わい深い言葉であろうか。
 村人に送られた両社のご神体は、笠塚まで一緒に行き、そこで比木神社のご神体に笠をつけ、再び左肩に担ぎ、比木、神門が約30m離れて対面し、「オサラバー」の声を発して祭りは終了する。
オサラバー

オサラバー

拡大写真(1600x1140)205KB

撮影・原作:上平 明 (かみひら あきら)

住居:宮崎県日南市

趣味:パソコン(インターネット)、温泉巡り、スキー

御 礼

 最後に、神門神社氏子の原田須美雄氏をはじめ、師走祭りを支えておられる美郷町のみなさま方の協力を得て、この作品が完成したことを心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
 
【電話取材】 神門神社氏子 原田須美雄氏 【参考資料文献】 百済伝説神門師走物語(南郷村)、百済王はどこから来たか(みやざき文庫)、宮崎の神楽(鉱脈社)

★☆★彡

感動写真集〈 第83集 〉「日向の師走祭」

撮影・原作: 上平 明    監修: 和田義男

 平成19年(2007)9月9日 作品:第30作 画像:(大44+小30) 頁数:6 ファイル数:138 ファイル容量:21MB
 平成12年(2000)〜平成19年(2007) 作品数:321 頁数:1,124 ファイル数:29,538 ファイル容量:4,126MB
若宮神楽で手力男を舞う橋本さん

若宮神楽で手力男を舞う橋本さん

拡大写真(1600x1067)196KB

壮大な歴史ロマンと感動の激写
 宮崎は、実に伝統芸能の豊富なところである。特に晩秋から春先にかけては、多くの地で神楽を始めとするお祭りが開催される。同じ日にあちらこちらで実施されるので、何処に行こうか迷う。
 師走祭の存在を知ったのは、昨年11月18日(土)に、何処の神楽に行こうか迷ったあげく、美郷町西郷区(旧西郷村)で行われた若宮神楽(田代神社:初夏に行われる御田祭で有名)に行ったことによる。
 妻と神楽を見ていたところ、同社の宮司さんが声をかけてくれ、妻が北海道から単身の私を訪ねてきていることを知ると、御小屋に招いてくれ、直会の席にまで誘ってくれた。
上平 明
 その席で、宮司さんの弟さんで、若宮神楽の一番の舞手である橋本さんから、帰る際は、ぜひ隣村の「西の正倉院」を見て帰って欲しいと言われた。橋本さんは、西の正倉院作りに従事した大工さんで、そのことを大変誇りに思っていると、建設の際のエピソードなどを交え話してくれた。
 それまで西の正倉院の存在を知らなかったが、にわかに興味を持ち立ち寄ったところ、同館内に師走祭りの紹介ビデオがあり、百済伝説の歴史ロマンに加え、その昔は90kmの道のりを9泊10日かけて、実施したという祭りの壮大さに惹かれ、何時か見に来たいと思った。
 今回その想いを実現できたが、期待どおりの素晴らしい祭りであった。特に、最大の呼び物である「迎え火」は、本当に感動もので、多くの人が酔いしれていた。カメラマンの中には毎年来て最後まで見ているという方が何名かいたが、それもうなずける大変魅力ある祭りであった。
 Wa☆Daフォトギャラリーで紹介したいものに、3年ぶりに開催された椎葉平家祭り、尾前神楽(椎葉神楽)、村所神楽(米良神楽)、船引神楽、そしてここで紹介した若宮神楽などがあるが、いずれも撮影しっぱなしで整理できずにいる。そのうちにと思っていたところ、「青島神社裸まいり」と「師走祭」が先になってしまった。撮影は和田流を実践しているが、写真整理術も和田流で時間をおかずに整理したいと思うが、これがなかなか難しい。

                                                    2007年9月9日 上平 明

【編集子が選ぶ名作】 

迎え火のそばを通る一行

迎え火のそばを通る一行

拡大写真(1600x1130)227KB

編集後記
 このたび、おくればせながら上平明さんの第5作「日向の師走祭」が完成した。2泊3日に及ぶ取材に基づく6頁74枚の大作である。1年前に発表された8頁72枚の「千穂の夜神楽」以来の労作で、上平さんの熱意と行動力に頭の下がる思いである。
 両方の作品とも空前絶後の規模で、これほど大画面で美しい写真を多用し、祭礼の詳細を正確に記録した作品は存在しない。出版物ではなおさら不可能なことであり、上平さんの素晴らしい業績のお手伝いをさせて頂いたことを非常に光栄に思う。
 東国原知事の獅子奮迅の活躍で一躍有名になった宮崎県で千年の歴史を有する「師走祭」は、百済伝説に基づく日本と韓国の交流を背景にした歴史ロマン溢れる祭りである。
和田義男
 百済の都・扶餘(プヨ)から日本に亡命してきた禎嘉王(ていかおう)一族の物語は、千年の歴史を刻む師走祭となって、現代に伝えられていることに感動を禁じ得ない。扶餘(プヨ)は、現在、フジテレビで放映中の韓国の大河ドラマ「朱蒙(チュモン)」の舞台である。
 「朱蒙(チュモン)」は、「冬のソナタ」や「チャングムの誓い」を遥かに凌駕する超人気ドラマで、私も家内と共に楽しんでいる。NHKの大河ドラマ「風林火山」も同時に見ているが、たまに絵で描いたと思われる山城などが出て来て、制作費を惜しんでいるところがあるが、朱蒙(チュモン)はそのような手抜きはまったく感じられない。
 制作費や制作技術がNHKの上を行っているように思われ、韓国の底力を強く感じている。ともあれ、百済の時代は日本はまだ発展途上にあり、現代の日韓関係に思いを致すとき、民族興亡の無常を痛感すると同時に、壮大な歴史ロマンを感じる。    参考:朱蒙(チュモン)のオフィシャルサイト: http://www.bsfuji.tv/jumong/ 

   平成19年(2007)9月10日   監修 和田義男

【編集子が選ぶ名作】 

迎え火一本鳥居

迎え火一本鳥居

拡大写真(1800x1150)304KB

  フォトギャラリーへ 特集!旅紀行目次へ 世界の名城 感動写真集目次へ  
旅紀行ジャパン目次へ   多摩川紀行
旅紀行日本の祭り 旅紀行日本の裸祭り 旅紀行日本の花目次へ
Wa☆Daフォトギャラリー

今 日

 和田フォトギャラリー

昨 日

 Copyright (C) 2000-2007 Yoshio Wada. All Rights Reserved. 

ホームページお知らせお便りコーナー徒然日記俳句・海の風景ホームページ奮闘記作者のプロフィールリンク