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平成19年(2007)1月14日(日)東京都中央区湊一丁目に鎮座する鐵砲洲稲荷神社で第52回寒中水浴大会が行われた。拝殿では午前9時20分ころから安全祈願祭が執り行われ、午前9時40分ころから新しい水槽の奉納奉告祭が行われた。 |
「江戸囃子」を披露する子ども五人囃子 |
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神楽殿では、午前9時半ころから寒中水浴大会が終わるまで、お囃子の奉納演奏が続けられた。鐵砲洲稲荷神社では、若山流江戸囃子「恭の会」の渡邉浩徒先生による「鐵砲洲お囃子教室」が開かれており、氏子以外でも参加できるので好評である。この日は、練習の成果を披露しようと、幼児から順にお囃子が奉納され、観客の喝采を受けていた。渡邉先生は、今回、初めて寒中入浴に挑戦した。 |
新しい円形水槽の周りで「鳥船」 |
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今年の寒中水浴大会の道彦(みちひこ)(指導者)は、鐵砲洲稲荷神社の籏野敏弘禰宜(はたのとしひろ・ねぎ)に加えて、今年で約20回の最多参加を誇る金沢市の最長老・奥村次郎さん(72歳)と今年還暦を迎える地元新富にお住いの平野五雄さんがつとめた。 |
褌一丁で公道のランニング |
先頭を走る道彦役(右から籏野・平野・奥村の各氏) |
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午前11時丁度になると、道彦の籏野さんが褌一丁で拝殿の大太鼓を打ち鳴らして寒中水浴大会開催の合図を送ったあと、中川文隆宮司(なかがわふみたか・ぐうじ)による開会の辞に続いて、新しく導入された直径5m、深さ1mの円形水槽のまわりで入浴者たちによる入念な鳥船(とりふね)(準備運動)が行われた。 |
神殿に向かって水浴 |
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その後、恒例のランニングに移り、道彦の籏野さんを先頭に、褌一丁で公道に繰り出し、鐵砲洲稲荷神社を一周した。 |
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身体を十分にウォームアップした参加者たち46名(内女性3名)は、二手に別れて今年弥生会が奉納した大型の円形水槽に身を沈め、合掌・瞑想しながら祝詞を唱える寒中水浴の苦行に入った。 |
瞑想して合掌 |
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身を切るような冷水で垢離を取る時間は第一陣が4分(経験者)、第二陣が2分(初心者)と短いが、入浴者の立場からすると、とても長く感じるようである。今年アップで撮影したところ、平然とした表情のベテランでも鳥肌がたっており、本人の意志にかかわらず、体温を失わないようにする自律神経が働いており、人体の防衛本能が機能していることが良く分かる。 |
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入浴後は、再度鳥船を入念に行い、寒中水浴で下がった体温の上昇に努める。水浴後、外気に晒されている方が寒いという人もいる。これは、太陽の輻射熱をあびて身体が暖まる効果よりも、水分が気化することにより体温が奪われる方が大きいからだと思われる。 |
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入浴したあとで感想を聞くと、最初の寒さを乗り越えると、快感に変わるという人がいる一方で、痛みを感じて耐えられないほどだったという人もいる。自分はどちらになるか、興味のある方は、来年、同い年の三木芳樹さんとともに還暦記念の赤褌入浴を行う筆者らと一緒に初禊に挑戦されてみては如何だろうか。 |
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最後に今年二度目の入浴を果たされた入船三丁目の安西良一さんの随筆(ふんどし談議に掲載)を抜粋して、〆としたい。完成版は、どんな写真が飛び出すか、ご期待いただきたい。 |
嗚呼!! 寒中水浴 |
・・・でもね、皆さんに伝えたいこと、それは水浴が終わってからのお風呂なんです。湊湯さんが用意してくださったお湯に、超冷え切った体で飛び込めば、その四十度近いお湯の中で体はどうなると思います? 普通、冷えた体でお湯に入ると、温かいお湯でも熱く感じるじゃないですか。それが違うんですよ。体が震えるんです! |
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肌とお湯の間に冷たい幕が張られてヒヤーとして、あんな感覚はめったに味わえません。それと、私は学者じゃないので理屈はわかりませんがね、いわゆる「ギョク」が二個ともなくなるんですよ。二個ともですよ!上がっちゃってるんです。そして大事な「♂」もどこに行ったのって感じで(私の場合は元々かも・・・)、お風呂の中でですよ。 |
ところが、だんだん込み上げてくる愉悦のひととき、ポカポカと温まってくるとそりゃ気持ちのいいのなんのって、この達成感、充足感はやった人じゃなきゃわかりゃしめえって、ホントお勧めですよ皆さん。冗談や油断じゃできないけれど、導師(編者注:道彦)のご指導のもと万全の準備で臨めるし、粋がってやせ我慢するのが江戸っ子なら女性にも資格は十分ありますよ。・・・ (安西良一さんの「嗚呼!! 寒中水浴」より抜粋) |