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■■■ 「武州御嶽山滝行」速報! ■■■ |
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平成20年(2008)9月6日(土)7日(日)の両日、東京都青梅市にある標高929mの御岳山(みたけさん)山頂に鎮座する武蔵御嶽神社(むさしみたけ・じんじゃ)(金井國俊宮司)が主宰する修業体験講座が実施されたので、密着取材した。平成13年(2001)から始まったこの企画は、かつて修験者が行っていた深山幽谷での滝行(たきぎょう)を体験し、自然と一体となって心や身体を洗い清め、日本人の持つ霊(みたま)を再生する精神修養を目指すもので、今回で18回目となる。 |
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武蔵御嶽神社公式ホームページ 武蔵御嶽神社/フリー百科事典 御岳山(東京都)/フリー百科事典 |
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宿泊した宿坊・秋山荘/ |
武州御嶽山 |
(東京都青梅市) 2008.8.3 12:00 |
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講座の内容は、滝行、山駆け、大祓行法、鎮魂などで、18歳から65歳までの健康な男女なら誰でも参加できる。参加費は15,000円で、行に必要な褌や白衣などは貸与される。 |
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今回は22人(うち女性9人)が参加し、御師(おし)の宿である宿坊「秋山荘」などに一泊し、土曜日の午後1時から日曜日の午後4時半まで、武蔵御嶽神社祭事部の4人のスタッフの指導により実施された。筆者は、神社のご厚意により、行者たちと起居をともにして日本の伝統文化溢れる光景を多数激写することができた。 |
修業体験講座の申込み:武蔵御嶽神社 社務所 祭事部 〒198-0175 東京都青梅市御岳山176番地 Tel:0428-78-8500 |
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夕刻の滝行で鳥船を行う行者たち/ |
御嶽山綾広 |
の滝(東京都青梅市) 2008.8.3 15:50 |
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れいきみつ たいこのもりの たきみそぎ |
Full of sacred air, Waterfall purification in the ancient forest. |
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行を統括指揮する須崎祭事部長 |
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もりのきを むねいっぱいに たきしゅぎょう |
Waterfall purification,
deep breathing of the
forest air. |
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あやひろの たきにうたるる ふどししゅう |
Men of fundhoshi loincloth purifying themselves beneath the Ayahiro Fall. |
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高野山・真言宗 |
阿闍梨 |
の小林宗次郎さん(61歳) |
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初日は、KEIO御岳登山鉄道(みたけとざんてつどう)(ケーブルカー)の御岳山駅(標高831m)から徒歩約10分の御師(おし)集落にある秋山荘に午後1時までに集合。受付を済ませ、貸与品をもらって白衣に着替えた後、武蔵御嶽神社に行き、奉告祭のあと、滝行の要領や褌の締め方などを習って準備した後、片道30分ほど山駆け(一列縦隊の徒歩行進)をして、落差約10m、水温7〜8℃の綾広(あやひろ)の滝で滝行を行った。 KEIO御岳登山鉄道公式ホームページ |
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男性は滝のそばの空地にゴザを敷いて褌に着替えるが、女性は滝の下流にテントの更衣室があるので、そこで水行用の白衣に着替える。神社の道彦(みちひこ)(指導員)により鳥船(とりふね)などで準備運動をたっぷりと行った後、参加者全員が一人づつ交代しながら一人10秒ほど滝壺に入って滝に打たれ、これを3回繰り返して滝行が行われた。 |
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今回、高野山・真言宗阿闍梨(あじゃり)の小林宗次郎さん(61歳)、最長16回目の長谷川敏彦さん(53歳)、最長老の羽場左近(はば・さこん)さん(74歳)の3人の方からご協力をたまわり、迫力ある滝行を激写することができた。 |
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都内にお住いの小林宗次郎さんは、法名(ほうみょう)を小林宗峰といい、まんだらや密教研究所 を主宰しておられる。とりわけチベット仏教に造詣が深く、外国人に英語で密教を解説する国際派で、話の途中で急に英語で般若心経を唱えはじめたので、驚いてしまった。なぜ神道の修行に参加したのかお聞きすると、日本は昔から神仏習合の歴史文化があり、真言宗には垣根がないということだった。 |
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今回が5回目の羽場さんは、国立市にお住いで、本来は高齢のため参加資格がないが、特別許可を得て参加している。滝行は鉢巻と褌以外何も身につけず、裸足で行うのが原則だが、滝壺は滑りやすいので白足袋を履いて滝に入った。 |
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早稲田大学OBの羽馬さんは、日野市に本拠を置く早稲田大学校友会の
日野稲門会 (ひのとうもんかい) に所属しておられる。名詞をお渡しして自己紹介したところ、Wa☆Daフォトギャラリーをご存じで、私のプロフィールも読まれていたようで、すぐにうち解けることができた。 |
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今年、筆者が鐵砲洲稲荷神社で還暦記念の赤褌水浴をしたことも知っておられたので、登山が趣味でとてもお元気な羽場さんに「来春の鐵砲洲寒中水浴に私と一緒に参加しませんか」と誘ったところ、前向きの回答をいただいたので、是非参加していただきたい。 |
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みたけさん しろふんどしの たきぎょうじゃ |
Mt. Mitake, An ascetic of the fall wearing white fundoshi loincloth. |
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雄詰 |
の |
沼矛印 |
を結ぶ羽場さん 16:30 |
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滝行のあと、30分ほど山駆けして、武蔵御嶽神社に戻り、拝殿より一段高くなった神に最も近い弊殿で大祓行法(おおはらい・ぎょうほう)を修めた後、宿に戻って精進料理の夕食を取った。後かたづけのあと、音霊鎮魂(おとだまちんこん)を修め、やっと初日の講座が終了した。 |
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山駆けを含め、行の最中は私語が禁じられているので、大自然に溶け込み、自然を見つめる集中力が高まり、気分は完全に行者になってくる。一息ついて入浴し、午後10時前には消灯して就寝した(女性は向かいの藤本荘に宿泊)。筆者は二階の別室に泊まったが、行者たちは大部屋である。かなりハードなスケジュールで、気分が高ぶっているためか、なかなか寝付けず、眠りも浅めだったので、修行が足らないことを痛感した。 |
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御師 |
の宿に干された |
行者褌 |
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たきぎょうの しろふんどしや おしのやど |
A lodge for pilgrims, white fundoshi loincloths for waterfall purification. |
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早朝の滝行に向かう行者たち/奥の院入口 2008.9.7 05:40
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あさもやの しんざんゆうこく たきみそぎ |
Waterfall purification in the morning haze of a deep mountain valley. |
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祓戸之大神 |
に向かって拝礼 06:15 |
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二日目は、朝5時に起床。幸いにも天気予報が外れ、心配していた天候も快晴の行日和となった。洗顔後、朝靄(あさもや)に霞む深山幽谷の森の中を30分ほど山駆けして直接綾広の滝に行き、前回と同じ要領で二度目の滝行を行った。 |
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びゃっこんの あじゃりのきはく たきみそぎ |
Ajari priest of white fundoshi loincloth,
fired up in the waterfall purification. |
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早朝2時間の朝飯前の行が終わり、行者一行は秋山荘で朝食をとったあと、おにぎり3個と清水500ccのペットボトルが支給され、秋山荘を撤収して午前9時過ぎに山駆けに出発した。荷物は車で神社に運ばれ、午後4時半の解散時に戻される。 |
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山駆けは、御師集落〜奥の宮入口〜奥の宮(標高1077m)(1時間半)〜鍋割山(なべわりやま)(1084m)〜高岩山(たかいわやま)展望台 (約990m)〜アクバ峠〜水場〜奥の宮入口〜御嶽神社(5時間)に至る約7kmの山道を歩く無言の回峰行(かいほうぎょう)である。天候や参加者の状況によっては奥の宮から先のルートは変更があり、大岳山(おおだけさん)まで行くときは約8km歩くことになるという。 |
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私は、朝の滝行の2時間だけで既に下着までびしょ濡れの大汗をかき、これ以上の密着取材は無理だと判断し、山駆けを前にリタイアさせてもらった。その代わり、幸運にも、午後9時半頃から神楽殿で行われた東京都無形民俗文化財の「御嶽神社太太神楽(みたけじんじゃ・だいだいかぐら)を撮影することができた。 |
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この日は、青梅市観光協会が主催する「カンタンをきく会」に参加した人たちに鑑賞してもらうために、神楽殿で太太神楽が奉納されたもので、神社のご厚意で急遽取材させていただいた。 |
6月の第三日曜と9月の敬老の日11:00から「神楽と雅楽の一般公開」、10月体育の日前の土日(今年は10月11・12日)19:30から鳥居前広場で「薪神楽(たきぎかぐら)」、4月と11月の第三日曜20:00から「夜神楽」が催され、無料で見学できる。(夜は、終演に合わせケーブルカーが臨時運転される。) |
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太太神楽 |
の「 |
大蛇退治 |
」/神楽殿 10:15 |
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修業体験講座は、神社から支給された物以外は口に出来ず、勿論飲酒もできない。夜と朝の二食はお粥の精進料理である。朝晩は涼しいが日中は蒸し暑く、たった2日で体重は1kgほど減った。一日のうち殆どを冷房の効いた空間で過ごしている身としてはかなり厳しい体験で、同じ青梅市でこのような修業が行われていることに感動した。今後、「武州御嶽山滝行」と題して発表することとしているので、ご期待いただきたい! |
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