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三日目13日(月)は朝3時半に起床し、ホテルを5時に出発という
強行軍だった。ここからの都市間移動は全て空路となる。ヤンゴン空港で少し待ってからいよいよ今回の旅行最大の目的地であるバガンへ向かった。 |
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空路バガンへ/ヤンゴン空港 2012.02.13 06:20 |
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ヤンゴンとバガンを結ぶ旅客機は、ミャンマーの大手財閥のひとつであるKBZが経営するプロペラ機だった。機内では水平飛行になった時点で軽食の提供があった。 |
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バガン空港に到着 07:49 |
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▲▼ バガン空港へ着くと、旅客荷物の移動が人力で行われている光景を目にした。ヤンゴン国際空港でも同様なので、かなり遅れているのは否めない。空港ロビーでは、伝統的な衣装をまとった集団の出迎えを受けた。 |
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バガン空港ロビーでの出迎え 07:55 |
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▼ バガン空港から最初に行ったところは、入口の町ニャウンウーのごく普通の市場である。ミャンマーの台所事情がよく分かるので、詳しく見て廻ったが、生鮮海産物以外は、結構、豊富な印象を受けた。 |
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ニャウンウー市場/壱 〜井戸水が頼り〜 08:09 |
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▲▼ 給水施設は、深い井戸が一箇所のみ。全てが人力でまかなわれる市場は、まるで日本の江戸時代のレベルである。これから先、近代化がなされることだろうが、その道のりは遠く険しい。 |
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ニャウンウー市場/弐 〜大勢が集まるオアシス〜 |
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ニャウンウー市場/参 〜豊富な野菜や果物〜 |
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ニャウンウー市場/四 〜懐かしい天秤ばかり〜 |
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ニャウンウー市場/五 〜魚は保存が利く干物ばかり〜 |
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ニャウンウー市場/六 〜野菜の鮮度を見極める人〜 |
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ニャウンウー市場/七 〜果物も豊富〜 |
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ニャウンウー市場/八 〜香辛料もたっぷり〜 |
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ミャンマー最大の観光地として知られるバガンは、マンダレー管区を流れるイラワジ川中流域東岸の平野部一帯約40km2のエリアに大小様々な仏塔や寺院が林立する仏教の聖地である。その遺跡群は、カンボジアのアンコール・ワットとインドネシアのボロブドゥールとともに、世界三大仏教遺跡のひとつに数えられている。 |
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ニャウンウー市場/九〜美しい花が沢山ある〜 |
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バガンの遺跡は、11世紀から13世紀、バガン王国の興隆からフビライ・ハーンの侵攻を受けるまでの250年余りの間に建造されたものである。その濃密な仏教文化がモンゴルの侵攻で滅ぼされてしまったことに鮮烈な衝撃を覚える。かつてインドで釈迦が達観した栄枯盛衰、諸行無常の世界が広がっている。 |
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ニャウンウー市場/拾 〜買い物籠の主婦たち〜 08:40 |
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▼ 最初に訪れたところは、アーナンダ寺院と並んでバガンを代表する仏塔で知られるシュエズイーゴン・パヤーである。アノーヤター王がタトォン国を征服して建設がはじまった。規模が大きかったために、初代の在位中には完成せず、次王(息子)チャンスィッターの治世に完成した。 |
寺院の名称の「シュエ」は「金」、「ズイーゴ」はバーリー語で「勝利、栄光、祝福の土地」という意味があるという。境内は広く、黄金の光り輝く仏塔も大きくて素晴らしい。 |
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黄金の仏塔シュエズイーゴン・パヤー/バガン 09:21 |
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▲▼
シュエズイーゴン・パヤーの仏塔(仏舎利塔、パゴダ)は、3つの高層からなり、全ての高層にはジャータカ物語の550の石画がはめ込まれ、塔の中には釈尊の額骨と歯が納められているという。また、境内には土着神である37のナッ神があり、多くの仏教徒が参拝している。 |
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黄金の仏塔シュエズイーゴン・パヤー/バガン |
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仏教経典には、さまざまな前世の因縁物語が説かれ、主に釈迦の前世による因縁を明かし、現世や来世を説いている。これをジャータカというが、広義には釈迦のみならず、釈迦の弟子や菩薩などの前世の因縁も含めてジャータカ又は本生譚(ほんしょうたん)と呼ばれている。 |
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仏教がインドから各地に伝播すると、世界各地の文学に影響を与え、『イソップ物語』や『アラビアンナイト』にもこの形式が取り入れられたといわれている。 |
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ちごそうの ふゆひにのぶる かげぼうし |
The
shadow of child monks, getting longer by the winter sunshine. |
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幼い托鉢僧 09:39 |
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▼ この童顔の仏陀は、数少ない涅槃仏(ねはんぶつ)である。悟りを開き、入滅(にゅうめつ)(死亡)した釈迦の姿である。ぎょろりとした眼を明けている様子は、本当に入滅したのだろうかと気になってしまう。 |
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▼ ミャンマーでは、圧倒的に寝仏(ねぼとけ)(寝釈迦、生前の釈迦の寝姿)が多く、涅槃仏は珍しい。その特徴は、足が上下に平行に合わさっており、扁平足であるということである。 |
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▼ 日本では、悟りを開いた最高仏を如来(にょらい)といい、粗末な法衣1枚の姿になる。修行中は菩薩と呼ばれて着飾っている(例外は密教の大日如来のみ)。ミャンマーでは、そのような区別が存在するのかよく分からないが、思い思いの衣装で仏陀が描かれている。 |
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着飾った仏陀 |
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この寺院は、1215年にバガン王のナンダウンミャーがこの地で王位継承者に選ばれたことを記念して建てられた。父王のナラパ゚ティスィドゥーが5人の王子の中から後継者を選ぶに際、傘の倒れた方向に座っていた王子を選んだといわれ、別名ティーローミンロー(傘の王)とよばれていたため、この名が寺院の名となったという。また、モン語のティローミンガラー(三つの世界の幸福)の誤訳とされる説もあるという。 |
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▲▼ 寺院の入口には二十四花弁の菊の紋がある。仏教寺院であるという印なのだろう。外観は二層になっており、一階部分には4面に表情の異なる仏像が安置されていた。二階部分への階段はみつからなかったので行けなかったが、二階にも4体の仏像があり、合計8体の仏像が安置されているという。 |
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山門から寺院に至る参道には、土産物屋が軒を連ねている。仏教画を描きながら販売している店もあった。 |
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院内より山門を望む 11:12 |
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日本のガイドブック「地球の歩き方」では、アーナンダ寺院 Ananda Temple
となっているが、現地ではパヤーとなっているので、現地の表記に従う。ビルマ語は全く読めないが、アルファベット表記が添えてあると、よく分かる。 |
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アーナンダ・パヤーの入口 11:25 |
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アーナンダ・パヤーは、シュエズイ―グォン・パヤーと並んでバガン遺跡を代表する仏塔で、1091年にチャンスィッタ王の手で建てられ、本堂は一辺が63mの正方形にできている。 |
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黄金の釈迦立像 |
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1975年の地震で大きな被害を受けたが、現在その痕跡は全く残っていなかった。南と北の2体の仏像が創建当時のもので、後の2体は火事で焼けてしまい、造り直されたものだという。どれも新品のように光り輝いているのは、古くても新しく見える方が価値があるとするミャンマー流で、日本人の価値観とは相容れない。 |
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マントを羽織った仏陀 11:31 |
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▲ 写真上のマントを羽織った仏陀の区画は、赤く塗られており、左右には仏龕(ぶつがん)があり、小さな仏像が安置されている。仏像は、よく見ると埃を被っているが、このオールド・バガンと呼ばれる区域は、未舗装のため、砂埃がひどく、それが仏像を汚している。毎日掃除することは大変な労力なので、致し方ないことなのだろう。 |
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白壁の仏陀 |
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▼ ここでもミャンマー人の若者から写真を撮って欲しいと所望されて撮ったのだが、液晶画面を見せると、素直に喜んでくれた。後ろの仏龕(ぶつがん)には、盗難やいたずら防止のために金網が張られている。日本ではこのような無粋なことはしないので、日本が如何に治安が良いか、公徳心に優れているかを改めて実感する。 |
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ミャンマーの若者たち |
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▼ アーナンダ・パヤーの仏陀は4体あり、全て立像だが、手の組み方が異なっており、過去
七仏のうちの四仏を表しているという。全てマントを羽織っているが、寒い土地柄ではないので、仏陀の権威を示すための法衣かも知れない。日本の仏像では、あり得ない光景である。 |
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印を結ぶ仏陀 |
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