日本三大奇祭の「どやどや」 |
2002年1月14日(月)、大阪市天王寺区にある四天王寺(してんのうじ)で恒例のどやどやが行われた。どやどやは、岡山県・西大寺会陽(さいだいじえよう)と岩手県・黒石寺蘇民祭(こくせきじそみんさい)とともに日本三大奇祭のひとつに数えられている。 |
四天王寺では、元旦から14日間、六時堂で修正会(しゅしょうえ)が修せられ、14日の結願(けちがん)の日にどやどやが行われる。修正会は、毎年正月、天下泰平・五穀豊穣を祈願する行事で、正月に修せられることから修正会と呼ばれる。827年(天長4年)正月に京都のお寺で始まり、以後諸大寺に広まっていったという。 |
大阪といえども寒い真冬に、ふんどし一丁で御札を奪い合う裸祭りどやどやは、古来から脈々と受け継がれてきた四天王寺独自の習俗であり、世界に例を見ない。大都会の難波(なにわ)の地に、千年を越える昔の人々と全く同じ衣装で伝統文化を受け継ぐ現代人がいた。 |
この日は、参詣者(見物人)約5,000名に見守られるなか、1,000名余の裸の若者が赤白に分かれ、六時堂で御札を求めて激しい揉み合いを演じ、広い境内に歓声が響いた。 |
これからもこの伝統のスタイルを崩すことなく、子々孫々に受け継いでいってもらいたい。日本の裸文化を頑なに守っている四天王寺の取り組みに、心から声援を送りたい。 |
|
ふんどし姿の中高生 |
参加者は、四天王寺に関連する学校の中高生とその職員で、全員が鉢巻、ふんどし、白足袋を着用。ふんどしは並幅(約35cm)に切った木綿で、長さが5mほどある。半幅に折り、前袋式に締め込んでいる。普通の水褌(すいこん)と比べてかなり長いので、縦廻しは二重だが横廻しを幾重にも巻いている。教職員は、前垂れ式の人もおり、必ず腹巻きをしているので判別がつく。 |
先頭集団は旗や幟(のぼり)を持っている。先頭が持つ赤い垂(しで)の付いた2m余りの太い竹筒は、梵天(ぼんてん)といい、指揮棒の役目を果たす。教職員が手にしている赤札をつけた50cmほどの細い竹竿も指揮棒だという。白組は白いシデの梵天に白札の指揮棒を持つ。 |