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 感動写真集

2016年3月15日改訂

今 日

昨 日

♪みそぎ太鼓/稲荷の章

 

寒みそぎ飛沫に凍むる白ふどし   北舟

 

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Midwinter ablutions, the white loincloth being frozen by the splash.

2010年2月10日制作

二回目のみそぎ

二回目のみそぎ/佐女川神社(北海道・木古内町)

 
佐女川神社神紋   佐女川神社   佐女川神社神紋

木古内寒中みそぎ祭

禊斎場

 
寒中みそぎ
 

▼ 冬季に行われる「寒中みそぎ」は、いずれも大変な苦行であるが、北海道において寒が一番厳しい1月中旬の3日間、昼夜の別なく連続して行われる「みそぎ」は正に命がけの水行である。当日も辺り一面の雪景色で、気温は−3.5℃だった。

石段下の神社境内に設けられたみそぎ

斎場さいじょう

石段下の神社境内に設けられたみそぎ斎場

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  寒禊吐錠銜へし行者かな  北舟 

かんみそぎ とじょうくわえし ぎょうじゃかな

Midwinter ablutions, the ascetic biting a Tojo cloth.

いざ出陣!

いざ出陣!

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▼ 白い頭巾と褌姿の行修者たちが本殿前に整列した。威儀を正し、これから石段を下ってみそぎ斎場へ向かう。

本殿前に整列した 行修者ぎょうしゅうしゃ

本殿前に整列した行修者

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▼ 勇壮なみそぎ太鼓に送られ、肌を突き刺す寒風の中、別当を先頭にみそぎ斎場へ向かう行修者たち。行修者はご神体を抱くに相応しい敬意と清潔を表す白い晒布(さらしぬの)の頭巾(ずきん)を被り、口には、ご神体に直接息を当てないよう、また、必死で歯を食いしばって耐え抜くため、吐錠(とじょう)と呼ばれる白い晒布をくわえている。

水垢離みずごり

に向かう 行修者ぎょうしゅうしゃ

水垢離に向かう行修者

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▼ みそぎ太鼓に合わせて、まず4名のうちリーダー格にあたる別当役が桶に汲まれた真水の冷水をかぶった。他の行修者は、これを見守るように腕を組み、仁王立ちで自分の番を待った。

第1回目の「みそぎ」開始

第1回目の「みそぎ」開始

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▼ 次に、別当は、みそぎ斎場に膝をつき、腕組みをした両脇を締め、背筋を伸ばして待ち構えている行修者の背中めがけて、何度も桶の冷水を勢いよく浴びせかけていった。

雪中の

水垢離みずごり

雪中の水垢離

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見物する側が寒さに震え上がるような寒気の中1回目の「みそぎ」を終えて濡れた体のまま本殿に向かった。

  六尺褌の四人行者や寒みそぎ  北舟 

ろくしゃくの よにんぎょうじゃや かんみそぎ

Midwinter ablutions, the four ascetics wearing six feet

loincloths.
1回目の「みそぎ」を終え本殿前へ向かう 行修者ぎょうしゅうしゃ たち

1回目の「みそぎ」を終え本殿前へ向かう行修者たち

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▼ しかし、このあと本殿には入れず再度みそぎ斎場へ戻り更に厳しい「みそぎ」を行うことになった。1回の「みそぎ」だけでは、神様は許してくれないのである。

本殿前から「みそぎ斎場」へ戻る 行修者ぎょうしゅうしゃ たち

本殿前から「みそぎ斎場」へ戻る行修者たち

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▼ 本殿前からみそぎ斎場に引き返してきた行修者たちは、すぐに2回目の「みそぎ」を開始した。見ている方が辛くなる厳しい水行である。

二回目のみそぎ

二回目のみそぎ

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  寒みそぎ飛沫に凍むる白ふどし  北舟 

かんみそぎ しぶきにしむる しろふどし

Midwinter ablutions, the white loincloth being frozen by the splash.

激しい衝撃を受ける寒中みそぎ

激しい衝撃を受ける寒中みそぎ

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冷水を背中に勢いよくかけられると大きな丸太で殴られたような衝撃を感じるという。それを吐錠(とじょう)をくわえ、必死に歯をくいしばることで耐え抜いてゆく。厳しくとも顔に出さず、平然としているのは、我々には真似ができないことである。普通の人間なのに、このようなことが簡単にできるものだろうかと誰もが考える。

自ら水をかぶる別当

自ら水をかぶる別当

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▲▼ 別当は他の行修者への水掛役であるが、最後は自らが桶の水を頭から何杯もかぶって「みそぎ」を行った。

神々しいまでの

別当べっとう

の水垢離

神々しいまでの別当の水垢離

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連続した2回の「みそぎ」を終え、本殿に戻る行修者

連続した2回の「みそぎ」を終え、本殿に戻る行修者

 2回の「みそぎ」を終えて本殿に戻ってきた行修者たち。最初の役目を無事に終え、心なしか安堵の表情が見える。「寒中みそぎ」の期間中、彼らは昼夜を問わずに「みそぎ」を行うため、本殿において寝泊まりをする。

 また神事にふさわしく食事も四つ足の肉を避ける。この間「みそぎ」の経験者が行修者に付き添い身の回りの世話や「みそぎ」を遂行する上での注意や要領を教えるなど、先輩として面倒を見る。
本殿で褌を解く行修者たち

本殿で褌を解く行修者たち

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▼ 初日の深夜、4回目の水垢離が始まった。写真は、弁財天を務める17歳の高校生・久保田 翔さんである。最近は少子化の影響で、一度選ばれると4年間務めなければならない行修者の選考が難しくなっているという。しかし、選考に苦労しながらも、引き受けてくれる者は毎年出て来る。今年は彼が快く引き受け、町民から好ましく思われている。
深夜4回目の水垢離

深夜4回目の水垢離

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▼ さすがに4年目ともなると貫禄がでて、深夜、4回目の寒中みそぎでも、余裕の表情を見せる別当だった。
余裕の

別当べっとう

は22歳の大学生・平野嘉栄さん

余裕の別当は22歳の大学生・平野嘉栄さん

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